
我が家の玄関にある傘入れが古くなってきたので、義母が新しいものを御要望・・・。いろいろと既製品を探してみましたが御要望と寸法などが一致したものがなく、やむを得ず作ることにしました。

天板や扉は無垢の欅、これはインターネットオークションから廉価にて調達しました。半端材の無垢の材料は廉価で入手できます。


上端は折り畳みの傘用・・。

車庫にて近所の方に塗装してもらいました。

以前の置いてあったところにうまく入るようにしてあります。

既存とう調和し統一感のあるように・・・。

さて本日は当方にて少しずつ蒐集している山元春挙の作品の紹介で、20作品目となります。

学生時代に南北アルプスを登山をしていたこともあり、山元春挙の山岳を描いた雄大な作品には共感するものがあります。

夏渓飛泉図 山元春挙筆 その20
絹本着色軸装 軸先象牙 共箱二重箱
全体サイズ:横495*縦2240 画サイズ:横350*縦1260


この作品が描かれたのは戦前と思われ、おそらく人工岩絵具は使われていないのでしょう。というのは春挙は、気まぐれに変化する天然の岩絵具に付き合い、またそれらを完全に御して彩を作り上げたと画家です。山元春挙の特筆すべきひとつとして、作品における色合いのメリハリが素晴らしいことが評価されています。

手前に下がる松はしなやかに垂れながらも、はっきりとした風合いの存在感を出し、奥に流れる川は非常に滑らかに斜面を撫でています。水の飛沫か山の霧か、画全体は靄のかかったように白みがかる、まさに“朦朧体”のような
雰囲気を纏っていますね。

古今の日本画を見回しても、山元春挙ほどまでに優雅な流水を画いた画家は少ないでしょう。その色は一般的な水のイメージとはかけ離れているのにもかかわらず、空を映したかのような水面は現実的な美しさを抱え、それでいてどこか浮世離れした幽世を連想させます。それはまるで本当に黒部の源流を彷徨っているかの如く感じる色の美しさです。
一度は訪れてみたい黒部の源流・・、その幽玄は筆舌に尽くしがたい。

風景画を得意としていた山元春挙は、その風景を描くためにカメラを持参するという方法を初めて試みた画家としても知られています。画風は、四条派の伝統を受け継ぎつつも西洋の刺激を受け、墨彩や色彩表現を豊麗さへと徹底的に純化した表現に特色があります。こうした画風は、千總など絵を享受する京の大店に支持され、明治天皇も春挙のファンで、亡くなる際、床の間に掛かっていたのは春挙の作品だったとされます。

共箱などの誂は写真のとおりです。



山本春挙を今となっては知る人も少なく、どれほどのファンがいるのでしょうか? 蒐集する方も少ないので、このような優品も当方で入手できるのはありがたいのですが・・・。