<群馬・桐生、水沼駅温泉センター>
わたらせ渓谷鐵道の「神戸(ごうど)駅」を目指していたのだが、手前の「水沼駅」で下車した。
4駅先の神戸駅には、かつて日光線で活躍していた特急列車「けごん」の車両を使用した「レストラン清流」があって、ちょっとだけ鉄っちゃんのわたしはそこでランチを食べようと思っていたのだった。
(わ鐡のサイトから拝借)
早朝、予定通りの電車に乗ったのだが、途中の品川駅で突然トイレに寄りたくなり途中下車してしまった。(酒飲みにありがち)
そのため、次に乗った高崎線から宇都宮線に乗換が必要なのを失念して行き過ぎ、大宮に戻ったりして大幅に予定が狂ったのである。そのまま高崎へ行けばよかったか、は後の祭りだ。
宇都宮線の「小山駅」で両毛線に乗り換えると、1時間電車に揺られ、桐生駅で「わたらせ渓谷鐵道」のホームへ。
わたらせ渓谷鐵道は略称「わ鐵(わてつ)」とか地元では「わた渓」、古い人は「足尾線」とか呼んでいる。期間によりだが、ディーゼルで引く観光トロッコ列車も運転されている。
渡良瀬川に沿って蛇行しながら気動車は進む。
「わ鐡」に乗るのは初めてだが、沿線の国道はなんども車で走ったことはある。
水沼駅のひとつ手前の本宿駅から車で10分ほどのところにある「梨木鉱泉(いまは梨木温泉」に、わたしは二度ほど日帰り湯で訪れていて、この辺りの土地勘はありだ。この温泉宿だが、いまや北陸・和倉温泉「加賀屋」に匹敵する(宿泊料金の)超高級旅館に変貌しているから魂消る。どちらも高嶺の花である。
いつだったか、『渡良瀬』という言葉が入った歌を何度か聞いて、そこに行ってみたいと思ってしまった。行ってみたいなと思ったところには、いつか必ず行くと決めている。決して諦めることはしない。
会社での歓送迎会をわたしが幹事をすると、二次会はカラオケを設定する。予算節減を考えてだが、二次会も呑むより出席率がグッといいからだ。
幹事の責任感から最初にマイクをとるのだが、いつも二番手をさりげなく引き受けてくれる唄のうまい女性がいて、その数え切れない持ち歌のひとつから「渡良瀬(わたらせ)」という魅力を感じる地名をわたしは知っていつか行ってみようと思ったのだ。
たしかあれは、森高千里の「渡良瀬橋」だった。
♪渡良瀬橋で見る夕日を あなたはとても好きだったわ
きれいなとこで育ったね ここに住みたいと言った
電車にゆられこの街まで あなたは会いに来てくれたわ
私は今もあの頃を 忘れられず生きてます
跨線橋を渡り、上りホームに向かう。
1番目の目的を断念したが、水沼駅には、2番目の目的である「温泉センター」があるのだ。
入口の券売機で入館料とタオル代を投入、券を渡してタオルを受取ると浴場に向かった。先客は3名だけ、たっぷりの掛け湯をして熱い湯船に身体を沈めて、ひたすら撮影チャンスを待った。
(画像は旅サイトから拝借)
ところが、次から次へと客がやってきて満員御礼となった。いずれも“マイ入浴セット”を持っているので常連客みたいだった。
わたしも長湯でのぼせてきたので、ついに断念した。いったん時間稼ぎしたいが、この日、自慢の露天風呂はボイラー故障のため使用不能だったのである。
(たしか、建物の右手奥に食堂があったな・・・)
とりあえず、そこで休憩することにした。
ツマミに、簡単なコロッケを頼んだのにずいぶん待たされるなあ・・・と思っていたら、なんと出来あいのものでなく揚げたてのヤツだった。熱々のさくさくホクホクでジツに旨い。
ところで、駅の温泉というのはそれほど珍しくない。山形の高畠駅、新潟の越後湯沢駅など、隣接のもいれればけっこうあちこちにある。
思いだそうとした瞬間に、すぐに岩手の北上線「ほっとゆだ駅」が頭に浮かんだ。
『ほっとゆだ駅の温泉にはいる。駅舎に並んで、暖簾のさがった温泉棟がある。
だから、温泉だけでもはいれる。駅を利用する乗降客専用ではない。
テレビでよく紹介されているので知っている人も多いと思う。ここの温泉、名前
としては川尻温泉という。入浴料は二百円と格安である。泉質は、昨日飛び込みで
泊まった岩手湯本温泉「湯本ホテル」と同じナトリウム硫酸塩塩化物泉だが、源泉
温度が60度とすこし低い。が、充分だ。熱めのすっきりするお湯である。
浴槽は三つあり、子供用、熱め、ぬるめとなっている。
壁に鉄道用の信号灯があり、
青色は、列車発車時間の45分前から30分前
黄色は、30分前から15分前
赤色は、15分前から発車時間
無灯火のときはそれ以外
となっている。
早く着いての時間待ちの時間で、温泉にはいれる。わたしなどはカラスの行水だ
から、黄色が点灯した時点で服を脱ぎ始めても、まず列車に乗り遅れることはない
だろう。』
「煙草吸えるとこ、ないですかね?」
厨房の人に、どーせダメだろうなと思いつつ訊いてみたら、なんと「ありますよ」との嬉しい返事。
浴場の前を奥のほうに歩いてドアを開けると、灰皿があるのですぐわかりますよ、とのこと。ありがたい!
わ鐡も1時間に1本しかない。よーし、もういいわ。最後の予定だった「行田市駅の『深町フライ』」へ寄るのも、この際断念して、煙草一服してからとにかくもう一杯飲んでしまおう。
今回、予定は断念ばかりだったが、こういうのもまあ「旅」なのである。
なにしろ往復7時間以上掛かる日帰り旅だったのだ。旅の軍資金が潤沢ならば「梨木温泉」に一泊したいところだけど、鄙びた「梨木鉱泉」の時代とは雲泥の宿賃なので、これはもう端から断念だった。
→「ほっとゆだら辺」の記事はこちら
わたらせ渓谷鐵道の「神戸(ごうど)駅」を目指していたのだが、手前の「水沼駅」で下車した。
4駅先の神戸駅には、かつて日光線で活躍していた特急列車「けごん」の車両を使用した「レストラン清流」があって、ちょっとだけ鉄っちゃんのわたしはそこでランチを食べようと思っていたのだった。
(わ鐡のサイトから拝借)
早朝、予定通りの電車に乗ったのだが、途中の品川駅で突然トイレに寄りたくなり途中下車してしまった。(酒飲みにありがち)
そのため、次に乗った高崎線から宇都宮線に乗換が必要なのを失念して行き過ぎ、大宮に戻ったりして大幅に予定が狂ったのである。そのまま高崎へ行けばよかったか、は後の祭りだ。
宇都宮線の「小山駅」で両毛線に乗り換えると、1時間電車に揺られ、桐生駅で「わたらせ渓谷鐵道」のホームへ。
わたらせ渓谷鐵道は略称「わ鐵(わてつ)」とか地元では「わた渓」、古い人は「足尾線」とか呼んでいる。期間によりだが、ディーゼルで引く観光トロッコ列車も運転されている。
渡良瀬川に沿って蛇行しながら気動車は進む。
「わ鐡」に乗るのは初めてだが、沿線の国道はなんども車で走ったことはある。
水沼駅のひとつ手前の本宿駅から車で10分ほどのところにある「梨木鉱泉(いまは梨木温泉」に、わたしは二度ほど日帰り湯で訪れていて、この辺りの土地勘はありだ。この温泉宿だが、いまや北陸・和倉温泉「加賀屋」に匹敵する(宿泊料金の)超高級旅館に変貌しているから魂消る。どちらも高嶺の花である。
いつだったか、『渡良瀬』という言葉が入った歌を何度か聞いて、そこに行ってみたいと思ってしまった。行ってみたいなと思ったところには、いつか必ず行くと決めている。決して諦めることはしない。
会社での歓送迎会をわたしが幹事をすると、二次会はカラオケを設定する。予算節減を考えてだが、二次会も呑むより出席率がグッといいからだ。
幹事の責任感から最初にマイクをとるのだが、いつも二番手をさりげなく引き受けてくれる唄のうまい女性がいて、その数え切れない持ち歌のひとつから「渡良瀬(わたらせ)」という魅力を感じる地名をわたしは知っていつか行ってみようと思ったのだ。
たしかあれは、森高千里の「渡良瀬橋」だった。
♪渡良瀬橋で見る夕日を あなたはとても好きだったわ
きれいなとこで育ったね ここに住みたいと言った
電車にゆられこの街まで あなたは会いに来てくれたわ
私は今もあの頃を 忘れられず生きてます
跨線橋を渡り、上りホームに向かう。
1番目の目的を断念したが、水沼駅には、2番目の目的である「温泉センター」があるのだ。
入口の券売機で入館料とタオル代を投入、券を渡してタオルを受取ると浴場に向かった。先客は3名だけ、たっぷりの掛け湯をして熱い湯船に身体を沈めて、ひたすら撮影チャンスを待った。
(画像は旅サイトから拝借)
ところが、次から次へと客がやってきて満員御礼となった。いずれも“マイ入浴セット”を持っているので常連客みたいだった。
わたしも長湯でのぼせてきたので、ついに断念した。いったん時間稼ぎしたいが、この日、自慢の露天風呂はボイラー故障のため使用不能だったのである。
(たしか、建物の右手奥に食堂があったな・・・)
とりあえず、そこで休憩することにした。
ツマミに、簡単なコロッケを頼んだのにずいぶん待たされるなあ・・・と思っていたら、なんと出来あいのものでなく揚げたてのヤツだった。熱々のさくさくホクホクでジツに旨い。
ところで、駅の温泉というのはそれほど珍しくない。山形の高畠駅、新潟の越後湯沢駅など、隣接のもいれればけっこうあちこちにある。
思いだそうとした瞬間に、すぐに岩手の北上線「ほっとゆだ駅」が頭に浮かんだ。
『ほっとゆだ駅の温泉にはいる。駅舎に並んで、暖簾のさがった温泉棟がある。
だから、温泉だけでもはいれる。駅を利用する乗降客専用ではない。
テレビでよく紹介されているので知っている人も多いと思う。ここの温泉、名前
としては川尻温泉という。入浴料は二百円と格安である。泉質は、昨日飛び込みで
泊まった岩手湯本温泉「湯本ホテル」と同じナトリウム硫酸塩塩化物泉だが、源泉
温度が60度とすこし低い。が、充分だ。熱めのすっきりするお湯である。
浴槽は三つあり、子供用、熱め、ぬるめとなっている。
壁に鉄道用の信号灯があり、
青色は、列車発車時間の45分前から30分前
黄色は、30分前から15分前
赤色は、15分前から発車時間
無灯火のときはそれ以外
となっている。
早く着いての時間待ちの時間で、温泉にはいれる。わたしなどはカラスの行水だ
から、黄色が点灯した時点で服を脱ぎ始めても、まず列車に乗り遅れることはない
だろう。』
「煙草吸えるとこ、ないですかね?」
厨房の人に、どーせダメだろうなと思いつつ訊いてみたら、なんと「ありますよ」との嬉しい返事。
浴場の前を奥のほうに歩いてドアを開けると、灰皿があるのですぐわかりますよ、とのこと。ありがたい!
わ鐡も1時間に1本しかない。よーし、もういいわ。最後の予定だった「行田市駅の『深町フライ』」へ寄るのも、この際断念して、煙草一服してからとにかくもう一杯飲んでしまおう。
今回、予定は断念ばかりだったが、こういうのもまあ「旅」なのである。
なにしろ往復7時間以上掛かる日帰り旅だったのだ。旅の軍資金が潤沢ならば「梨木温泉」に一泊したいところだけど、鄙びた「梨木鉱泉」の時代とは雲泥の宿賃なので、これはもう端から断念だった。
→「ほっとゆだら辺」の記事はこちら
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