夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

ちょっとした作品 古瀬戸 鉄釉手付蝋燭徳利

2021-09-17 00:01:00 | 陶磁器
何気なく気に入ったのでネットオークションで落札した作品です。(古?)瀬戸と思われる鉄釉の蝋燭徳利ですが、2000円くらいだったと思いますが、手付きのものは珍しいし、なによりも景色がいいので購入しました。



古瀬戸? 鉄釉手付蝋燭徳利 
誂箱
口径約*最大胴径85*底径*高さ158



陶磁器で一番大切なのは景色がいいことですね。いくら由緒正しき?李朝であろうと、古信楽であろうと、桃山の織部であろうと景色に惹きつける力のない作品は魅力がありません。



それゆえ日常の雑器であろうと姿と景色に魅力のある作品は大いに購入すべきです。ただこの「姿と景色がいい」という感覚は目利きと同じくらいの経験と素養がないといけないようです。素養がないとただのガラクタ集めになりかねません。



当方もガラクタの巣窟のようなコレクションですのが、いつも反省していますが・・。



蒐集家としては取捨選択を誤らないように心がける必要は常日頃から必要でしょう。



かなり小さめの徳利であり、ちょっとした花入れにいいかもしれません。



さてこれは瀬戸? それとも丹波? 鉄釉の蝋燭徳利というと一般的には丹波ですが、この手の丹波の作品はあまりにも一般的な作品で魅力に薄れます。当方のブログでは下記の作品を丹波焼では紹介しています。

白丹波焼 一輪挿し 江戸後期
口部金属 合箱入
口径37*最大胴径100*底径75*高さ262



本作品と同じく、おそらく徳利として作られた雑器ですが、白釉で雨漏り手風であり珍しい作行きで鑑賞に堪え得る作品となっていると思います。そのような観点から本作品も珍しい作行だと思います。



陶磁器の置ける骨董というと、金銭的な価値ばかりにとらわれがちですが、本来は美とは金銭では枠にはめられない価値感があってしかるべきものだと思います。



陶磁器だけではなく、掛け軸も漆器も、木彫もすべてそうなのでしょうね。金銭的に高い真作ばかり買い求めている御仁にはとうてい辿り着けない境地であろうと自負しています。



普段は酒を嗜まない小生は花入れに使っています。




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