温泉クンの旅日記

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東京駅で、にしんそば

2016-09-22 | 食べある記
  <東京駅で、にしんそば>

 いつでも行けるところにはなかなか出かけようという切実な気持ちというか意欲が、正直おきないものだ。
 たとえば鎌倉などは、住んでいる戸塚からJRで二駅、歩いてもいける距離(二時間かかるが)なのでだからこそまず行かず、行くのは酔って眠りこんで乗り過ごしてしまったときぐらいだ。
 食べ物もそうで、いつでも食べられると思うとつい今度でいいやとなってしまう。

 仕事帰りに必ず経由していた東京駅が、会社が品川に移転してしまったらちょっと縁遠くなってしまった。
 それでも月に二、三度は行くので、眼をつけていた八重洲中央(地上)口からちょいと大丸のある北口方面沿いにある京都の老舗「為治郎」に寄ってみることにした。



 なんでも本家西尾八ッ橋そば処「為治郎」だが創業は元禄年間の1689年で、さすが京都の老舗らしく三百年以上の歴史を持つ店だ。



 入口に置いてある食券販売機で購入するのだが、これは解せない。
 立ち食い蕎麦屋の平均単価の倍以上なのに食券をなぜ買わせるのだろうか。面倒くさい。まあ、いいか。生まれて初めての京都名物にしんそばを食べてみるとしよう。





 だいたい、横浜あたりではホッケとか鰊(にしん)が食卓にのぼることはまずなかった。馴染がまったくない魚である。
 中学の修学旅行で京都の街中のあちこちに「にしんそば」を見かけて、「ゲッ、京都は蕎麦に『にしん』を乗っけるのかよ!」と吃驚した。

 江戸時代より蝦夷(北海道)では大量に獲れた鰊を長期保存が可能な身欠き鰊に加工して北前舟で本州に流通させていた。三方を山に囲まれていた京都(市)は、必要に迫られてだろう、乾燥した海産物を戻して使う技術が発達した。にしんそばも棒鱈を戻した芋棒もそこから生み出された料理である。

 にしんそばに驚いた少年はあれからン十年、カレーやら天ぷらとか揚げものなどいろいろなものをのせた麺類も平気になった。そろそろ煮魚がのっかった麺類に挑戦してみよう。





 さすが日本で一番古い八ッ橋やさんだ、そばの横に添えられている。
「ん!」
 やっぱり甘めの味付けは酒呑みにはキツい。それでなくても自称蕎麦にはうるさいものだから、お世辞にも手放しで旨いとはいいにくい。

 日をあらためて再訪した。
 にしんそばを食べているときに周りを見回すとラーメンやらうどんを食べている客が多かったからだ。
 鶏ラーメンでは厭な思い出がいくつかあるので避けて、うどんに関しては寛容な人間なので「牛肉うどん」を試してみた。



 これは口に合った。普通に旨い。

 数日前に有楽町で呑んだあと、別な店で締めに食べた博多うどんと純米大吟醸酒一合が、為治郎の牛肉うどんとほぼほぼ同じ金額で仰天した。



 うどんにプラスして、牛肉がいいか、純米大吟醸酒がいいか、わたしは間違いなく酒をとってしまうだろうな。



  →「東京駅で博多うどん」の記事はこちら
  →「アルプスのカレーライス」の記事はこちら
  →「続・揚げソーセージパン」の記事はこちら


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