温泉クンの旅日記

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奈良、東大寺・大仏殿(3)

2024-03-03 | ぶらり・フォト・エッセイ
  <奈良、東大寺・大仏殿(3)>

 大仏を格納している「大仏殿」は、間口約57メートル、奥行約50メートル、高さ約48メートルで、世界最大級の木造建築である。
(さあショー・タイムだ!)
 いよいよその大仏殿に足を一歩踏み込む。

 

「えっ、嘘だろ! みんな写真を撮ってるじゃんか!?」
 ついつい、素っ頓狂な声をだしてしまう。周りの観光客が次々と振りむいたので、慌てて口を噤んだ。
 信じがたいが、ここって写真を撮っていいンだ! ただしフラッシュは誰も使っていないようだ。
 嬉しくてついハイテンションになってしまう。
 
 東大寺金堂の本尊である<大仏>は、正式名称は「盧舎那仏坐像(るしゃなぶつざぞう)」といい、親しみを込め「奈良の大仏さん」とも呼ばれ、お釈迦さまの身長を10倍して無限大の宇宙を表現したものとされている。

 

 大仏像の高さは15メートル近くあり、耳の長さが約2.52メートル、目の幅は約1メートル、重量は400トンある。全体が銅でできており、中は空洞の骨組みだ。大仏は仏教発祥の地、インドの方向へ南南西の方向を向いている。

(「美男の鎌倉大仏」よりもずっとでかい感じだな・・・)
 なお参考のために記すと、後の1252年に造られた鎌倉の大仏は、高さが12.4メートル、重量が120トンと奈良よりは少し小さめである。大きさだけで有名な「越前大仏」とか「牛久大仏」は、さらにずっと後年、昭和以降に建立されたものだ。

 

 大仏の後ろにある金色の光輪は「光背(こうはい)」と呼ばれ、頭光(ずこう)と身光(しんこう)に分けられ、仏の超人性を形容して仏身が光明に輝くのをあらわす。光背の小さな仏を”化仏”といい、仏の願いを表現したものである。
 大仏の頭には巻き毛のような「螺髪(らほつ)」が無数にあり、文献では966個とされているが、レーザーを使った解析で約半分の492個であることが判明している。

 お顔は、頬が張って四角く、目鼻立ちが小さく中央に集まっている印象で、中国洛陽の龍門奉先寺の「大毘盧舎那仏」をモデルにしたそうだ。大仏おでこにある毛らしきものは「白毫(びゃくごう)」と呼ばれ、仏教用語では「悟りの目印」とも呼ばれている。

 大仏の右手は「施無畏印(せむいいん)」、左手は「与願印(よがんいん)」と呼ばれ、仏教の教えをわかりやすく伝えるためのポーズの「印相(いんぞう)」で意味がある。

 

 胸のあたりに上げ、前に手のひらを向ける右手の「施無畏印」は、緊張をほぐし「恐れなくてもいいよ」と相手を励ましているポーズである。

 

 膝の上で手のひらを上に向けた左手は「与願印」は、願いをかなえて差し上げましょうという有難い形だ。
 わたしは視認できなかったが、指と指の間の水かき(手足指縵網相)もあって、これは多くの人を受け止めるという意味があるそうだ。

 大仏の右隣、向かって左には脇侍として「虚空蔵菩薩坐像」が安置されて、虚空のように広大な智慧と慈悲で人々の願いをかなえるとされている。

 

 もうひとりの脇侍、大仏に向かって右には「如意輪観音菩薩坐像」が安置されている。如意輪観音は六観音のひとつで「救世菩薩」とも呼ばれ、天界道に迷う人々を救うとされる。

 

 脇侍の虚空蔵菩薩と如意輪観音菩薩だが、現在安置されている像はどちらも江戸時代に造立されたものである。
 それぞれの二体とも像高は約7メートルあるのだが、でかい大仏を見なれてしまいすぎたのだろう、不思議に小さくみえてしまう。


  ― 続く ―

   →「奈良、東大寺・大仏殿(1)」の記事はこちら
   →「奈良、東大寺・大仏殿(2)」の記事はこちら
   →「鎌倉大仏、美男におはす」の記事はこちら


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