温泉クンの旅日記

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志摩の絶景

2023-02-19 | ぶらり・フォト・エッセイ
  <志摩の絶景>

 真珠のふるさと、英虞湾の絶景である。

 

 標高140メートルの「伊勢志摩国立公園 横山展望台」からは、テラスからリアス海岸美と、湾に浮かぶ60の小島、突き出た半島を一望できる。
 感無量である。

 

 どことなく佐世保の「展海峰」からの眺望に通じるものがある。一番上にある駐車場を利用したのだろう、車椅子に乗った観光客もいた。
 全国を旅して、伊勢でも鳥羽はたしか3回訪れているのだが、志摩はまったくの初めてなのだ。つまり、いままで志摩には温泉宿が少なかったのである。

 

「横山展望台に行きたいのですが」
 鵜方(うがた)駅の案内所で教えもらった、ワンマンの路線バスに乗り込むと、運転手に訊いた。
「ああ、でしたら停留所に着く前に教えてあげますよ」。ありがたい、打てば響く、だ。

 

 あっと言う間にバス停に着き、精算しているわたしに「でも、けっこうな距離を歩きますよ」と微笑みながら声をかけてくれる。
 なに、脚にはちょいと自信がある。スマホでいうなら「バッテリー残量80%」元気いっぱいだ。
 路地の坂をすこし下ると、信号があり、そこからダラダラ坂が始まった。

 

 歩道の横の舗装の坂路を、観光バスやらタクシー、自家用車がびゅんびゅん飛ばし、ぐんぐん昇っていく。
(うん、どうやら着いたようだな・・・)

 

 20分ほど掛かって昇りつめると、「横山ビジターセンター」の建物にたどり着く。バッテリー残量60%、まだまだ元気。正直言うと、わたしはここまで路線バスで来られると思っていた。
 着いたと安心したら、これが大きな勘違い。
 ここから展望テラスまで、とんでもない地獄が始まった。

 

 

 まあまあ歩きやすい石畳の路が切れると、歩きにくい、勾配のきつい、不揃いの石段路を昇る。それも延々と。
 金毘羅さんの長い階段を経験しているのだが、これがまるで役に立たない。
 駐車場まで車で来た連中、つまり充電満タンの元気いっぱいの観光客に次々と追い越される。
 (ハアハア、ゼイゼイ・・・)
 息が切れはじめる。

 

 ついには呼吸音が盛大になって、あいつに狙われたら絶対に逃げられないといわれる“大滝秀治そっくり”のマタギの名人の銃口から、茂みを斜面を駆け昇りつづけて、一発も浴びずについに逃げおおせたイボイノシシみたいな有り様に陥ってしまう。
 脚に自信があるだと! どこが健脚だ。
 ええい、笑わば笑え。途中に設置されたベンチに、欲も得もなく、へたり込む。こんなことなら、ペットボトルの飲み物とカロリーメイトでも持ってくればよかった。

 

 

 いま居るテラスの先に、「木もれ日テラス」、「そよ風テラス」、「みはらし展望台」、「あご湾展望台」、とあるみたいだが、もうバッテリー残量が10%を切っているのであきらめた。

 

 この際だ、楽な帰りだがタクシーを、と願うのだが、電話で呼ぶ気はしない。
 坂の上のほうから車の音がするたびに振り返るのだが、こういう時に限って帰り車が一台も来ないものだ。くそ、バスも乗らずに駅まで辿り着いたのだ。なんてこったい。

 

 教訓!
 車での観光でないのなら、横山展望台へは往路だけでもタクシーを使うべし、である。それもテラスに一番近い駐車場まで。
 多少、脚に自信があっても、だよ。歩いて行く人、ぜんぜんいないからね。


   →「佐世保、展海峰からの絶景」の記事はこちら



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