夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

修理完了 恵比寿大黒天面・吉祥額 加納鉄哉作

2018-07-20 00:01:00 | その他
男の隠れ家の庭、隣を気にする都会とは違い、田園や森林を遠景に取り込めるのはいいものです。



夜にはライトを点灯できるようにしておきましたが、照明器具が老朽化したので取り替えました。



冬には雪化粧となり、それはそれはきれいです。外壁の金具は雪よけ取付用です。ガラスが割れないように屋根からの落雪対策です。



たとえば茶道をたしなむお方は茶道具にばかり興味をもってはいけません。茶道具などは狭いエリアでしかありえませんので、もっと視野を広げることが必要でしょうね。茶室にしてもそうです。表面上の仕上がりや庭だけではなく、建物の基礎、構造がどうなっているかも観点として必要だと思います。免振の茶室、耐震性能はどうかなど、なにごとも視野を広げると面白い視点はいくつもありますね。ここに壁がないと庭への視野が広がるが耐震性に支障が出るからどうしようかと考えるのは愉しいものです。構造計算の知識が必要ですが・・。

さて本日の作品、大黒様と恵比寿様の作品で神棚の脇に飾ってあった作品ですが、どうも色が退色していてご利益が薄そうなので色絵を補修することにしました。この度、修復が完了したので投稿いたします。

恵比寿大黒天面・吉祥額 加納鉄哉作
恵比寿面:高さ175*幅132*厚さ65 大黒面:高さ140*幅128*厚み68
額:口径470~415*厚さ22 共板市川鉄琅鑑定箱



依頼先(京都の人形店)では下絵を作って入念に色直しをしていただきました。事前にこちらに下絵を送っていただき、互いに了解した上で色付けに入りました。



古色がいいという考えの方もおられるでしょうが、小生は色直ししたほうがいいという考えで修復にかかってもらいました。



以前に修理していただいた下記の作品とともに飾っております。

木彫極彩色 狂言福ノ神 市川鉄琅作
極彩色 共箱
幅148*奥行き132*高さ220



修復した作品である「恵比寿大黒天面・吉祥額」は加納鉄哉の作で共箱になっていますが、弟子の市川鉄琅の添え書き付きがあります。むろん真作に相違ありません。

「木彫極彩色 狂言福ノ神」は市川鉄琅の作で、ともに市川鉄琅に所縁の作品です。こちらも真作です。



大黒様も恵比寿様も福の神も喜んでいるように見えますね。「福の神」にはお神酒は不可欠、なにやら御利益がありそうな気がしてきます。



*「恵比寿大黒天面・吉祥額」の修理費用は5万円+消費税、「木彫極彩色 狂言福ノ神」は8万円+消費税です。読まれている方々が高いと思うか、妥当と思うかは解りませんが、当方では妥当なお値段と考えています。蒐集する者は維持管理、修復に蒐集と同様の労力と手間、費用を惜しんではいけません。真贋ばかり気にするより、維持管理、修復という観点のほうが蒐集する者には必要不可欠です。 


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