<読んだ本 2013年2月>
伊東の飲み放題の宿から帰ってきて、すぐに送別会に出席することになった。
夕暮れの東京駅。
地方の温泉街の次が、首都東京のど真ん中の繁華なオフィス街・・・である。
送別会の会場は、東京駅のすぐ近くの新品オフィスビルの一階にある、歩道に面した洒落たレストランであった。
店内はどうみてもイタリアンっぽいが、中華の店だ。
奥まった一角に、小宴の席が設えてあった。
一番に到着したのでここまで撮影したが、趣味がバレても厭なのでカメラをバッグにしまいこむ。
飲み物は、なんとまたもや飲み放題とのことでビックリする。物事、重なるときには重なるものだ。
しかも、飲み放題の宿とは違ってウィスキーもあればカクテルなどメニューが充実していた。
わたしはウィスキーの水割りからスタートしたのだが、さすが店構えからして安価な一升瓶の地ウィスキーなどで誤魔化さない。スコッチらしい味で気に入ってしまい切り替えをせずに最後まで水割りで通した。
大ぶりなグラスで七杯くらいはいったと思うが、質の悪いウィスキーでないので悪酔いはまったくなかった。
飲み物が充実していたので、供された料理は美味しいのだけれど、一品一品が試食会のような量で呑めないひとには不評であったようだ。
呑むと食が細くなるわたしには適量で、こんな飲み放題の店なら歓迎である。
最後に出てチャーハンが滅法美味しく、二椀食べてしまった。飲み放題と炒飯・・・伊東の出来事とかなりダブって面白い夜であった。
さて、今月に読んだ本ですが、2月は「なかなか読んだじゃないか」の8冊、累計で15冊です。
1.○無理 (下) 奥田秀郎 文春文庫
2.◎ザ・ポエット (上) マイクル・コナリー 扶桑社ミステリー
3. ◎ザ・ポエット (下) マイクル・コナリー 扶桑社ミステリー
4. ○獣眼 大沢在昌 徳間書店
5. ○ソフト・ターゲット (上) スティーヴン・ハンター 扶桑社ミステリー
6. ○ソフト・ターゲット (下) スティーヴン・ハンター 扶桑社ミステリー
7. ◎獨白 「北の国から」ノーツ 倉本 聰 有)フラノ・クリエイティブ・シンジケート
8. ○コブラ (上) フレデリック・フォーサイス 角川書店
「無理」はわたしにはやっぱり「○」止まりで、お薦めまでいかない。
「ザ・ポエット」、こいつま文句なしに面白い。
双子の兄の自殺事件を調べているうちに、自殺ではなく連続殺人の犠牲者のひとりであることがわかる。主人公の新聞記者はFBIとともに謎の殺人犯「詩人」を追い詰めていく。
本文中に出てくるニーチェの言葉。
「怪物の戦う者はだれでもその過程でみずからもまた怪物にならないよう気をつけなければ
ならない」
ちなみにニーチェの言葉は、このあとに「深淵をのぞく時、また深淵もこちらをのぞいているのだ」と続く。
「獣眼」と「ソフト・ターゲット」は期待しすぎて、かなりガッカリした。
倉本聰が富良野に引っ越して、都会の連中は知識で生きているけど、ここらの人たちは智恵で生きているンだと気づく。
『家に上がる林道に大きな岩が顔を出してジープがいつものりあげるンだ。動かしたいけどどうに
もならない。畳一畳分位のでかい岩だったからね。
ある日近所の平山君っていう農家の青年が遊びに来てて彼に何気なく訊いてみたンだ。俺には
どうにもならないンですけど、あんただったらこの岩どうしますって。
動かさにゃならんなら何とか動かすよって、平山君がボソッと言ったンで、どうやって!
って思わず訊いたよ。重機も何もないンだぜって。
そしたら奴は一寸考えてて、まずスコップで岩のまわりを四方から丹念に掘り起こすってそう
言ったンだ。それから丸太を二本持ってきて一方を梃子にしてぐづぐづ上げるって言うンだ。
そしたら「一日に三センチ位動くンでないかい。十日もやったら一メートル位動くべさ」
―――!
これにはショックを通りこして感動したね。思わず土下座して「先生!」って叫んだ
よ。・・・』
『「一寸引き」ってのはね、こういうことなンだ。とても手に負えない重いもの――たとえば
太い木の根っことか大きな岩なンかを動かすには、一度にパッと動かそうとせずに時間をかけて
一寸ずつ動かせ。そうすりゃいつかは必ず動く。
これはもう哲学だって思ったね。
文明は今や即席の時代に入ってる。すぐに結果を出すことを求めて、その為に金やエネルギーを
使う。早く結果の出ることが善で、時間のかかることは避けなければならない。
果たしてそのことが正しいのかって、生まれて初めて俺は考えたね。
多分、この頃からだと思うンだ。
人の生き方の、「座標軸」ってものを、どっかで意識し始めたのは。』
深いね、これ。
「一寸引き」って、人との絆を強めていったり、あきらめずに夢に向かって進むときにも使える哲学だと思ったね。
→「読んだ本 2013年1月」の記事はこちら
→「伊東温泉、シメの納豆炒飯」の記事はこちら
伊東の飲み放題の宿から帰ってきて、すぐに送別会に出席することになった。
夕暮れの東京駅。
地方の温泉街の次が、首都東京のど真ん中の繁華なオフィス街・・・である。
送別会の会場は、東京駅のすぐ近くの新品オフィスビルの一階にある、歩道に面した洒落たレストランであった。
店内はどうみてもイタリアンっぽいが、中華の店だ。
奥まった一角に、小宴の席が設えてあった。
一番に到着したのでここまで撮影したが、趣味がバレても厭なのでカメラをバッグにしまいこむ。
飲み物は、なんとまたもや飲み放題とのことでビックリする。物事、重なるときには重なるものだ。
しかも、飲み放題の宿とは違ってウィスキーもあればカクテルなどメニューが充実していた。
わたしはウィスキーの水割りからスタートしたのだが、さすが店構えからして安価な一升瓶の地ウィスキーなどで誤魔化さない。スコッチらしい味で気に入ってしまい切り替えをせずに最後まで水割りで通した。
大ぶりなグラスで七杯くらいはいったと思うが、質の悪いウィスキーでないので悪酔いはまったくなかった。
飲み物が充実していたので、供された料理は美味しいのだけれど、一品一品が試食会のような量で呑めないひとには不評であったようだ。
呑むと食が細くなるわたしには適量で、こんな飲み放題の店なら歓迎である。
最後に出てチャーハンが滅法美味しく、二椀食べてしまった。飲み放題と炒飯・・・伊東の出来事とかなりダブって面白い夜であった。
さて、今月に読んだ本ですが、2月は「なかなか読んだじゃないか」の8冊、累計で15冊です。
1.○無理 (下) 奥田秀郎 文春文庫
2.◎ザ・ポエット (上) マイクル・コナリー 扶桑社ミステリー
3. ◎ザ・ポエット (下) マイクル・コナリー 扶桑社ミステリー
4. ○獣眼 大沢在昌 徳間書店
5. ○ソフト・ターゲット (上) スティーヴン・ハンター 扶桑社ミステリー
6. ○ソフト・ターゲット (下) スティーヴン・ハンター 扶桑社ミステリー
7. ◎獨白 「北の国から」ノーツ 倉本 聰 有)フラノ・クリエイティブ・シンジケート
8. ○コブラ (上) フレデリック・フォーサイス 角川書店
「無理」はわたしにはやっぱり「○」止まりで、お薦めまでいかない。
「ザ・ポエット」、こいつま文句なしに面白い。
双子の兄の自殺事件を調べているうちに、自殺ではなく連続殺人の犠牲者のひとりであることがわかる。主人公の新聞記者はFBIとともに謎の殺人犯「詩人」を追い詰めていく。
本文中に出てくるニーチェの言葉。
「怪物の戦う者はだれでもその過程でみずからもまた怪物にならないよう気をつけなければ
ならない」
ちなみにニーチェの言葉は、このあとに「深淵をのぞく時、また深淵もこちらをのぞいているのだ」と続く。
「獣眼」と「ソフト・ターゲット」は期待しすぎて、かなりガッカリした。
倉本聰が富良野に引っ越して、都会の連中は知識で生きているけど、ここらの人たちは智恵で生きているンだと気づく。
『家に上がる林道に大きな岩が顔を出してジープがいつものりあげるンだ。動かしたいけどどうに
もならない。畳一畳分位のでかい岩だったからね。
ある日近所の平山君っていう農家の青年が遊びに来てて彼に何気なく訊いてみたンだ。俺には
どうにもならないンですけど、あんただったらこの岩どうしますって。
動かさにゃならんなら何とか動かすよって、平山君がボソッと言ったンで、どうやって!
って思わず訊いたよ。重機も何もないンだぜって。
そしたら奴は一寸考えてて、まずスコップで岩のまわりを四方から丹念に掘り起こすってそう
言ったンだ。それから丸太を二本持ってきて一方を梃子にしてぐづぐづ上げるって言うンだ。
そしたら「一日に三センチ位動くンでないかい。十日もやったら一メートル位動くべさ」
―――!
これにはショックを通りこして感動したね。思わず土下座して「先生!」って叫んだ
よ。・・・』
『「一寸引き」ってのはね、こういうことなンだ。とても手に負えない重いもの――たとえば
太い木の根っことか大きな岩なンかを動かすには、一度にパッと動かそうとせずに時間をかけて
一寸ずつ動かせ。そうすりゃいつかは必ず動く。
これはもう哲学だって思ったね。
文明は今や即席の時代に入ってる。すぐに結果を出すことを求めて、その為に金やエネルギーを
使う。早く結果の出ることが善で、時間のかかることは避けなければならない。
果たしてそのことが正しいのかって、生まれて初めて俺は考えたね。
多分、この頃からだと思うンだ。
人の生き方の、「座標軸」ってものを、どっかで意識し始めたのは。』
深いね、これ。
「一寸引き」って、人との絆を強めていったり、あきらめずに夢に向かって進むときにも使える哲学だと思ったね。
→「読んだ本 2013年1月」の記事はこちら
→「伊東温泉、シメの納豆炒飯」の記事はこちら
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