小樽のパパの子育て日記

日々のできごとを徒然なるままに2006年から書いて19年目になりました。
ヤプログから2019年9月に引越し。

名刺作成公費負担について雑感

2025-02-13 05:54:23 | 雑感
北海道新聞の記事から。
先日、札幌市が名刺作成を公費負担とすると報道されていたが、道職員もそうなるようだ。
記事によると、16都県が全職員の名刺を公費負担としているそう。
つまり、31道府県が私費であり、公費負担は現状少数派だと言える。
名刺作成費の公費負担については、賛否両論が存在する。
本稿では両方の立場から論じた上で、個人的な結論を提示してみたい。
賛成の立場
名刺は公務員が行政活動を遂行する上で不可欠なコミュニケーションツールである。
その作成費用を公費で負担することは、公務の円滑な推進に寄与すると考えられる。
特に、名刺は職務上の連絡や協力関係の構築に用いられるものであり、その経費を個人に負担させることは職務遂行上の公平性に欠けるとの指摘がある。
また、名刺作成を一元的に管理することで、スケールメリットを活かしたコスト削減が期待できるほか、デザインや情報の標準化が図ることができる点も公費負担の正当性を高める要素となる。
反対の立場
一方で、名刺は一部の用途において個人的な利用が含まれる可能性があるため、公費負担は適正な税金の使用という観点から問題視され得る。
名刺の使用目的が完全に公務に限定される保証はなく、一部で私的利用が発生するリスクを排除することは困難である。
この点は公費の適正利用という観点から重大な問題であり、市民からの批判を招きかねない。
また、自己負担とすることで、公務員一人ひとりのコスト意識、節約意識を育み、不必要な経費の抑制が期待できる。
公金の透明性と適正利用に対する市民の信頼を高める効果も有する。
加えて、名刺作成の必要性や使用頻度は職務内容によって大きく異なるため、包括的な公費負担は必ずしも公平とはいえない。
全職員を対象に一律で公費負担を行うことは逆に不公平であり、税金の非効率な使用につながる可能性がある。
さらに、既存の市内零細印刷事業者に対する影響も少なからず考慮すべきである。
個人的結論
全職員を対象とした公費による名刺作成には反対である。
公費は市民の信託に基づき、適切かつ透明性を持って運用されるべきであり、名刺のように使途が明確に公務に限定されないものに支出することは、公共財の管理原則に反する可能性が高い。
むしろ、自己負担を原則としつつ、特定の業務や状況に応じて必要最低限の支援を行う仕組みの方が、税金の効果的な運用を実現すると考える。
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ちなみに、小樽市の場合、市長、副市長、市議会議長、市議会副議長の名刺作成以外は、私費負担が原則である。
20代後半に東京の民間企業から市役所に転職した当時、名刺作成が私費負担と知って正直驚いたものだが、それはそれで一理あると思う。
観光振興を所管する部署に在籍時には、市内外の民間事業者などと面会する機会が多く、年間4〜500枚は消費していたので、公費負担となれば正直ありがたいとは思ったのは確か。だが、それも年間数千円程度の話だ。個人的な見解としては、パブリックサーバントなのだから、それくらいの負担はして然るべき。
旧友と会ったりすれば個人的にも使うのだし。
瓜田に履を納れず、李下に冠を正さずで、やましい気持ちなく堂々と配ることができるし、自分的にはそのほうがスッキリして気持ちが楽なのだ。