大きなかぶ農園だより

北海道マオイの丘にある大きなかぶ農園からのお便り・・
※写真はsatosi  

「食のちから」

2012-04-09 | 食生活
食にかかわる仕事をし、食の何たるかは自分なりに充分実感していたつもりだった。
息子の事故を通し、生きるために切り離すことのできない「食」が
ひとにどのような作用をもたらすかということを、今回は窮地の自分で体感した。
無農薬だとか無添加だとか、それこそそんな当たり前なことが、意識しないと
手に入りにくい社会で、特にこだわりも無くはつらつと、心豊かに、幸福に生き通す人
は沢山いる。だから無農薬野菜を食べたからといって幸福の保証はない。
「食」はただふつーに食べているだけでも、それなりの満足、喜びを得るが、
ほんの少し何かを意識して食べると扉が開く。その扉はとてつもない世界に続く。
 阿弥陀くじを辿るように、はたまたサイコロ振ってすごろくを楽しむように
つぎの場面に移動して行くのが人生だとしたら・・・・たぶん”上がりはすべてよし”だ。
サイコロ振ってどんな目が出てもその場を楽しむ力が出るか出ないかは「食」にかかっている。

『すごい弁当力』佐藤剛史著を読んだら、更に「食」が鮮明に浮かび上がった。
○『弁当をつくる』 竹下和男(元香川県滝宮小学校校長、現・綾上小学校校長)
あなたたちは「弁当の日」を二年間経験した最初の卒業生です。
「親は決して手伝わないでください」で始めた「弁当の日」でしたが、どうでしたか。
食事を作ることの大変さが分かり、家族を有難く思った人は優しい人です。
手順良くできたひとは、給料を貰える仕事についたときにも、仕事の段取りのいい人です。
食材が揃わなかったり、調理を失敗した時に献立の変更が出来た人は工夫できる人です。
友達や家族の調理のようすを見て、技を一つでも盗めた人は、自ら学ぶ人です。
こまやかな味の違いに調味料や隠し味を見抜いた人は、自分の感性を磨ける人です。
旬の野菜や魚の、色彩・香り・感触・味わいを楽しめた人は、心豊かな人です。
一粒の米・一個の白菜・一本の大根の中にも「命」を感じた人は、思いやりのある人です。
スーパーの棚に並んだ食材の値段や賞味期限や原材料や産地を確認できた人は、賢い人です。
食材が弁当箱に納まるまでの道のりに、たくさんの働く人を思い描けた人は、想像力のある人です。
自分の弁当を「おいしい」と感じ「うれしい」と思った人は、幸せな人生が送れる人です。
シャケの切り身に、生きていた姿を想像して「ごめん」が言えた人は、情け深い人です。
登下校の道すがら、稲や野菜が育っていくのを嬉しく感じた人は、慈しむ心のある人です。
「あるもので作る」「できたものを食べる」ことができた人は、たくましい人です。
「弁当の日」で仲間がふえた人、友だちを見直した人は、人と共に生きていける人です。
調理をしながら、トレイやパックのごみの多さに驚いた人は、社会を良くしていける人です。
中国野菜の値段の安さを不思議に思った人は世界を良くしていける人です。
自分が作った料理を喜んで食べる家族を見るのが好きな人は、人に好かれる人です。
家族が手伝ってくれそうになるのを断れた人は、独り立ちしていく力のある人です。
「いただきます」「ごちそうさま」が言えた人は、感謝の気持ちを忘れない人です。
家族が揃って食事をすることを楽しいと感じた人は、家族の愛に包まれた人です。
滝宮小学校の先生たちは、こんな人たちに成長してほしくて二年間取り組んできました。
おめでとう。これであなたたちは、「弁当の日」をりっぱに卒業できました。
(『弁当の日がやってきた-子ども・親・地域が育つ香川・滝宮小の「食育」実践記』より引用)


    
冬も終わりかけ、鳥たちが「春がもうすくそこに」とつげまわり 

    
白鳥たちも シベリアに向けての旅の途中に立ち寄り しばし休憩を楽しむ

    
だが 彼岸が明けての 久しぶりの大荒れに ”男爵”も味わうかのように嵐の中で・・・・


        
大きな”かぶ”ではなく おおきな月に吸い込まれるように 飛行機が 
お月様の前でダンスをするがごとく 飛行機たちは 舞っています

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1 コメント

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なごむわぁ・・・ (kero)
2012-04-10 17:39:35
いい写真だね!
どんな環境にあっても、自然のコトワリに気づきつつ暮らしたいものです。
今あるものを楽しんで笑顔でいただきたい!そう思いますです!
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