夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

第1回配布 12作品最後の作品 大日本魚類画集 NO65 金魚 大野麥風画 

2021-06-28 00:01:00 | 浮世絵
油彩の作品を探しながら、下記の作品を見つタトウを誂えらえることとしたので、久しぶりに飾ってみました。

巴里 田崎広助画
油彩 額装 サイン:画面右下、裏面左下(H.Tasaki)
全体サイズ:縦350*横485 画サイズ:縦270*横405(P6号)



阿蘇山などの山をメインに描ている画家として知られている田崎廣助の作品です。おそらくパリの修業時代に描いた作品ではないかと推察しています。厚紙のボード、早い話が段ボールに描いてある肉筆の古い油彩画で、パリの修業時代とすると戦前の作品と思います。珍しい作品なのでタトウを新しくしておくことにした次第です。



さて本日の作品はは大日本魚類画集の作品の紹介です。大日本魚類画集は全72種を蒐集目標にしていますが、今さらながら全種の蒐集はたいへんですが、それでもようやく第1回配布(第1輯)の12作品のうち、本日の最後の「金魚」の作品にて第1回配布(第1輯)の全種類が揃いました。



現在蒐集されている作品は額装にしていますが、まだ額装にされていない作品もあり、第1回配布の12作品の全部もまた額装にされていません(金魚と鮎が撮影時点で未了)が、各々の色彩に合わせた額、マット、見切縁を誂えて徐々に整理しています。

*額装が出来上がりました。



整理の仕方はタトウに貼り付けてある赤い〇が第1回配布で、配布ごとにその12作品の発刊順に番号を貼って整理してあります。第6回まで色分けされて整理する予定ですが、他の第2回から第6回までは先が長い・・。



*現時点で額装にされていない作品を含めると約1/3(24作品)が蒐集されています。

状態が良く、しかも発刊当時の資料まで遺っている作品は入手が非常に困難なようですね。本日はその中でも特にきれいな作品である「金魚」の作品を紹介します。

大日本魚類画集 NO65 金魚 大野麥風画 
紙本淡彩額装 版画 1938年7月第12回
画サイズ:縦400*横280(版木部分:270*390) 発刊当時のタトウ付



発刊当時のタトウが遺っている貴重な作品です。この作品は背景がなく、金魚自体に美しさが版画にて見事に表現された大日本魚類図集の真骨頂ともいえる作品です。写真では解りにくいですが、金魚がキラキラと輝いています。



時間経過と共に変遷していく際に、発刊当時に資料や本作品の経緯などが失われないように作品と一緒にしておきます。



日に焼けたり、破れていたりと状態の良い作品がなかなか少ないのが蒐集の難しいところですし、お値段もだいたいひと作品た5万円以上するのも入手の妨げになっています。

 

タトウには初版を証明するものがあるのも心強いです。

*大日本魚類図集の作品に復刻版の版画は観たことがありません。きっと100回を超える摺の復刻が難しいのでしょう。ちなみに本作品はたしか130回摺であったように記憶しています。



写真では解りにくいでしょうが、肉筆画よりもさらに繊細な色が出せています。



金や銀などのがキラキラしており、版画の良さも味える作品となっています。



この大日本魚類シリーズは日本の版画の至宝といえるのでしょう。



冒頭に記述したように、状態が良くて、説明タトウ付きで全種類揃えるのは不可能かもしれませんね。第4回以降は500部限定からどうも300部限定になっているようで、後半の作品ほど数が少なく蒐集が難しいかもしれません。

*額装にした場合はまず日光は無論のこと、照明の光に当たることさえ極力避けなくてはいけませんので、当方は空調された屋根裏の所蔵スペースにタトウに入れて保管しています。



裏打ちは版画には禁止事項ですが、版画を額の収めることに賛否両論はあるでしょう。でも飾って愉しめなければなんのための蒐集か判りませんね。暗いところで引き出しから作品を取り出し一人でほくそ笑むような気色の悪い趣味は私は賛成ではありません。額屋の方と作品に合わせて額を選ぶコミュニケーションをとって、マットや面金を選び、出来あがったら「いいね~」と喜ぶのが蒐集家の楽しみなのでしょう。



なお金魚マニアには大日本魚類図集のこの作品らは必須かもしれませんね。


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