<読んだ本 2021年8月>
東海道本線、安城駅である。
なんでも安城は、酪農都市で日本のデンマークと呼ばれているらしいが、駅前の景色からは想像できない。
(ホテルは・・・と、あれかな!)
泊まるのが温泉地でなければ、なるべく宿賃が安くすませたいほうである。
スーパーホテルは、ロハス(健康と環境、持続可能な社会生活を心がける生活スタイル)を基本コンセプトに国内に166店舗を展開しているビジネスホテルチェーンだそうだ。
毎日のように利用する、横浜の戸塚駅に隣接したところにも突然ドーンと出現して気になってはいたので、試しに泊まってみることにした。
「むぅ、これか!」
宛がわれた部屋の前で立ち止まる。見慣れぬダイアル錠がドアに設置されている。宿賃を前払いして受け取った領収書にある、6桁の数字を打ちこんで解錠した。
宿泊した部屋の名前や4桁のルームナンバーを覚えるのは慣れているが、そのルームナンバーに加えての「6桁」はいかにも一晩だけ覚えるには長すぎる。厭だいやだイヤダ、勘弁してほしい。どうせ次の日にはまったく無用の数字となるのだし。
外の居酒屋に出掛けてたっぷり酒でも入ったら長い6桁のほうはきっと綺麗さっぱり忘れてしまうぞ。というか館内の大浴場往復でさえ危ない。これはチェックアウトまで、領収書は大事に持ち歩いたほうがよさそうだ。
天然温泉「安祥の湯」は美肌の湯と銘打つが、循環クルクル系の“なーんちゃって温泉”。
それでも、思ったよりは肌触りの良い泉質であった。岐阜の池田温泉から運ばれているとのことだ。スーパーホテル系の温泉はすべて運搬モノなのかもしれない。
ビュッフェでいただく「健康朝食」は、わたしの大の苦手な、レイのエンボス手袋装着の“鑑識班出動”スタイルだったのが残念だった。
あ、そうそう宿賃だが、B&Bで4,500円と、ビジネスホテルの平均より一、二割安い。
さて、8月に読んだ本ですが、まあこんなもんですの5冊、年間累計で38冊。
1. ○ネヴァー・ゲーム ジェフリー・ディーヴァ― 文芸春秋
2. ○キャロリング 有川浩 幻冬舎
3. ○鴨川食堂 もてなし 7 柏井壽 小学館文庫
4. ◎ワインツリーの国 有川浩 角川文庫
5. ○翳った旋舞 松本清張 光文社文庫
ジェフリー・ディーヴァーの「ネヴァー・ゲーム」はちょっとガッカリした。
懸賞金ハンターのアウトドア派のコルター・ショウが主人公の新シリーズの第1作。リンカーン・ライムはインドア派の主人公なので期待して読んだのだが・・・。なにしろ長編なので読み切るまで苦労してしまった。
結果、ディーヴァ―では、やはり「リンカーン・ライム」シリーズを推したい。新しい主人公を模索して思うような結果が伴わないというのが海外系の本にはやたら多い。
眼にとまった文章があった。
『一般論では、相手が警察であろうと誰であろうと、身分証を見せる義務はない。ただその場合、
協力を拒んだ結果を引き受ける覚悟をしておかなくてはならない。世界で何より値打ちのある資産は時間だが、
警察相手にあまり強気に出ると、その資産をごっそり失うはめになる。』
とくに『世界で何より値打ちのある資産は時間』という箇所に目が釘付けになってしまった。
「レインツリーの国」は、わたし的にはとても重い内容で途中で投げようとしたが、軽いタッチの文章で最後まで読めました。とても、いい本です。
久しぶりの「鴨川食堂 もてなし 7」。
あれっ、いつもいる猫の<ひるね>はどうしたんだろう。
七巻目だが、六巻目までに<ひるね>になにかあったっけか。まったく記憶にない。
猫のひるねは、鴨川食堂の主人「鴨川流」に食べもん商売だからと店には入れてもらえず、入口に停めた自転車の前カゴを住まいにしている、娘の「こいし」が可愛がっている猫である。ただし飼い猫ではない。
猫好きなので大いに気になり、集中して読めなかった。
でも読み進むと第四話で、ようやく風邪で動物病院に入院していることがわかり、ひと安心した。
そんなわけで、短い文章を二つ。
『ほんとうに食べものというのは不思議だ。食べているうちにいろんなことを思いだす。十五年という
長い歳月を経ても、まったく色褪せていない。
たしかにこんなチキンライスだった。』
第三話 「チキンライス」より
『食べるということは案外保守的なもので、生まれ育ってきたなかで食べてきたものと違うと、
拒絶反応を示してしまう。』
第四話 「五目焼きそば」より
たしかに、食べものも本や音楽や映画と同じように、いやそれ以上にいろんなことを思いださせてくれるものだ。
→「読んだ本 2021年7月」の記事はこちら
東海道本線、安城駅である。
なんでも安城は、酪農都市で日本のデンマークと呼ばれているらしいが、駅前の景色からは想像できない。
(ホテルは・・・と、あれかな!)
泊まるのが温泉地でなければ、なるべく宿賃が安くすませたいほうである。
スーパーホテルは、ロハス(健康と環境、持続可能な社会生活を心がける生活スタイル)を基本コンセプトに国内に166店舗を展開しているビジネスホテルチェーンだそうだ。
毎日のように利用する、横浜の戸塚駅に隣接したところにも突然ドーンと出現して気になってはいたので、試しに泊まってみることにした。
「むぅ、これか!」
宛がわれた部屋の前で立ち止まる。見慣れぬダイアル錠がドアに設置されている。宿賃を前払いして受け取った領収書にある、6桁の数字を打ちこんで解錠した。
宿泊した部屋の名前や4桁のルームナンバーを覚えるのは慣れているが、そのルームナンバーに加えての「6桁」はいかにも一晩だけ覚えるには長すぎる。厭だいやだイヤダ、勘弁してほしい。どうせ次の日にはまったく無用の数字となるのだし。
外の居酒屋に出掛けてたっぷり酒でも入ったら長い6桁のほうはきっと綺麗さっぱり忘れてしまうぞ。というか館内の大浴場往復でさえ危ない。これはチェックアウトまで、領収書は大事に持ち歩いたほうがよさそうだ。
天然温泉「安祥の湯」は美肌の湯と銘打つが、循環クルクル系の“なーんちゃって温泉”。
それでも、思ったよりは肌触りの良い泉質であった。岐阜の池田温泉から運ばれているとのことだ。スーパーホテル系の温泉はすべて運搬モノなのかもしれない。
ビュッフェでいただく「健康朝食」は、わたしの大の苦手な、レイのエンボス手袋装着の“鑑識班出動”スタイルだったのが残念だった。
あ、そうそう宿賃だが、B&Bで4,500円と、ビジネスホテルの平均より一、二割安い。
さて、8月に読んだ本ですが、まあこんなもんですの5冊、年間累計で38冊。
1. ○ネヴァー・ゲーム ジェフリー・ディーヴァ― 文芸春秋
2. ○キャロリング 有川浩 幻冬舎
3. ○鴨川食堂 もてなし 7 柏井壽 小学館文庫
4. ◎ワインツリーの国 有川浩 角川文庫
5. ○翳った旋舞 松本清張 光文社文庫
ジェフリー・ディーヴァーの「ネヴァー・ゲーム」はちょっとガッカリした。
懸賞金ハンターのアウトドア派のコルター・ショウが主人公の新シリーズの第1作。リンカーン・ライムはインドア派の主人公なので期待して読んだのだが・・・。なにしろ長編なので読み切るまで苦労してしまった。
結果、ディーヴァ―では、やはり「リンカーン・ライム」シリーズを推したい。新しい主人公を模索して思うような結果が伴わないというのが海外系の本にはやたら多い。
眼にとまった文章があった。
『一般論では、相手が警察であろうと誰であろうと、身分証を見せる義務はない。ただその場合、
協力を拒んだ結果を引き受ける覚悟をしておかなくてはならない。世界で何より値打ちのある資産は時間だが、
警察相手にあまり強気に出ると、その資産をごっそり失うはめになる。』
とくに『世界で何より値打ちのある資産は時間』という箇所に目が釘付けになってしまった。
「レインツリーの国」は、わたし的にはとても重い内容で途中で投げようとしたが、軽いタッチの文章で最後まで読めました。とても、いい本です。
久しぶりの「鴨川食堂 もてなし 7」。
あれっ、いつもいる猫の<ひるね>はどうしたんだろう。
七巻目だが、六巻目までに<ひるね>になにかあったっけか。まったく記憶にない。
猫のひるねは、鴨川食堂の主人「鴨川流」に食べもん商売だからと店には入れてもらえず、入口に停めた自転車の前カゴを住まいにしている、娘の「こいし」が可愛がっている猫である。ただし飼い猫ではない。
猫好きなので大いに気になり、集中して読めなかった。
でも読み進むと第四話で、ようやく風邪で動物病院に入院していることがわかり、ひと安心した。
そんなわけで、短い文章を二つ。
『ほんとうに食べものというのは不思議だ。食べているうちにいろんなことを思いだす。十五年という
長い歳月を経ても、まったく色褪せていない。
たしかにこんなチキンライスだった。』
第三話 「チキンライス」より
『食べるということは案外保守的なもので、生まれ育ってきたなかで食べてきたものと違うと、
拒絶反応を示してしまう。』
第四話 「五目焼きそば」より
たしかに、食べものも本や音楽や映画と同じように、いやそれ以上にいろんなことを思いださせてくれるものだ。
→「読んだ本 2021年7月」の記事はこちら
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