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渡辺省亭の100回忌が作品にあたり、「美祭」などで渡辺省亭の作品展が催されたようですが、盛り上がりはいまひとつであったように感じました。まだ日本では残念ながら馴染みのうすい画家の一人なのでしょう。
本日紹介する渡辺省亭の作品の特筆すべきはやはり独特の色彩感覚にあろうと思います。
好みが分かれるでしょうが、渡辺省亭の作品は「対象の正確な描写を即興性高く実現する高い技術、豊かな装飾性、色彩美を特徴とし、さらに西洋風の精緻な表現をバランスよく融合させることによって、現代の眼でみてもなおそのモダンで高い気品を感じることができる。同時代において既に評価が確立している河鍋暁斎や柴田是真の次に注目すべき画家であることに疑いはない。」と評価されるに値する画家と言えるでしょう。
紅楓鳩 渡辺省亭筆 その20
絹本水墨着色軸装 軸先象牙 合箱
全体サイズ:縦1840*横447 画サイズ:縦780*横335
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「省亭逸人」という落款の作品は数が多く、下記の他の所蔵作品にも記されているが、本作品の朱文白二重楕円印は初めての印章となる。最晩年の作品と推察される。
本作品の印章は当方では初めての印章であり、他の作品に押印された二重楕円印はありますが、本作品に一致した作品は当方の所蔵作品にはありません。渡辺省亭の作品に押印されている印章は「省亭」という簡単な印章ながら、かなり多くの種類があるようです。共箱の作品も少なく、一部に子息の鑑定箱の作品もありますが、真贋の判断にはそれ相応の注意が必要です。
落款については、当方の所蔵作品や昨年発刊された東京美術出版「渡辺省亭(「花鳥画の孤高なる輝き」)などの作品に同一の「省亭逸人」という落款が記されています。
下記の写真がその例となりますが、本作品と比較してみました。
本作品(左)「月明秋草図 その3」(中央)「松上双鶴図 その15」(右)
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「春秋水禽図双幅 その9」(左)「神使 その16」(右)
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「雪景燈籠ニ蛙図 その10」(左)「雨中桜花つばめ図(画集より)」(右)
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印章や落款に真贋のために固執したり、夢中になるのは骨董蒐集上は精神衛生的にはよくありませんが、このような資料は真贋以外に年代の特定ができたり、その製作背景が見えてくることがありますので、きちんと整理して覚えておく必要はあるようです。
ただ蒐集の初心者がこのような資料に夢中になるのは私はやはり不賛成です。たとえ極論からすると贋作であろうと作品をともかく愉しむことを優先した方がいいと思います。
渡辺省亭の作品の画題は花鳥画と美人画にありますが、とくに鳩を描いた作品は数多くあるようです。
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その色彩が海外では高く評価されています。
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日本の美そのものといっても過言ではないでしょう。
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デザイン性も豊かですね。
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平成29年4は明治期の日本画家である渡辺省亭の100回忌にあたりました。これを機に渡辺省亭の作品を集めた初の回顧展を開催されましたが、まだまだ現代では忘れ去られた画家という表現が適切な存在です。100回忌が過ぎたらますます忘れ去られた画家になりそうですが、ひと作品くらいは手元に所蔵したくなる作品ですね。
ちなみに京橋にある加島美術で開催された動物画の展覧会「アニマルワールド」の展示作品に下記の作品があります。双福の内の一幅です。
渡辺省亭 《紅楓鳩》
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「紅楓箱」と題するには本日紹介する作品の方が適切のように思い、本作品も同題としております。
当方で本ブログにて紹介した作品にも描かれた作品がいくつかあります。
双鳩図 渡辺省亭筆 その18
絹本水墨着色軸装 軸先樹脂 合箱
全体サイズ:縦1960*横525 画サイズ:縦1130*横395
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神使 渡辺省亭筆 その16
絹本水墨淡彩軸装 軸先象牙 合箱
全体サイズ:縦1910*横495 画サイズ:縦1300*横375
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梢上双禽図 渡辺省亭筆 その8
絹本水墨淡彩軸装 軸先木製 合箱
全体サイズ:縦1795*横545 画サイズ:縦1022*横418
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これらの作品はすでに本ブログにて紹介されていますので説明は省略させていただきますが、当方ではじっくりと取り組んで厳選しながら蒐集を続けていきたい画家の一人であることには変わりありません。
本日紹介する渡辺省亭の作品の特筆すべきはやはり独特の色彩感覚にあろうと思います。
好みが分かれるでしょうが、渡辺省亭の作品は「対象の正確な描写を即興性高く実現する高い技術、豊かな装飾性、色彩美を特徴とし、さらに西洋風の精緻な表現をバランスよく融合させることによって、現代の眼でみてもなおそのモダンで高い気品を感じることができる。同時代において既に評価が確立している河鍋暁斎や柴田是真の次に注目すべき画家であることに疑いはない。」と評価されるに値する画家と言えるでしょう。
紅楓鳩 渡辺省亭筆 その20
絹本水墨着色軸装 軸先象牙 合箱
全体サイズ:縦1840*横447 画サイズ:縦780*横335
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「省亭逸人」という落款の作品は数が多く、下記の他の所蔵作品にも記されているが、本作品の朱文白二重楕円印は初めての印章となる。最晩年の作品と推察される。
本作品の印章は当方では初めての印章であり、他の作品に押印された二重楕円印はありますが、本作品に一致した作品は当方の所蔵作品にはありません。渡辺省亭の作品に押印されている印章は「省亭」という簡単な印章ながら、かなり多くの種類があるようです。共箱の作品も少なく、一部に子息の鑑定箱の作品もありますが、真贋の判断にはそれ相応の注意が必要です。
落款については、当方の所蔵作品や昨年発刊された東京美術出版「渡辺省亭(「花鳥画の孤高なる輝き」)などの作品に同一の「省亭逸人」という落款が記されています。
下記の写真がその例となりますが、本作品と比較してみました。
本作品(左)「月明秋草図 その3」(中央)「松上双鶴図 その15」(右)
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「春秋水禽図双幅 その9」(左)「神使 その16」(右)
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「雪景燈籠ニ蛙図 その10」(左)「雨中桜花つばめ図(画集より)」(右)
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印章や落款に真贋のために固執したり、夢中になるのは骨董蒐集上は精神衛生的にはよくありませんが、このような資料は真贋以外に年代の特定ができたり、その製作背景が見えてくることがありますので、きちんと整理して覚えておく必要はあるようです。
ただ蒐集の初心者がこのような資料に夢中になるのは私はやはり不賛成です。たとえ極論からすると贋作であろうと作品をともかく愉しむことを優先した方がいいと思います。
渡辺省亭の作品の画題は花鳥画と美人画にありますが、とくに鳩を描いた作品は数多くあるようです。
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その色彩が海外では高く評価されています。
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日本の美そのものといっても過言ではないでしょう。
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デザイン性も豊かですね。
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平成29年4は明治期の日本画家である渡辺省亭の100回忌にあたりました。これを機に渡辺省亭の作品を集めた初の回顧展を開催されましたが、まだまだ現代では忘れ去られた画家という表現が適切な存在です。100回忌が過ぎたらますます忘れ去られた画家になりそうですが、ひと作品くらいは手元に所蔵したくなる作品ですね。
ちなみに京橋にある加島美術で開催された動物画の展覧会「アニマルワールド」の展示作品に下記の作品があります。双福の内の一幅です。
渡辺省亭 《紅楓鳩》
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「紅楓箱」と題するには本日紹介する作品の方が適切のように思い、本作品も同題としております。
当方で本ブログにて紹介した作品にも描かれた作品がいくつかあります。
双鳩図 渡辺省亭筆 その18
絹本水墨着色軸装 軸先樹脂 合箱
全体サイズ:縦1960*横525 画サイズ:縦1130*横395
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神使 渡辺省亭筆 その16
絹本水墨淡彩軸装 軸先象牙 合箱
全体サイズ:縦1910*横495 画サイズ:縦1300*横375
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梢上双禽図 渡辺省亭筆 その8
絹本水墨淡彩軸装 軸先木製 合箱
全体サイズ:縦1795*横545 画サイズ:縦1022*横418
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これらの作品はすでに本ブログにて紹介されていますので説明は省略させていただきますが、当方ではじっくりと取り組んで厳選しながら蒐集を続けていきたい画家の一人であることには変わりありません。