夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

福田豊四郎 色紙 「里の秋」&「野菜」 その90 & その91

2019-01-12 00:01:00 | 掛け軸
昨年末は天候も不順で帰郷できた人も少なく、同級生も4人の集まりとなり、男の隠れ家の食事も4人だけと寂しくなりました。それでも息子は郷里が気に入り、「もっと居たい。」とか「また来る。」と郷里が相変わらず気に入っているようです。食事の支度や片付けも言われないのに相変わらず手伝っています。手伝う袴姿はまるでお運びをする「からくり人形」のようです。



さて「インターネットオークションからの骨董品の入手」にはうしろめたさを感じる人や贋作と決め込む方が多いようですが、決してそのようなことはありません。骨董店からの入手でも贋作の比率はそれほ変わりはしませんし、数が多い分だけ掘り出し物も多いのがインターネットオークションです。鑑識眼の高い方ほどインターネットオークションでいい作品を仕入れる人が多いと思います。落札する人が多いので数多く捌けるのもインターネットオークションです。業者でインターネットオークションを毛嫌いする人は時代に乗り遅れるでしょう。

本日はインタネットオークションと専門店から入手することの多い福田豊四郎の作品の紹介です。お値段はほぼ専門店と同じくくらいの価格で二作品を同時に入手しました。

里の秋 色紙 福田豊四郎筆 その90
紙本着色色紙 タトウ入
画サイズ:縦270*横240



「里の秋」の童謡を思わず歌ってしまうような福田豊四郎の世界です。



『里の秋』の作詞は斎藤信夫、作曲は海沼実だそうです。

1 静かな静かな 里の秋
お背戸(せど)に木の実の 落ちる夜は
ああ母さんと ただ二人
栗の実煮てます いろりばた

2 明るい明るい 星の空
鳴き鳴き夜鴨(よがも)の 渡る夜は
ああ父さんの あの笑顔
栗の実食べては 思い出す

3 さよならさよなら 椰子(やし)の島
お舟にゆられて 帰られる
ああ父さんよ 御無事でと
今夜も母さんと 祈ります

1945年(昭和20年)12月24日、ラジオ番組「外地引揚同胞激励の午后」の中で、引揚援護局のあいさつの後、川田正子の新曲として全国に向けて放送されたのがヒットの始まりだそうです。

1番ではふるさとの秋を母親と過ごす様子、
2番では出征中の父親を夜空の下で思う様子、
3番では父親の無事な復員(ここでの椰子の島、船という言葉から父親は南方軍麾下の部隊にいることが窺える)を願う母子の思いを表現しているのだそうです。



実はヒットする前には1番、2番に続く3番、さらに実は4番があり、下記のような歌詞でした。


きれいなきれいな椰子の島
しっかり護って下さいと
ああ父さんのご武運を
今夜も一人で祈ります


大きく大きくなったなら
兵隊さんだよ うれしいな
ねえ母さんよ僕だって
必ずお国を護ります

最初は『星月夜』というタイトルで、太平洋戦争開戦に湧く昭和16年、作詞の斎藤自身も高揚した勢いで書き上げ、実は、歌詞も4番まであったのだそうです。斎藤信夫は、元々は小学校の教師をしていました。その頃から、数多くの作詞をしていたようですが、当時はまだ日本の軍国主義に従って生徒らにも『神州不滅』と教えていたそうです。『神州不滅』とは、読んで字の如く、”神州(神の国)は不滅である”という意味で、昭和から太平洋戦争終結まで軍部のスローガンとしても使われていたのだとか。それを小学校の生徒らにも教えていたということですね。

軍国主義はなにからなにまで愛国心を高揚することに利用する怖さがありますね。



ちなみにこの絵を描いたのは昭和10年頃ですから、「里の秋」の歌が後ですね。

さて次の作品は「野菜」・・、そのままの仮題ですが・・。

野菜 色紙 福田豊四郎筆 その91
紙本着色色紙 タトウ入
画サイズ:縦270*横240



「茄子」、「胡瓜」、「稲」、「さやえんどう」・・・・・、「秋の収穫」という題かな?





ふたつの絵を並べると不思議とまたあの歌詞を口ずさむ。

静かな静かな 里の秋
お背戸(せど)に木の実の 落ちる夜は
ああ母さんと ただ二人
栗の実煮てます いろりばた



これが福田豊四郎の作品がノスタルジックと言われる主因でしょう。故郷の風景を心に描けない人には解らない。たとえ元が復員を願う歌や戦争賛歌の歌でも我々戦後育ちには「故郷」の歌のひとつなのです。ただその反省すべき歴史を忘れてはいけないと思います。



両作品の落款と印章は下記のとおりです。どちらも昭和初期(昭和10年)の頃の作でしょう。

 

近々、福田豊四郎の作品を整理して制作年代の特定ができるようにしようと思っています。



額に入れた飾るとたとえ色紙の作品でも見え映えのするものです。



今回はちょっとした予備にとっておいた額ですが、似たような揃いの額に入れてみました。



最初の写真のような安っぽい額はよくないですね。



もっといい額に入れても良かったのですが、どうも時間がなく手近にある額で間に合わせてしまいました。

何気ない色紙の作品でも調べるといろんなことが解ってきます。骨董というのは作られた時代の背景をよく調べることが重要です。評価や真贋なのはその次でしょう。自由な時間のない小生はもっと時間が欲しい・・・・。

*当方の源内焼、天龍道人などはインターネットオークションで入手した作品です。流通数の少ない作品群はインターネットオークションの利用が効果が大きいようです。ただし今では駄作が多く、インターネットオークションでの入手すら難しくなっています。


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