温泉クンの旅日記

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飲み放題と岩窟風呂の宿(3)

2015-02-22 | 温泉エッセイ
  <飲み放題と岩窟風呂の宿(3)>

 八十八か所巡礼・・・と言えば、まず思い浮かぶのは四国であるが、なんと近場の伊豆にもあるのを恥ずかしながら最近知って驚いた。埼玉の秩父霊場巡り三十四か所は知っていたのだが。



  『留学僧空海が 唐より真言密教の教えを請来して帰国したのは大同元年(八○六)八月二十二日とされる。
   空海は高野山に金剛峯寺を開き、真言密教の布教を始め、仏教世界に新しい風を起こすことになる。
   多忙な身の空海が伊豆を訪れた事実があったかどうか、
  「桂谷の山寺」
   を訪れた記録が残されているそうな。

   その山寺こそが伊豆霊場巡りの結願の八十八番札所の修善寺だというのだ。
  そんな伊豆巡礼の慣わしが世に知られるようになるのは常盤秀信が唐突にも、
  「伊豆遍路」
   を思い立った天保期だった。』

        佐伯泰英著「鵺女狩り」光文社文庫より 

 四国の八十八か所だと、退職後にゆっくり廻ってみるかとかいかにも「いつか・・・」の遠い話になってしまうが、伊豆ならいつでも手軽に行けて話は早い。



 一度の旅で一番札所から順に八十八番札所にお詣りするのを「通し打ち」といい、四国だと四十日ほどかかる。何回かに分けてお詣りするのを「区切り打ち」、順番に拘らないのを「乱れ打ち」、結願の八十八番札所から逆に廻るのを「逆打ち」と呼ぶらしい。



(この修善寺が結願の八十八番目札所だったとは・・・)
 何度も来ているのに、そんなありがたい寺とはまったく知らなかった。



 弘法大師(空海)が発見したといわれる温泉は、全国に数多くある。



 修善寺温泉の開湯伝説では、平安時代に弘法大師(空海)が、病気の父親の身体を洗う少年のために岩を独鈷を用いて砕いて湯を湧出させたという。


 昨夜は多少控えたのだが、久しぶりのアルコール注入少々と仕上げの岩窟湯に入ったのとで、ぐっすりたっぷり眠ってしまった。



 爽快な目覚めで迎えた朝、さっそくタオルを持って予約した「満天星風呂」と名付けられた露天風呂に向かう。





 朝の静けさのなかで、浴槽脇の茂みで「バサバサ」という羽音がして一瞬吃驚したが、どうやら尾長鳥の巣があるようだった。



 露天風呂はまずまずの広さであるが、やはり温泉は岩窟風呂が一番のようである。帰りにまた岩窟風呂に寄って部屋に戻るとしよう。

 昨日のバイキング会場でたっぷりの朝食をとると、帰り支度にとりかかる。
 伊豆からの帰り道は混む。特に日曜なので、高速が混まない前に東名高速の慢性渋滞地点の大和トンネルを通過したいのである。
 気忙しいのだが、難逃れの朝茶だけはゆっくり飲む。



 昨日まで雲に隠れていた富士山が、伊豆を離れるときに限っていつも不思議なことに顔を出して見送ってくれた。



  →「飲み放題と岩窟風呂の宿(1)」の記事はこちら
  →「飲み放題と岩窟風呂の宿(2)」の記事はこちら

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