温泉クンの旅日記

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川崎、ゴールデンコース

2012-05-23 | 食べある記
  <川崎、ゴールデンコース>

 川崎駅で途中下車し、改札を抜けて、ちゃっかり「アトレ」のエレベーターを使って一階に降り、「川崎駅前タワーリバーク」方面の出口を出る。
 あとは、真っすぐ歩けば「丸大ホール(食堂)」はすぐだ。百年の歴史がある、川崎では有名な店である。



 午後二時台なので、がら空きの店内であった。
 テーブル席がずらりと並び、奥に座敷があるようだ。座敷の前のテーブルに座っている、貫禄のある大女将がたぶん四代目だろう。

 遅めの昼食に、オムライスとかラーメンを食べている客がちらほらである。大衆食堂であり大衆酒場であるここは丼物、麺類、中華、洋食、一品料理の酒のつまみとおかずと幅広く提供している。

 迷わず、焼酎のお茶割りを注文した。
 待つほどもなく運ばれてくる。透き通ったかち割り氷が、たまらなく嬉しい。
(やっとこさ、三度目の正直で入れたぜ・・・)
 心の中でつぶやく。

 一回目に来たときは土曜で定休日、二回目が金曜夜八時で満員、こんどが三度目の正直っていうやつだ。
 さて、つまみが難しい。昼に伊勢廣で食べた焼鳥重のせいで、まだあんまり腹も減っていないからだ。
 しかし、料理の品数の多さにビックリしてしまう。しかも、どれも安い。
 メインのメニュー板のほかに、紙に書かれた品書きがぐるりと貼られているのだが、それがひとつもだぶっていないのだ。ありがたいことに三百五十円と四百円のものが多い。



 ようやくホタルいかと決めて頼むと、その品だけが売切れという。たしかによく見ると小さな紙片が貼ってあった。
 ではと、無難にまずは谷中生姜に決めた。あとは呑みながら考えればいい。



 川崎にはすこし土地勘がある。
 若いころ、埠頭のほうで日雇いを何カ月かしたのだ。賃金が年齢で違うことから歳をごまかして働いた。昼に弁当を食べると床に段ボールを引いて欲も得もなく爆睡してしまうほどのきつい力仕事だった。帰りに現金でその日の賃金をもらうと、もったいなくて遣わずに真っすぐ帰ったものだった。
 そんなことを懐かしく思いだす。
 お代わりするときに、トリ貝の刺身を追加で注文する。



 綺麗ないい氷ですね、と仲居さんに話しかけると、しばらくの間氷や店の話で盛り上がってしまった。
 いつものように水割りに切り替え、ついでにらっきょを頼む。



 まだやっと会社の終業時ごろである。こんな時間に酔い潰れても困るし、初めての店で格好が悪い。四杯呑んだところで勘定を頼んだ。

 丸大食堂を出ると、「天龍」に向かった。



 ここも安くてうまいので、いつでも混んでいる店だ。ただし客の回転は速い。
 暖簾に「天下一いずま」と書かれているのは、いずまの反対、「天下一うまい」という意味だ。
 半端な時間なので珍しく空いていた。ということは、すこし呑めるということだな。軽く食べる前にとりあえず、餃子とハイボールを頼む。



 あっという間に出されるギンギンに冷えたジョッキが、なんとも嬉しい限りである。
 熱々の餃子がこれまたなんとも旨い。ハイボールの進むこと。



 調子に乗って三杯ほど呑んでしまい、混み始めだしたので締めのラーメンを食べる。



 川崎のゴールデンコースを堪能した報いだろう、案の定、たったのふた駅で降りるところを不覚にも乗り過ごしてしまった。いつ座ったのかもまるで記憶にない。きっと横浜駅なのだろう。
 早い時間なので、戻る電車は幸いまだたっぷりあったが深く反省するしかない。


   →「焼鳥屋の絶品ランチ」の記事はこちら

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