<有楽町界隈のラーメン(2)>
旅から戻ってくると、書き綴る文章に句読点を必ず打つように無性に東京ラーメンが食べたくなる。
銀座が遠くて面倒だと感じるときは、手近の有楽町ですませることもある。
有楽町高架下センター商店会の横断幕をくぐる。
まっすぐ歩けば東京駅につながるガード下だ。
ここは昭和でピタリと時が止まったような小路である。
丸の内時代、入ってすぐ左にある居酒屋「玉菊」にはずいぶん通ったものだ。いまは店もだいぶ大きくなって、顔見知りだったあのタコ社長から似つかぬほど美人の娘の代になったのかもしれない。
途中左手にあるさらに狭い丸三横丁に入る。横丁名の「丸三」は住所の丸の内三丁目を略したものだ。
東京国際フォーラムに出る直前のところに「谷ラーメン」はある。創業は昭和四十二年(1967年)だから既に半世紀を超えている老舗だ。
食券制なので、一番安いラーメンの券を購入した。
ラーメンの相場はタクシーの初乗り料金と同じだから、六百三十円は安いと言える。
入ってすぐ左手が厨房前のカウンター席、右側にテーブル席が三つ、奥の小上がりの座敷に二卓という配置である。
四人掛けのひとりが食べ終わったので、そこに座った。年季がはいった店内だが掃除がいき届いていて清潔が保たれており、接客もかなり高いレベルである。
豚骨系でここまで澄み切った琥珀色のスープは凄い。あっさり、さっぱりの味のスープだ。血圧も気にせずゴクゴク飲めそうな薄味なスープである。具も葱、叉焼、メンマ、海苔とシンプルなのが好みである。
中太の縮れ麺にあっさりスープが絡んで、あっという間に食べきった。灰皿も置いてあるのだが、わたしが座った卓では誰も吸っていないのでやめておく。
呑んだあとのラーメンではないので、なにか物足らない。客の多くが高い半炒飯セットを食べていたのになるほどと納得する。
そうだ、あそこに行ってみるか。思いついたのは、何度か行ったことのある居酒屋で「昼もランチをやっていますのでよろしく」と言われていた店である。
おにぎりと味噌汁くらいでもいいな。店の前にならべられたランチのなかにカレーライスが並んでいた。カツとかメンチとかコロッケなどのトッピングの他に、トッピング無しのメニューもあった。五百五十円と値段も手ごろだ。
暖簾を潜る。
「あら、昼間になんてお珍しい」
「カレーライス、ご飯少なめでお願いします」
歓迎してくれる接客上手な品のある女将さんに、一食既に食べてきたのでとわがままを言った。
カウンター席では生ビールを呑んでいる客もいたが、この店はすぐに中休みに入るのでわたしは我慢する。
家庭で食べるようなとっても優しい味のカレーだった。うむ、満足。
→「有楽町界隈のラーメン(1)」の記事はこちら
→「銀座 萬福」の記事はこちら
→「銀座のど真ん中でワンコインラーメン」の記事はこちら
→「銀座、300円ラーメン健在なり」の記事はこちら
旅から戻ってくると、書き綴る文章に句読点を必ず打つように無性に東京ラーメンが食べたくなる。
銀座が遠くて面倒だと感じるときは、手近の有楽町ですませることもある。
有楽町高架下センター商店会の横断幕をくぐる。
まっすぐ歩けば東京駅につながるガード下だ。
ここは昭和でピタリと時が止まったような小路である。
丸の内時代、入ってすぐ左にある居酒屋「玉菊」にはずいぶん通ったものだ。いまは店もだいぶ大きくなって、顔見知りだったあのタコ社長から似つかぬほど美人の娘の代になったのかもしれない。
途中左手にあるさらに狭い丸三横丁に入る。横丁名の「丸三」は住所の丸の内三丁目を略したものだ。
東京国際フォーラムに出る直前のところに「谷ラーメン」はある。創業は昭和四十二年(1967年)だから既に半世紀を超えている老舗だ。
食券制なので、一番安いラーメンの券を購入した。
ラーメンの相場はタクシーの初乗り料金と同じだから、六百三十円は安いと言える。
入ってすぐ左手が厨房前のカウンター席、右側にテーブル席が三つ、奥の小上がりの座敷に二卓という配置である。
四人掛けのひとりが食べ終わったので、そこに座った。年季がはいった店内だが掃除がいき届いていて清潔が保たれており、接客もかなり高いレベルである。
豚骨系でここまで澄み切った琥珀色のスープは凄い。あっさり、さっぱりの味のスープだ。血圧も気にせずゴクゴク飲めそうな薄味なスープである。具も葱、叉焼、メンマ、海苔とシンプルなのが好みである。
中太の縮れ麺にあっさりスープが絡んで、あっという間に食べきった。灰皿も置いてあるのだが、わたしが座った卓では誰も吸っていないのでやめておく。
呑んだあとのラーメンではないので、なにか物足らない。客の多くが高い半炒飯セットを食べていたのになるほどと納得する。
そうだ、あそこに行ってみるか。思いついたのは、何度か行ったことのある居酒屋で「昼もランチをやっていますのでよろしく」と言われていた店である。
おにぎりと味噌汁くらいでもいいな。店の前にならべられたランチのなかにカレーライスが並んでいた。カツとかメンチとかコロッケなどのトッピングの他に、トッピング無しのメニューもあった。五百五十円と値段も手ごろだ。
暖簾を潜る。
「あら、昼間になんてお珍しい」
「カレーライス、ご飯少なめでお願いします」
歓迎してくれる接客上手な品のある女将さんに、一食既に食べてきたのでとわがままを言った。
カウンター席では生ビールを呑んでいる客もいたが、この店はすぐに中休みに入るのでわたしは我慢する。
家庭で食べるようなとっても優しい味のカレーだった。うむ、満足。
→「有楽町界隈のラーメン(1)」の記事はこちら
→「銀座 萬福」の記事はこちら
→「銀座のど真ん中でワンコインラーメン」の記事はこちら
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