<洞爺湖温泉>
ここは洞爺湖の南岸、北海道有数の観光地、洞爺湖温泉である。
北の湖という「憎らしいほど強い」大横綱がいたが、その四股名は故郷である壮瞥にあるこの洞爺湖から来ている。
洞爺湖はほぼ円形の湖だ。
面積は日本で九番目、カルデラ湖としては屈斜路湖、支笏湖に次いで三番目の大きさである。支笏湖と同じように不凍湖だ。
鉱山が閉鎖されるまでの長いあいだ廃水が洞爺湖に流入しつづけたため湖水は酸性化、多くの生物が死滅し漁獲量も激減した。
その後、鉱山廃水の中和事業と、有珠山大噴火、噴火活動に伴う大量の火山灰が洞爺湖へ降り注ぎ、火山灰のアルカリ性によって湖水の酸性が中和され漁獲量も回復したそうだ。
中央に浮かぶ中島には、昭和三十年代まで数人の定住者がいたが、いまでは定住者はひとりもいない。
日高地方から持ち込まれたエゾシカ数頭が繁殖して多数生息しているらしい。
初めて洞爺湖温泉にきたときは、日帰りで温泉入浴だけをした。
北海道では入浴料金は無料とか、せいぜい五百円以下の入浴料金のころだったので、そのホテルで二千五百円くらいとられてたまげた。
(北海道なんてそうそう来られないからなぁ・・・)
いまなら「冗談じゃない、ふざけるな!」と踵を翻すが、まだ温泉初心者の時代だったから大枚を払って、大浴場にいったのだった。
ホテルの最上階全体が大浴場で、そのあまりの広さに度肝を抜かれた。
目の前に洞爺湖が広がっていて眺めだけはとにかく圧巻であった。
ホテルはやがて経営が立ちいかなくなって、秋保温泉の「瑞鳳」を買い取った北海道の大手観光会社に身売りしたようだ。
ひと気がないのは、東日本大震災の影響で客数激減のため、とりあえず一年間の休館としたためだ。
北海道に上陸して最初の宿は、宿賃だけで決めた。素泊まりの宿賃なみクラスで二食付きである。
明日は美瑛に行って二泊目の宿を「新富良野プリンス」に決めているために極力に抑えたのだ。
部屋も広くてきれいであり、肝心の温泉も予想外に良くて吃驚した。
洞爺湖温泉では組合で一括管理され配湯するため、どこの宿でも同じ泉質なのだが、この宿は嬉しいことに循環濾過していないため、褐色の濁りがある。
食事の質と量は、料金が安いので文句は言えない。
朝食の和定食を食べているときだった。
「昨日・・・シメ・・・カレーラーメン、旨かったなあ。・・・ビックリしたよ」
「だろ!」
別のテーブルの、四人連れの男性客が声高に話しているのが耳に入った。
わたしはこういうクチコミに弱い。耳をそばだててしまう。
どうやら、昨夜の夕食後に外へ呑みにいき最後にカレーラーメンを食べたらしい。
わたしも夕食前に温泉街の呑み屋を物色したのだが、持ち込んだ焼酎で部屋呑みで経費節減したのだった。
このとき聞いた「カレーラーメン」をなぜかずっと忘れられず、ついには登別で食べる機会を得ることを、このころはまだまったく知らないのであった。
→「美瑛の女(ひと)」の記事はこちら
→「支笏湖畔のカルビ丼」の記事はこちら
→「続・秋保温泉(1)」の記事はこちら
→「続・秋保温泉(2)」の記事はこちら
→「新富良野プリンスの、てるてる」の記事はこちら
→「街飯プランで泊る」の記事はこちら
ここは洞爺湖の南岸、北海道有数の観光地、洞爺湖温泉である。
北の湖という「憎らしいほど強い」大横綱がいたが、その四股名は故郷である壮瞥にあるこの洞爺湖から来ている。
洞爺湖はほぼ円形の湖だ。
面積は日本で九番目、カルデラ湖としては屈斜路湖、支笏湖に次いで三番目の大きさである。支笏湖と同じように不凍湖だ。
鉱山が閉鎖されるまでの長いあいだ廃水が洞爺湖に流入しつづけたため湖水は酸性化、多くの生物が死滅し漁獲量も激減した。
その後、鉱山廃水の中和事業と、有珠山大噴火、噴火活動に伴う大量の火山灰が洞爺湖へ降り注ぎ、火山灰のアルカリ性によって湖水の酸性が中和され漁獲量も回復したそうだ。
中央に浮かぶ中島には、昭和三十年代まで数人の定住者がいたが、いまでは定住者はひとりもいない。
日高地方から持ち込まれたエゾシカ数頭が繁殖して多数生息しているらしい。
初めて洞爺湖温泉にきたときは、日帰りで温泉入浴だけをした。
北海道では入浴料金は無料とか、せいぜい五百円以下の入浴料金のころだったので、そのホテルで二千五百円くらいとられてたまげた。
(北海道なんてそうそう来られないからなぁ・・・)
いまなら「冗談じゃない、ふざけるな!」と踵を翻すが、まだ温泉初心者の時代だったから大枚を払って、大浴場にいったのだった。
ホテルの最上階全体が大浴場で、そのあまりの広さに度肝を抜かれた。
目の前に洞爺湖が広がっていて眺めだけはとにかく圧巻であった。
ホテルはやがて経営が立ちいかなくなって、秋保温泉の「瑞鳳」を買い取った北海道の大手観光会社に身売りしたようだ。
ひと気がないのは、東日本大震災の影響で客数激減のため、とりあえず一年間の休館としたためだ。
北海道に上陸して最初の宿は、宿賃だけで決めた。素泊まりの宿賃なみクラスで二食付きである。
明日は美瑛に行って二泊目の宿を「新富良野プリンス」に決めているために極力に抑えたのだ。
部屋も広くてきれいであり、肝心の温泉も予想外に良くて吃驚した。
洞爺湖温泉では組合で一括管理され配湯するため、どこの宿でも同じ泉質なのだが、この宿は嬉しいことに循環濾過していないため、褐色の濁りがある。
食事の質と量は、料金が安いので文句は言えない。
朝食の和定食を食べているときだった。
「昨日・・・シメ・・・カレーラーメン、旨かったなあ。・・・ビックリしたよ」
「だろ!」
別のテーブルの、四人連れの男性客が声高に話しているのが耳に入った。
わたしはこういうクチコミに弱い。耳をそばだててしまう。
どうやら、昨夜の夕食後に外へ呑みにいき最後にカレーラーメンを食べたらしい。
わたしも夕食前に温泉街の呑み屋を物色したのだが、持ち込んだ焼酎で部屋呑みで経費節減したのだった。
このとき聞いた「カレーラーメン」をなぜかずっと忘れられず、ついには登別で食べる機会を得ることを、このころはまだまったく知らないのであった。
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