大きなかぶ農園だより

北海道マオイの丘にある大きなかぶ農園からのお便り・・
※写真はsatosi  

家族だった   2015・9・1

2015-09-15 | 食生活
朝、パチとめざめれば晴天。洗濯籠を抱えてハウスの隅にある洗濯機に運ぶ。
洗い水が川に直接排水されるので洗剤は使わず粗塩のみ。
昔は備長炭を塩と一緒に使っていたが今は塩だけ。すすぎ水も少なくて済む。
今はたぶん大方の家庭は全自動洗濯機だろうが、わが家は二層式派だ。
洗濯層の水の色で汚れ具合やすすぎ加減が目で見て調整できるのが安心できる。
洗濯機を回しながら、ハウスの野菜に水をやる。ハウスの周りの草を刈る。
洗濯をしていることを忘れないために、洗濯機の回る音の聞こえる範囲であれこれ行動する。
うっかり家の中に入り、茶碗をふく、お湯を沸かしてコーヒーを淹れる、やれやれと腰を下ろし
コーヒーを飲みながらふと天井に目をやると蜘蛛の巣。カップに蓋をして箒の先に濡れ雑巾を
結びつけイスに爪先立って蜘蛛の巣を払っていたら窓ガラスが汚れてきたのを見てしまう。
霧吹きでシュッシユして布で磨き始める。、、、、あれ?どこかで水の音が。。。。。そうだ、洗濯中だった。。。。

さあご飯だ。という時にパチッと必ずテレビをつける夫。ずっと昔からの習慣だ。
他人の家のことなら一言も二言も正論唱えるが、自分のことならこうだもん、、、と、昔はぷんぷんしたりもしたが
今はぷんぷんするエネルギーもなく、自分も ついているテレビの画面に癒されていたりする。
しかし数日前何かの本に「食事をするときにその食べものときちんと向き合うと向き合わないとではその働きが大きくちがう」
というのを読み。やっぱりそうだよね。と今更ながら反省し、しかし、66のお爺さんに今更それを強要して楽しみを奪うのはどうか、、、
言い出せずにいたら、やっぱり食卓にごはんが並んだとたんに、パソコンから離れてすかさずテレビをピッと付けた。
ちょうどニュースで聴きたくない言葉が食卓にフリカケの様に降り注ぐから画面から目と耳を遮断させるのが一仕事。
思わずここぞとばかりに「あのさ、やっぱりこうだってさ」と読んだ本のことを投げかけたら案の定 ムッとしてバチッと消した。
「うまいものはうまいと思いながら食っている!」 しってるよ、だから、いいじゃない、とーちゃんの好きなようにしてていいんだよ。
それから、黙々と目の前の熱々に焼けたキュウリ餃子と親戚から届いた北海シマエビのたっぷり乗った焼きそばを食べた。
5分もしないうちにその沈黙に耐えきれず、夫がリモコンをピッと押すと いつも面白く観ている時代劇「一路」がはじまった。
不穏な沈黙が一瞬で融け、口も目も耳も心までホットして食卓にいつもの活気が戻った。
  会話の無い老夫婦のこと他人事の様に笑っていたけど、自分たちのことだった。。。。
犬もネズミもクモもハエも そしてテレビも 実はわが家の家族だったのだ。。。。

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