夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

涛聲松韻図 寺崎廣業筆 明治32年(1899年)頃 その118

2023-05-24 00:01:00 | 掛け軸
整理している古くからある日常の器は非常の面白いものもあります。揃いである弁当箱・・。



実に軽くまるでプラスチック製のよう・・。これが古来からの技術なのだろうが今はもはや需要もなく作る人もいない。さて何かに使うか、大切に保管しておくのか?



ところで骨董を蒐集する方はネットオークションを大いに利用すべきだろうと思います。信頼のおける骨董店からの入手は限られたルートからの作品に限られることとと、その骨董店のフィルターにかけられているので、資料的な面や量に関していうとネットオークションに敵うものではありません。無論、写真の画像から見抜く鑑識眼とともにコストに関する自粛は大いに必要ですが・・・。



今回はなかなかお目にかかれない寺崎廣業の初期の作品で、この初期の作品はのちの多作な時代に比して、ひとつひとつの作品は出来の良いものです。さらには初期の頃の印章は意外に多くの種類の印章が押印されており、この作品の印章も当方では初めての印章です。

*奥の作品は福田豊四郎の初期の作品。このような初期の作品で出来の良いものを探すのはやはり全国ネットのネットオークションに頼らざるえませんね。

初期の佳作 涛聲松韻図 寺崎廣業筆 明治32年(1899年)頃 その118
絹本着色軸装 鳥谷幡山鑑定箱入
全体サイズ:縦2010*横560 画サイズ:縦1130*横430

 

この特徴ある落款の書体から明治31年頃の作と推定されます。印章はこの当時まだあまり知られていない印を押印しており、当方の資料からは未確認の印章となります。



この頃の寺崎廣行は版画も多く手がけており、この作品も版画の原画かも知れませんね。



この初期の頃の美人画などの人物画は寺崎廣業の作品は実に愛らしい。



鳥谷幡山の鑑定箱となっており、昭和15年(1940年)に記されています。



大切に保管されてきたのでしょう、箱の誂は最上級品です。


飾るのが愉しくなる作品です。

松ぼっくりは松の葉を熊手で集めていた?少年。くたびれて松の木の下で海の波の声を聴き、松の風で揺れる音(韻)にてうたた寝をしてしまう。そんなのんびりとした思いを日常の生活の中で人は見失ってしまうもののようです。


引き継いだ小生は、調べた資料と共に大切に保管していきます。もとの所蔵者は二重箱を誂えて作品が収まっていたものと思われます。二重箱を手配してみようと思います。

















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