温泉クンの旅日記

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秋田杉と千秋麺(1)

2014-05-28 | 食べある記
  <秋田杉と千秋麺(1)>

 秋田駅で『さなづら』と『金萬』の土産を入手すると、駅前の界隈を歩いて呑み屋を探す。

 目当てにしていた地元客に人気の「永楽食堂」をすぐに見つけたのだが、明かりが消えて閉まっている。土曜営業の店ということで安心していたのだが、祭日の場合は休業日になるのだ。調べが甘かったと反省してしまう。
 旅先の土地で呑むなら、地元客が多い店を選ぶのがとにかくわたしの流儀である。
 財布の紐がゆるい観光客目当ての、ど派手な外装の店はまずは論外である。



 歩きまわって、やっと一軒、店の前の黒板メニューに旨そうな「のどぐろの刺身」が出ている店をみつけた。店の構えも落ち着いていて好みである。ここだと勇んで入り口の扉を開けたら、満員ですと断られてしまった。



 駅前界隈をあきらめ、タクシーを捕まえると赤れんが郷土館まで戻ることにした。たしか歩いたときに屋台村もあったのを思いだした。なんならそこでもいいか。



 降りたタクシーの眼の前に居酒屋のメニューがあり、食べたかった「のどぐろの刺身」があったのでついふらふらと雑居ビルのなかに迷い込んでしまう。



 観光客には入りにくい店構えの「秋田杉」という店の暖簾を掻きわけてなかに入った。
 入ってすぐのカウンター席の奥に座り、高清水とのどぐろを注文した。かわはぎの刺身も食べたいと一瞬迷うが初心貫徹だ。



 座敷に二組の先客がいるようだ。食材を積み上げたカウンター越しの厨房では、親子だろう男性二人がきびきびと小気味よい動きで注文を次々とこなしている。
 店名だが、秋田節の歌詞の出だしの「おらが秋田は 美人の出どこ お米にお酒 秋田杉・・・」になにかしら関係があるのだろうか。

 この店ではいくつかあるコースを頼むのがどうやらお得なようだ。初めての客で、店の味もわからぬわたしには無理だが。わたしに遅れて入ってきてカウンターの入り口際に座った一人客が、案の定、コースを頼んだ。



 冷えた高清水が喉からゆっくり胃の腑へ落ちていく。今日の一杯目はとくに沁みるなあ・・・。
 酒の仕込み水のチェイサーが付いているのが面白い。お通しの手間がかかった二品も酒にぴったり合う味わいである。みょうがをハムだろうか薄い肉で巻いて軽く揚げた驚くほど爽やかな味のものと、小魚をカリッと揚げて塩を振ったものだ。

(ああ、今日は珍しく疲れた・・・)

 福島の飯坂を朝の八時に出発して、秋田には四時間くらい、昼ごろに着く予定だったのだ。ゴールデンウィークを考慮しても、経験からいって東北道は仙台あたりを過ぎれば渋滞はないはずだった。
 それが、仙台から一関までが渋滞だというから堪らない。
 意を決して、仙台南インターで高速を降りて一関まで国道を使うことにした。
 一関インターに近づくと、地元のFMラジオによれば、高速の渋滞はまだその先まで伸びているという。さらに国道を走ることに決めたら、今度は国道の「中尊寺大渋滞」に巻き込まれてしまった。
 水沢でみつけた「くるまやラーメン」で遅い昼食を食べ元気をつけると、水沢インターから高速に乗ったのである。
 そこからはスムーズに秋田まで走ることができたが、秋田昼ごろ到着が夕方到着になってしまったのだ。秋田市内にあるホテルにヘロヘロ状態で到着して、部屋に入るなり仮眠をとることにしたのだった。



 のどぐろの刺身は旨味のある上品な甘さがあって、酒がすすむ。
 高清水を呑みきると、つぎは気分を変えるために太平山とはたはたを注文する。あの踊りたくなるほど軽妙な秋田音頭で「コラ秋田名物八森鰰々(ハタハタ) 男鹿で男鹿ブリコ 能代春慶(しゅんけい)桧山納豆 大館曲わっぱ」と、一番に唄われている名物だからね。

 この焼いただけのはたはたに驚いた。



 子持ちでないはたはただが、新鮮だから身離れがとてもいい。太平山の次に頼んだ新政ではこの絶品の肴にもの足りない。
 呑みきってまた高清水に戻した。



  ― 続く ―

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