<大津駅前、はもとの遭遇>
京都へ車で行くのは怖い。
大阪もそうだが、高速でも進入路を本線のように走って割り込んできて、「ゆずる」とか「タイミングを待つ」ということを知らない。これは市内を走っても同じである。
できれば京都市内には車で乗り入れたくないものだ。
だから前回に京都に行ったとき、滋賀の宿に車を置いて電車で京都に行くことにしたのだった。
滋賀から京都への移動は思ったより近くて、京都の行きたいところが電車の駅のそばであるならば、この手は便利で使える。それに、なりより運転しないから酒が呑めるのだ。
鉄道ファンではないのだが、知らない土地の駅が好きである。
記憶に刻みつけるように、できれば駅前をぶらぶら歩き回りたい。
京極スタンドの帰り、まだ明るかったので大津駅で降りた。
琵琶湖側の北口、県庁あたりをぶらぶらしていると突然トイレに行きたくなった。そう言えばスタンドではいかなかった。
まずい・・・。
駅まで戻ろうかと思ったら、暖簾を出したばかりの居酒屋が眼につき飛び込んだ。
席に座り飲み物メニューにあった一刻者(いっこもん)の水割りを注文すると、慌ててトイレに駆け込む。
席に戻って落ち着くと、イカの刺身と、揚げ出し餅という珍しいメニューがあったので注文した。
なかなか旨いイカである。
揚げ出し豆腐はたまに食べるが、餅の揚げ出しは初めてである。これがまた滅法いけるのである。まあ、わたしはそんじょそこらにいない筋金入りの餅好きだからね。
スタンドでけっこう呑んだのだが、酒がどんどんすすんでしまう。
どうせあとは可愛いカルガモちゃんの待つホテルに戻って寝るだけである。ここの旨い肴でもうすこし呑んで仕上げてしまうか。
せっかくだから、もう一品くらい頼んでみようと「鱧(はも)天」をメニューで見つけて追加する。西の方の宿の夕食で何度か鱧を食べているが、いままでそれほど旨いと思ったことはない。
「こいつは旨い!」
思わず声に出してしまう。
この鱧天はふわふわの食感で、頬張るとほろほろ口の中で崩れてこたえられないくらい旨い。
ハモには、長くて硬い小骨が非常に多い。
だから、食べるには「骨切り」という下処理が絶対に必要となる。これは、開いたハモの身に、皮を切らないように細かく切りこみを入れて小骨を切断する熟練がいる技法で、「一寸につき二十六筋」包丁の刃を入れられるようになれば一人前といわれる。骨切りをしたハモを、熱湯に通すと反り返って白い花のように開く。生きたハモを捌かないと湯引きがきれいに開かない。
一流の老舗料亭の腕の立つ名人と呼ばれる料理人だと、さらにその薄い皮の半分くらいまで絶妙に包丁を入れる骨切りだという。
この鱧天だが、そんな食感である。この店、相当に腕のたつ料理人かもしれない。
その後も二品ほど追加したらしい。
らしい・・・というのはもはや記憶をなくすほど呑んでしまったのである。
朝、眼を覚ますとカルガモのいるホテルだった。
電車を使った記憶はまったくないので、きっとタクシーを使って帰ったのだろう。
大津のこの店、気にいった。ぜひ次には一軒目で来てみたい。
→「京極スタンド」の記事はこちら
京都へ車で行くのは怖い。
大阪もそうだが、高速でも進入路を本線のように走って割り込んできて、「ゆずる」とか「タイミングを待つ」ということを知らない。これは市内を走っても同じである。
できれば京都市内には車で乗り入れたくないものだ。
だから前回に京都に行ったとき、滋賀の宿に車を置いて電車で京都に行くことにしたのだった。
滋賀から京都への移動は思ったより近くて、京都の行きたいところが電車の駅のそばであるならば、この手は便利で使える。それに、なりより運転しないから酒が呑めるのだ。
鉄道ファンではないのだが、知らない土地の駅が好きである。
記憶に刻みつけるように、できれば駅前をぶらぶら歩き回りたい。
京極スタンドの帰り、まだ明るかったので大津駅で降りた。
琵琶湖側の北口、県庁あたりをぶらぶらしていると突然トイレに行きたくなった。そう言えばスタンドではいかなかった。
まずい・・・。
駅まで戻ろうかと思ったら、暖簾を出したばかりの居酒屋が眼につき飛び込んだ。
席に座り飲み物メニューにあった一刻者(いっこもん)の水割りを注文すると、慌ててトイレに駆け込む。
席に戻って落ち着くと、イカの刺身と、揚げ出し餅という珍しいメニューがあったので注文した。
なかなか旨いイカである。
揚げ出し豆腐はたまに食べるが、餅の揚げ出しは初めてである。これがまた滅法いけるのである。まあ、わたしはそんじょそこらにいない筋金入りの餅好きだからね。
スタンドでけっこう呑んだのだが、酒がどんどんすすんでしまう。
どうせあとは可愛いカルガモちゃんの待つホテルに戻って寝るだけである。ここの旨い肴でもうすこし呑んで仕上げてしまうか。
せっかくだから、もう一品くらい頼んでみようと「鱧(はも)天」をメニューで見つけて追加する。西の方の宿の夕食で何度か鱧を食べているが、いままでそれほど旨いと思ったことはない。
「こいつは旨い!」
思わず声に出してしまう。
この鱧天はふわふわの食感で、頬張るとほろほろ口の中で崩れてこたえられないくらい旨い。
ハモには、長くて硬い小骨が非常に多い。
だから、食べるには「骨切り」という下処理が絶対に必要となる。これは、開いたハモの身に、皮を切らないように細かく切りこみを入れて小骨を切断する熟練がいる技法で、「一寸につき二十六筋」包丁の刃を入れられるようになれば一人前といわれる。骨切りをしたハモを、熱湯に通すと反り返って白い花のように開く。生きたハモを捌かないと湯引きがきれいに開かない。
一流の老舗料亭の腕の立つ名人と呼ばれる料理人だと、さらにその薄い皮の半分くらいまで絶妙に包丁を入れる骨切りだという。
この鱧天だが、そんな食感である。この店、相当に腕のたつ料理人かもしれない。
その後も二品ほど追加したらしい。
らしい・・・というのはもはや記憶をなくすほど呑んでしまったのである。
朝、眼を覚ますとカルガモのいるホテルだった。
電車を使った記憶はまったくないので、きっとタクシーを使って帰ったのだろう。
大津のこの店、気にいった。ぜひ次には一軒目で来てみたい。
→「京極スタンド」の記事はこちら
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