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本ブログへの特定の作品群にアクセスが増えるのには「なんでも鑑定団」の出品作が関連している時があります。今週のアクセスが増えたのは「加納鉄哉」の作品に対してですね。あまり注目されていない彫刻家でしたが、これを機会に少しでも注目されればと思います。修理していただいた「人形修理職人ネットワーク福田匠庵」にも注目していただければと思います。
さて本日紹介する作品を「古九谷様式色絵」に分類するには異論のある方も多いかもしれませんが、その雰囲気はあるかも・・・。
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氏素性の解らぬ作品 古九谷様式色絵? 栗文輪花型五寸皿対
割補修跡 江戸期 合箱
口径158*高台径*高さ25
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補修跡のある作品とない作品との対の作品です。
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絵の出来が良いので入手。
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無難な分類としては伊万里の色絵かな?
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古九谷の分類も意外にジャンルが広い。
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古九谷という分野も幅が広いし、古伊万里という分野も幅が広い・・・。
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古九谷様式の「九谷五彩」と呼ばれる作品は、「緑・黄・紫・紺青・赤の色絵の具を自在に活用して、絵付けされたスタイル」のものです。5色の色絵の具をフル活用することから、「五彩手」とも呼ばれます。
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ともかく手元に作品を置いて鑑賞しないとものの出来というものは分からない。写真や美術館でガラス越しにいくら作品を見ても結局は何もわからないものです。
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器の中央に、作品のモチーフを絵画的・写実的に描くことも、この色絵の特徴です。作品の見どころは、屏風や掛軸から器へ抜け出してきたかのような絵画を描いた、熟練された絵付けの筆づかいです。
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特に色絵の古九谷は、中国の明王朝末期から清王朝初期にかけての色絵磁器がモデルになっているとも言われ、大皿 (大平鉢) から小皿 (端皿) に至るまで、中国風の人物・動物・山水 (風景) を見事に描写した名品が数多く残されています。
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古九谷出現の以前(色絵出現以前)に伊万里では染付や青磁の作品が焼成されていましたが、1640年後半に色絵が製作され始めました。その色絵は五彩手、祥瑞手、そして青手の大きく3種類の区分がされています。
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その五彩手に本作品のような呉須の青も同一に存在したかどうかは当方では分かりかねます。まるで天啓赤絵のようですね。ちなみに呉須を用いないものを南京赤絵と称します。
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古伊万里や古九谷だけの蒐集でも結局、何もわからない。陶磁器も絵も結局は分野が広く、その関連性を肌で感じるのが一番。
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時代の下がった古伊万里焼の色絵とするのが前述のように無難でしょう。
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汚れを落とすと割れ跡以外はきれいになりました。
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割れた補修跡がありますが、ジャンク品のような作品で気軽に使うにはいいのでしょう。
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楽しめや、日本の古き器。温故知新がないと現代の器の良し悪しも結局わからないように思います。