大きなかぶ農園だより

北海道マオイの丘にある大きなかぶ農園からのお便り・・
※写真はsatosi  

知って頂きたいマクロビオティックの真実

2015-01-11 | 日本を考える
 
 現在、「食」に関して各方面から多大な関心が寄せられています。
 食と健康との関係について、その裏返しである病気との関係について、あるいは肥満、
ダイエット、美容などと不可分に結びついた問題として、さらには自然食やオーガニック
農法、環境問題から有害物質、病原菌といった問題に至るまで、食はじつにさまざまな
分野で論じられるようになりました。
 しかし、食に関する認識が今日のような方向に変わったのは、せいぜい十数年前から
のことに過ぎません。食と健康・病気との研究では最先端をいくアメリカにおいてさえ、
私がマクロビオティックをベースに穀物と野菜中心の自然食運動をはじめた四十年あまり前、
食は旺盛な食欲を満たし、エネルギーの源となり、美食の楽しみを味わわせてくれるもの、という認識しかなかったのです。
 そんな認識や常識を覆したのが、マクロビオティックの地道な普及活動であり、食事療法によるガンやエイズとの闘いの
実績でした。アメリカでは今や、政府から医学界、栄養学会までが、肥満を改善し、ガンや心臓病などが予防できる食として、
マクロビオティックの提唱する食生活を推奨しています。そして、約300万人のアメリカ人が、全世界では約400万人に
のぼる人たちが、現在、マクロビオティック食またはそれに準じた食事法の実践者となっているのです。

 ひるがえって、わが祖国日本はどうなのか。たしかに医師や栄養士は、ことに肥満や生活習慣病への対策として、食生活
の改善を指導づるようにはなりました。しかし、その指針は主として摂取カロリーしかありません。つまり、人間の健康を数値
でコントロールしようという、分析的・対症療法的思考の枠から抜け出ていないわけです。
 日本ではそれが、”科学”の常識とされ、マクロビオティック食はほとんど普及するに至っていませんでした。
実は、マクロビオティック食の原型が、日本の伝統的食事であるにもかかわらず、です。
 そんな状況をかんがみ、私がマクロビオティックの真実を紹介するために日本を訪れるようになったのは、九十年代も
半ば過ぎのことです。もちろん、それ以前から東京の日本CIや大阪の正食協会、その他各地のマクロビオティックの人々
が普及に努めてこられました。そんな努力のかいあって、今日では日本でも、マクロビオティックは多くの支持者や理解者
を得ることができ、その実践者も徐々にではありますが増え続けています。また、マクロビオティック食を提供するレストラン
も、主要都市を中心にいくつか開店するまでに至りました。
 ただ、私が残念なのは、マクロビオティックが単なる”健康食”としてしか認識されていないということです。
それ自体は間違いではないのですが、マクロビオティックの全体像をもっと広い視野で理解して頂きたい、と私は心から
願っています。というのも、その理解によってこそ、食事に対する認識が180度変わり、生活そのものが改善され、人は
心身ともに健康になる事ができるのですから。
      2004年11月  ボストンにて             久司道夫(くしみちお)

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