温泉クンの旅日記

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こんぴら参り(1)

2021-06-20 | ぶらり・フォト・エッセイ
  <こんぴら参り(1)>

 屋島から金毘羅宮のある琴平に電車で行くには、JRとことでんの二つの選択肢がある。
 わたしは迷わず、料金がJRに比べて半額ほどの“ことでん”を選んだ。100年以上の歴史を持つ香川のローカル鉄道「ことでん(高松琴平電気鉄道)」には、ぜひ一度乗ってみたいと思っていたのである。

 

 琴電屋島からだと所要時間は同じくらいだ。
 JRを利用するなら琴電屋島から志度線で瓦町まで15分、そこから長尾線に乗り換えて高松築港まで5分、高松駅まで歩いてJR予讃線で琴平まで15駅、約1時間。料金は1,190円だ。
 琴電で行くなら、琴電屋島から志度線で瓦町まで15分、そこから琴平線に乗り換えて琴電琴平までは20駅、約1時間。料金は620円である。

 ことでんは、琴平線(約33キロ、23駅)が高松築港駅から琴電琴平駅、長尾線(約15キロ、16駅)が瓦町駅から長尾駅、志度線(約13キロ、16駅)が瓦町駅から琴電志度駅と3路線があり、路線ごとに分かりやすく電車が色分けされている。
 琴平線がイエロー、長尾線がグリーン、そうして屋島駅に入ってきた志度線がローズピンクである。

 

 瓦町駅でローズピンクを下車、次に乗るイエローの電車、琴平線ホームまでかなり歩かされる。
 琴平線は、“おむすびコロリン”みたいな低くて可愛い山と、大小のため池が点在する讃岐平野を東から西にゆっくりガタゴト横断して、琴平に着いた。

 

 

 寡聞にして知らなかったが、座席に描かれているのは百十四銀行のイメージキャラクターの、アメリカとフランスの絵本作家夫妻から誕生した「バーバパパ」だそうである。

 

 帰りの電車で気がついたのだが、車内に掲示されている「さぬき弁マナー講座」のポスターがなかなか面白くて時間潰しになった。

 

 駅を出てすぐ右へ、川を渡って左に歩く。
ホテルもある商店街を5分と歩かぬうちに、右手に土産屋と飲食店が並ぶ表参道が見えてくる。
 必ずや登りきる・・・わたしにすればある種悲壮の覚悟で挑むミッションが、わら家では頭の片隅だったのがいまや真ん中に移動して拡散し、それのみで一杯となってしまっている。
 であるから表参道の両側にはまったく目もくれない。悲壮の覚悟とはいかにも大袈裟だが、リハーサルで行った大山詣りの途中で挫折しかけたせいである。とにもかくにも、今回のこんぴら参りに失敗とか挫折は許されないとの心もちなのだ。

  

 表参道の端の、参道入口。いよいよ石段の始まりである。
(レッツ・ショータイム!)
 さあて、作戦開始だ。参道入口から本宮まで785段、奥社まで1368段あるのだ。
 とにかく本宮を目指す。

 この辺で名物の“石段かご”が待機していたらしいが2020年1月、担ぎ手の高齢化で残念ながら廃業してしまった。365段目の大門まで参拝客を「山かご」で担ぎ、上りが5,300円、往復で6,800円だったそうだ。
 駕籠がなくなったいまでも金さえ払えば、琴平バスのシャトルで大門まで行けたり、タクシーであれば「資生堂パーラー神椿」のある500段目まで行けるそうだ。
 ところで参拝客のための杖は無料貸出と聞いていたが100円とある。どうしようか迷っているうちに、すこし登ったところで150円に跳ね上がった。えーい、いいや、やめておこう。

 

 狛犬のあるあたりが丁度100段を超えるくらいで、ここから勾配がいよいよきつくなる「一の坂」だ。坂の脇の商店に飼われている可愛い猫とは、登りの最中にはできれば遭遇したくないところである。

 

 登りがきつくてつい音を上げたくなるが、まだまだこんなところで上げるわけにはいかない。
 この「一の坂」を登れば、あの屋島の「讃岐東照宮」を建立した高松藩初代藩主松平頼重が奉納した「大門」で、くぐれば金毘羅宮の境内。
 ここまでで365段。かご屋もここまでだったそうである。

 

 

 門から振り返ると、なかなかの絶景で、けっこう登ってきたと実感する。
「迷宮グルメ異境の駅前食堂」というBS番組で、ヒロシがこのあたりでギブアップしてしまったが、その気持ちはよーくわかる。たいていの寺社なら、ここまでで、目の前に本堂があるはずだ。


  ― 続く ―


   →「わら家のうどん(1)」の記事はこちら
   →「わら家のうどん(2)」の記事はこちら
   →「大山詣り」の記事はこちら


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