夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

源内焼 その116 三彩鳳凰文皿 

2019-01-14 00:01:00 | 陶磁器
年末年始のテレビ番組はあまりにもつまらないので、面白そうなものだけ予約録画しておきましたが、その中でNHKの香川照之出演の「カマキリ先生」という番組を面白く拝見しました。香川照之氏は昆虫が大好きで、収録中に一時間もの間、「クワガタ」の話を続けたそうです。むろんテレビではすべてカットされたようですが、大人の趣味とはそのようなものだと思います。

一時間、持論を語れるものがありますか? 仕事の自慢話やゴルフの経験談ではむろん論外です。仕事以外のもので自分で勉強し真理に基づいた持論を展開できる趣味を本当の趣味というのでしょう。

さて本日は作品が「その116」となった源内焼の作品の紹介です。小生は果たして源内焼について一時間語れるかどうか? ちょっと自信がないですね。

源内焼 その116 三彩鳳凰文皿 
誂箱 
最大口径242*底径*高さ50



源内焼の作品の図柄には鳳凰の作品が多種ありますが、この作品の図柄は稀有な作品のようです。図集を探しても見当たりません。



作品そのものは江戸期の作品に相違ありません。



このような丁寧な作りの作品は多少の歪みがあっても完品であり評価は高くなります。



中央部の鳳凰の彫、口縁の唐草文様の彫の出来が評価を左右します。



源内焼は胎土が弱く、また表面が傷つきやすいので、保管状態が評価に大きく影響します。擦れや欠けの醜いものは入手しなほうがいいでしょう。



源内焼には「舜民」や「民山」という刻印はよく見られますが、本作品の裏面にある「民山」?のこの字体の刻銘は稀有で、こちらも図集には記載がありません。おそらく注文で作られたもので揃いで丁寧に制作された作品のひとつでしょう。このような刻銘のある作品は評価が高くなります。

*「源内」とか「鳩渓」という銘は本来の江戸期の源内焼にはなく、明治以降の再興源内焼の作品で評価は格段に下がります。



源内焼の中皿程度の大きさには「鳳凰文」の作品は多く、本ブログにて投稿された下記の作品らは図集にも掲載されています。

源内焼 その55 三彩陽刻桐二鳳凰図皿
合箱
口径255*高台径167*高さ50



ただ本日投稿された作品は図集には掲載されたおらず、非常に珍しい作品のようです。

源内焼 その56 三彩陽刻桐鳳凰図皿
合箱
口径255*高台径165*高さ50



裏側に「民」なその刻印のある作品は特別注文の作品が多く、本日の作品もその可能性が高いと推察されます。

源内焼 その83 三彩桐鳳凰文五稜皿 
合箱入 
口径173*底径122*高さ28



これほど多くの鳳凰の文様が源内焼に用いられたことは単なる吉祥文様というだけではなさそうです。

源内焼 その98 三彩桐鳳凰文(輪花)皿 その2 
合箱入 
口径254*高台径*高さ43



これらが揃ってくるのも蒐集の楽しみでもあります。

*源内焼のいい作品が市場の出なくなりました 当方も蒐集として残っているのは地図皿のみかもしれません。


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