温泉クンの旅日記

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小野川温泉(2) 山形・米沢

2014-10-12 | 温泉エッセイ
  <小野川温泉(2)>

 早起きして、朝の温泉街をぶらつく。

 共同浴場の「尼湯」にいってみることにした。趣のある共同浴場には一度入ったことがあるのだ。



 タオルは持ってきているし、外湯に入りやすい格好をしてきた。
 近所の指定された土産物屋で二百円の入湯券を買うのだが扱う二店ともまだ開いていない。

 あきらめて、宿のすぐ前にある「滝湯」のほうに行ったが、こちらも入湯券を売る二店舗が開いていない。
 小野川の温泉街を盛りあげるためには、朝早くから利用できるようにしたらどうだろうか。



 滝湯の脇の熱い源泉を覗くと、ここには常にラジウム温泉玉子が作られている。土産物屋で売っている煮玉子にでも使われるのだろうか。

 しかたがないので、開いていた朝市を覗く。



 無料で芋煮がふるまわれていたので、よろこんでいただくことにした。朝食前なのでこの一杯はとても旨かった。

 昨日、観光客が多くて入れなかった足湯に浸かることにした。



 ついでに飲泉もしていく。



 他の温泉に向かう途中に小野川温泉を通り抜けるときがあり、いつも決まって「玉こん」を買って食べる。こんにゃく嫌いだったのが、この玉こんでそれなりにこんにゃく好きに変わったのだ。
 玉こんを食べながら歩き、途中で冷たい飲み物を買って、宿の前の喫煙できるテーブル席に陣取った。



 宿の玄関前あたりは、うまく花を飾って旅先の雰囲気を損なわないように気を使っているようだ。





(あれっ、うこぎか・・・)

 うこぎと言えば、米沢藩第九代藩主上杉鷹山公である。
 正しくは上杉治憲(はるのり)だが、号の「鷹山(ようざん)」のほうが有名で、かのケネディ大統領が最も尊敬する日本人だそうだ。
 鷹山は刺があることから防犯になり非常食ともなるうこぎ垣根を推奨した。春の新芽や柔らかな葉を収穫し混ぜご飯や天ぷらやおひたし、和えものなどで食用する。平安のころから強壮剤として知られる。凶作への備えとして編纂した「かてもの」のなかの植物のひとつである。
 もしかして夕食の一品で出るのかもしれない。

 とりあえず、今日は天気がいい。



 青空は旅人にとってなによりの褒美みたいなもので、単純に嬉しくなる。
 足湯で締めなのもおかしいので、最後の締めにもう一度青味がかったいい温泉にゆっくりと入り、旅立つことにしよう。



 宿の朝食のご飯が予想外に美味しかったので、しっかり二杯食べてしまう。
 
 駐車場を出て宿の横で一時停止すると、宿の主人が笑顔と米沢弁で「おしょうしなぁー(ありがとう)」と送り出してくれた。


  →「小野川温泉(1)」の記事はこちら

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