<東御、畑の中のイタリアン(2)>
わたしがランチコースの安いほうを選んだのは、昨日泊まった宿の朝食をしっかり食べたせいもある。
わたしは野菜不足と認識しているので前菜に選んだのは「ミネストローネ」である。
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活〆天然ウスバハギのカルパッチョにするか、と一瞬悩んだが割り増し料金が加算されるのでこちらにしたのだ。それにアルコールが欲しくなってしまう。
店の入口が開く気配があり、賑やかさとともに三人の女性客が入ってきて、視線を走らせ思わず頬がゆるんでしまう。ノンナ(お婆ちゃん)の三人組だったからだ。乗ってきた車からみて、たぶん地元のノンナだろう。
そろそろ予約客が来る時間帯に入ったようだ。
地元の野菜をたっぷり使用して丁寧に煮込んである。とても優しい味だ。
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ノンナ三人がお嬢さんを捕まえて、メニューをあれこれと問いただしていた。あたしゃ安いAコースでいいわと言いながらもメイン料理を頼んで「それだとランチのBになりますが・・・」と言われて、面倒だからBでいいわと一人が決断するとあとの二人も「同じで」と賛同している。
パスタに選んだのは千葉県産イワシの軽いトマトソース、ミント風味である。
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選択肢に辛いアラビアータもないし、ポモドーロもないので、一番塩辛そうなイワシにしてみたのだ。
ひと口食べて、これを頼んで正解だったと安堵する。
イワシのほんのりとした苦みとトマトソースにミントが加わって、得もいえぬ味わいでフォークが止まらない。
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一気に食べ切り、千切ったパンで残ったソースを拭うように絡めとっていく。まるで大好きな料理を与えられたネコが、最後に舐めきったような綺麗な皿にみるみるなってしまう。ただ、最初に食べたパンのときより、すこしだけ固くなっているような気がしたのは気のせいだろうか。
また、予約客が入ってきたが今度も地元っぽい若い女性客が二人である。男はいまのとこ
ろわたしだけ、東御の女性はイタリアンが好きなのだろう。聞こえる注文からBコースを選択したようだ。
デザートに選んだのは「シナモン風味のプリンと巨峰のケイクジェラート添え」である。追加料金が発生するが、マンゴーとホワイトチョコレートの二色のムースはわたしにはいかにも甘そうだ。
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デザートと珈琲が並ぶといかにも盛観であった。これだけでも東京なら千円くらい取られるかもしれない。
トイレも実に清潔で、男女それぞれあるのがありがたい。
デザートのプリンだけ半分残してしまったのは、「これって芋の味?」と思ってしまったからだ。女性だったら、たぶん美味しいと言ったに違いない。ミニ・ドルチェでいいからパスタを増量してほしいという男はたぶんわたしだけではないだろう。
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「ご馳走さまでした。とても美味しかったです」
勘定を払うと、珍しくわたしは厨房のシェフに声をかけた。
頂いた名刺の電話番号をあとでガラケーに登録しよう。
次に来るときには律儀に予約の電話をして、追加料金が発生してもペンネ・アラビアータかポモドーロにしてくれと頼みこもうと決めた。まっ、思いがけず気に入ってしまったイワシのパスタでももちろん手を打つけどね。パンのお代りも忘れないようにしよう。
→「東御、畑の中のイタリアン(1)」の記事はこちら
わたしがランチコースの安いほうを選んだのは、昨日泊まった宿の朝食をしっかり食べたせいもある。
わたしは野菜不足と認識しているので前菜に選んだのは「ミネストローネ」である。
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活〆天然ウスバハギのカルパッチョにするか、と一瞬悩んだが割り増し料金が加算されるのでこちらにしたのだ。それにアルコールが欲しくなってしまう。
店の入口が開く気配があり、賑やかさとともに三人の女性客が入ってきて、視線を走らせ思わず頬がゆるんでしまう。ノンナ(お婆ちゃん)の三人組だったからだ。乗ってきた車からみて、たぶん地元のノンナだろう。
そろそろ予約客が来る時間帯に入ったようだ。
地元の野菜をたっぷり使用して丁寧に煮込んである。とても優しい味だ。
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ノンナ三人がお嬢さんを捕まえて、メニューをあれこれと問いただしていた。あたしゃ安いAコースでいいわと言いながらもメイン料理を頼んで「それだとランチのBになりますが・・・」と言われて、面倒だからBでいいわと一人が決断するとあとの二人も「同じで」と賛同している。
パスタに選んだのは千葉県産イワシの軽いトマトソース、ミント風味である。
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選択肢に辛いアラビアータもないし、ポモドーロもないので、一番塩辛そうなイワシにしてみたのだ。
ひと口食べて、これを頼んで正解だったと安堵する。
イワシのほんのりとした苦みとトマトソースにミントが加わって、得もいえぬ味わいでフォークが止まらない。
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一気に食べ切り、千切ったパンで残ったソースを拭うように絡めとっていく。まるで大好きな料理を与えられたネコが、最後に舐めきったような綺麗な皿にみるみるなってしまう。ただ、最初に食べたパンのときより、すこしだけ固くなっているような気がしたのは気のせいだろうか。
また、予約客が入ってきたが今度も地元っぽい若い女性客が二人である。男はいまのとこ
ろわたしだけ、東御の女性はイタリアンが好きなのだろう。聞こえる注文からBコースを選択したようだ。
デザートに選んだのは「シナモン風味のプリンと巨峰のケイクジェラート添え」である。追加料金が発生するが、マンゴーとホワイトチョコレートの二色のムースはわたしにはいかにも甘そうだ。
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デザートと珈琲が並ぶといかにも盛観であった。これだけでも東京なら千円くらい取られるかもしれない。
トイレも実に清潔で、男女それぞれあるのがありがたい。
デザートのプリンだけ半分残してしまったのは、「これって芋の味?」と思ってしまったからだ。女性だったら、たぶん美味しいと言ったに違いない。ミニ・ドルチェでいいからパスタを増量してほしいという男はたぶんわたしだけではないだろう。
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「ご馳走さまでした。とても美味しかったです」
勘定を払うと、珍しくわたしは厨房のシェフに声をかけた。
頂いた名刺の電話番号をあとでガラケーに登録しよう。
次に来るときには律儀に予約の電話をして、追加料金が発生してもペンネ・アラビアータかポモドーロにしてくれと頼みこもうと決めた。まっ、思いがけず気に入ってしまったイワシのパスタでももちろん手を打つけどね。パンのお代りも忘れないようにしよう。
→「東御、畑の中のイタリアン(1)」の記事はこちら
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