<長崎空港で地獄炊き>
長崎空港である。
空港を訪れるのは飛行機の利用客や送迎する人々だけではない。このわたしみたいに土産の購入やランチだけを目的とする飛行機嫌いな奴もいるのである。
(たしか『つばき』という店名だったな・・・)
あった!
人気店であり昼どきなので予想通り混んでいる。待てない性格なのだが、今日はとにかく我慢の一手である。
わたしは長らく五島うどんに縁がないと思っていた。
「盛岡じゃじゃ麺」という記事の冒頭でこう書いてからもう五年も経っている。
『うどんについては、自慢するようだが五島うどんを除けばメジャーのものはほとんど食べている。あとは岐阜の
「ころ(香露)うどん」とか局地的なうどんをじっくりひとつずつ攻めていくくらいである。(なんとも偉そー)』
初めての麺類メニューを食べるなら、その<基準となる味>を舌に覚えこませるために、お手軽な土産物の賞味ではたいてい落胆するので<現地でホンモノを>が文句なしで理想的だ。もちろん、ホンモノのそれが乾麵でも、である。
看板やメニューにあるからと近隣の食堂で試すのも、初めて食すものなら無謀に近いと思える。
五島(手延)うどんは「幻のうどん」ともいわれる長崎の五島列島で生産しているうどんである。しかし、五島にいくには長崎港からフェリーで三時間ちょっと、高速船に乗っても一時間半かかる。
飛行機も船も苦手なわたしには無理とあきらめていたら、空港で本場の美味しい五島うどんが食べられると最近になって知ったのである。
どうやらこの店のうどんメニューは豊富で、迷いそうだ。博多うどんでやるみたいに「ごぼ天うどん」一直線とはいかなそうである。
席に案内されながら店内に視線を素早く走らせると鉄鍋のうどんを食べている客が多かった。よし、あれでいこう。メニューのなかから見つけ出し、おなじものを注文した。値段が意外に安くて驚く。
テーブルにあったパウチされた紙に、地獄炊きの由来と召し上がり方が書いてあった。
「地獄炊き」という名前だが、初めて食べた旅人が「しごくおいしい」とほめたのが、「地獄おいしい」と聞き間違えたのが由来だとか。
二種類のつけだれがあり、特製のあご(飛魚)だしスープにはネギと生姜を、生卵にはカツオ節と醤油を入れて食べるそうである。
しばし待たされて、まずは鉄鍋を除いたセットが運ばれてきた。
澄みきったあごだしスープを、まずは啜ってみる。
おっ、旨い!
深みと奥行きのある、得もいわれぬ味わいに思わず舌が狂喜した。
このあごだしスープならうどんだけでなく、ラーメンもちゃんぽんなど小麦粉系の麺類すべてを受け入れるのではないか。いや、きっとフランスパンのバケットさえも合うだろう。
待ちにまった、うどん満載の熱々の鉄鍋が到着する。
絶妙のあごだしをちょいとくぐらせた椿油を塗って熟成した細めのうどんが、どこかチャンポンの麺に似たしなやかさで口中に飛び込んでくると、元気で軽やかなステップを踏みながらストンと喉をおちていく。
うーむ。もっちりした歯ごたえと、とにかく喉越しがすばらしい。
玉子だれも引けをとらぬ旨さだが、あごだしのほうがわたしの好みであった。
でかい鉄鍋だから食べきれるかなと心配したのが杞憂となり、きれいに食べきった。ついに制覇した幻のうどんは、真に美味であった。まんぞくまんぞく。
→「たまには空港でランチを」の記事はこちら
→「高千穂から青島まで」の記事はこちら
→「盛岡じゃじゃ麺」の記事はこちら
長崎空港である。
空港を訪れるのは飛行機の利用客や送迎する人々だけではない。このわたしみたいに土産の購入やランチだけを目的とする飛行機嫌いな奴もいるのである。
(たしか『つばき』という店名だったな・・・)
あった!
人気店であり昼どきなので予想通り混んでいる。待てない性格なのだが、今日はとにかく我慢の一手である。
わたしは長らく五島うどんに縁がないと思っていた。
「盛岡じゃじゃ麺」という記事の冒頭でこう書いてからもう五年も経っている。
『うどんについては、自慢するようだが五島うどんを除けばメジャーのものはほとんど食べている。あとは岐阜の
「ころ(香露)うどん」とか局地的なうどんをじっくりひとつずつ攻めていくくらいである。(なんとも偉そー)』
初めての麺類メニューを食べるなら、その<基準となる味>を舌に覚えこませるために、お手軽な土産物の賞味ではたいてい落胆するので<現地でホンモノを>が文句なしで理想的だ。もちろん、ホンモノのそれが乾麵でも、である。
看板やメニューにあるからと近隣の食堂で試すのも、初めて食すものなら無謀に近いと思える。
五島(手延)うどんは「幻のうどん」ともいわれる長崎の五島列島で生産しているうどんである。しかし、五島にいくには長崎港からフェリーで三時間ちょっと、高速船に乗っても一時間半かかる。
飛行機も船も苦手なわたしには無理とあきらめていたら、空港で本場の美味しい五島うどんが食べられると最近になって知ったのである。
どうやらこの店のうどんメニューは豊富で、迷いそうだ。博多うどんでやるみたいに「ごぼ天うどん」一直線とはいかなそうである。
席に案内されながら店内に視線を素早く走らせると鉄鍋のうどんを食べている客が多かった。よし、あれでいこう。メニューのなかから見つけ出し、おなじものを注文した。値段が意外に安くて驚く。
テーブルにあったパウチされた紙に、地獄炊きの由来と召し上がり方が書いてあった。
「地獄炊き」という名前だが、初めて食べた旅人が「しごくおいしい」とほめたのが、「地獄おいしい」と聞き間違えたのが由来だとか。
二種類のつけだれがあり、特製のあご(飛魚)だしスープにはネギと生姜を、生卵にはカツオ節と醤油を入れて食べるそうである。
しばし待たされて、まずは鉄鍋を除いたセットが運ばれてきた。
澄みきったあごだしスープを、まずは啜ってみる。
おっ、旨い!
深みと奥行きのある、得もいわれぬ味わいに思わず舌が狂喜した。
このあごだしスープならうどんだけでなく、ラーメンもちゃんぽんなど小麦粉系の麺類すべてを受け入れるのではないか。いや、きっとフランスパンのバケットさえも合うだろう。
待ちにまった、うどん満載の熱々の鉄鍋が到着する。
絶妙のあごだしをちょいとくぐらせた椿油を塗って熟成した細めのうどんが、どこかチャンポンの麺に似たしなやかさで口中に飛び込んでくると、元気で軽やかなステップを踏みながらストンと喉をおちていく。
うーむ。もっちりした歯ごたえと、とにかく喉越しがすばらしい。
玉子だれも引けをとらぬ旨さだが、あごだしのほうがわたしの好みであった。
でかい鉄鍋だから食べきれるかなと心配したのが杞憂となり、きれいに食べきった。ついに制覇した幻のうどんは、真に美味であった。まんぞくまんぞく。
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