
先週末は近所の子供会のリサイクル市。家内が係なのでいつも息子も手伝いに行きますが、今回は空き缶つぶしを手伝ったようです。

さて今週は古伊万里の作品が続いているようですが、当方の投稿する作品が底を尽いてきたのかもしれません。古伊万里の中で最も人気の高い作品群に本ブログでも幾度か作品を紹介してきた「蛸唐草」の描かれた作品群があります。ただしこの蛸唐草でも唐草に丁寧に縁取りして描かれた蛸唐草のみが価値の高い作品とされています。一筆で雑然と描かれた蛸唐草の作品はあまり高い評価は受けていません。

古伊万里 染付蛸唐草龍図五寸皿 江戸中期
高台内銘「富貴長春」 誂箱
口径170*高台径*高さ30

蛸唐草は唐草文様の一種。渦状に巻く蔓(つる)の外側に、葉を簡略化してつけた文様のことです。それがちょうど蛸の足の吸盤をおもわせるところから俗に蛸唐草文様と呼ばれています。

中国宋時代の磁州窯の作品に古い例がみられ、アメリカのカンサスシティにあるネルソン美術館所蔵の「白釉黒花龍文瓶」(11~12世紀)の高台周囲にこの蛸唐草文様が線彫りであらわされています。また同じ頃の磁州窯の「白釉印花唐草文枕」の縁どり文様にもみられます。

元時代の吉州窯には磁州窯の陶工が多く入ったといわれ、作風が似ているものがあり、吉州窯の「白地鉄絵唐草文双耳瓶」(14世紀)の胴には鉄絵で蛸唐草文が描かれ、韓国全羅南道新安沖の沈没船から引き揚げられた中にもこの吉州窯の「白地鉄絵唐草文瓶」(14世紀)があり、同様の文様が鉄絵で描かれています。

このように宋から元にかけての文様として鎌倉時代の日本に紹介されたとされています。有田皿山では江戸時代中頃から、皿の縁どり文様として描かれ、壺の肩の部分、あるいは徳利や猪口の胴全面に描かれて以来、今日まで愛用されている文様です。

古伊万里染付の唐草には花唐草、萩唐草、蛸唐草などの種類がありますが、蛸唐草という名称は昭和20年代後半になって呼び習わされた名称であろうと思われます。終わりのない連続文様は、永遠、切れない、末広がりなどの縁起の良い絵柄とされ、冒頭の記述のように江戸中期の最上品は丁寧に縁取りされた描きかたで、時代の下がった作品は縁取りのない文様となり評価は格段に低くなります。

上手は中央の図柄や裏面の絵柄も丁寧に描かれており、元禄期の染付最上手の作品として高い評価を受けています。とく大徳利の対の作品は古伊万里ファンの垂涎の作品でしょう。

裏面は「富貴長春」と銘があり、蛸唐草同様に吉祥の作品として重宝されたのでしょう。

実用性の高い揃いの食器として作られたのでしょうが、今となっては揃いで揃えるのは難しくなっています。

古伊万里は柴田コレクションのように数の勝負ではありませんね。やはり質の高さ、好みの高尚さが大切です。

普段使いとはいえ飾って愉しめるくらいの作品を対象にしたいものです。

ただ古伊万里を蒐集する人はやたら飾る人が多く、よく閉口するものです。飾る価値のあるものと使う価値のあるものには一線を画しましょう。これは古伊万里に限ったことではないでしょうが、その一線は金銭的価値ではなくその人の感性の価値基準です。感性の良し悪しが飾る作品に表れてくるから怖い・・・・
例としていいかどうかはありますが、たとえば玄関には金額的には謙遜したものを選び、そして肝心なのはセンスの良いものを飾ることです。人の出入りの多い玄関に伊東深水だとかの大家の作品、古九谷などの毀れやすい貴重な作品を飾るのはその人の品性(いわゆる成金趣味)が疑われます。


さて今週は古伊万里の作品が続いているようですが、当方の投稿する作品が底を尽いてきたのかもしれません。古伊万里の中で最も人気の高い作品群に本ブログでも幾度か作品を紹介してきた「蛸唐草」の描かれた作品群があります。ただしこの蛸唐草でも唐草に丁寧に縁取りして描かれた蛸唐草のみが価値の高い作品とされています。一筆で雑然と描かれた蛸唐草の作品はあまり高い評価は受けていません。

古伊万里 染付蛸唐草龍図五寸皿 江戸中期
高台内銘「富貴長春」 誂箱
口径170*高台径*高さ30

蛸唐草は唐草文様の一種。渦状に巻く蔓(つる)の外側に、葉を簡略化してつけた文様のことです。それがちょうど蛸の足の吸盤をおもわせるところから俗に蛸唐草文様と呼ばれています。

中国宋時代の磁州窯の作品に古い例がみられ、アメリカのカンサスシティにあるネルソン美術館所蔵の「白釉黒花龍文瓶」(11~12世紀)の高台周囲にこの蛸唐草文様が線彫りであらわされています。また同じ頃の磁州窯の「白釉印花唐草文枕」の縁どり文様にもみられます。

元時代の吉州窯には磁州窯の陶工が多く入ったといわれ、作風が似ているものがあり、吉州窯の「白地鉄絵唐草文双耳瓶」(14世紀)の胴には鉄絵で蛸唐草文が描かれ、韓国全羅南道新安沖の沈没船から引き揚げられた中にもこの吉州窯の「白地鉄絵唐草文瓶」(14世紀)があり、同様の文様が鉄絵で描かれています。

このように宋から元にかけての文様として鎌倉時代の日本に紹介されたとされています。有田皿山では江戸時代中頃から、皿の縁どり文様として描かれ、壺の肩の部分、あるいは徳利や猪口の胴全面に描かれて以来、今日まで愛用されている文様です。

古伊万里染付の唐草には花唐草、萩唐草、蛸唐草などの種類がありますが、蛸唐草という名称は昭和20年代後半になって呼び習わされた名称であろうと思われます。終わりのない連続文様は、永遠、切れない、末広がりなどの縁起の良い絵柄とされ、冒頭の記述のように江戸中期の最上品は丁寧に縁取りされた描きかたで、時代の下がった作品は縁取りのない文様となり評価は格段に低くなります。

上手は中央の図柄や裏面の絵柄も丁寧に描かれており、元禄期の染付最上手の作品として高い評価を受けています。とく大徳利の対の作品は古伊万里ファンの垂涎の作品でしょう。

裏面は「富貴長春」と銘があり、蛸唐草同様に吉祥の作品として重宝されたのでしょう。

実用性の高い揃いの食器として作られたのでしょうが、今となっては揃いで揃えるのは難しくなっています。

古伊万里は柴田コレクションのように数の勝負ではありませんね。やはり質の高さ、好みの高尚さが大切です。

普段使いとはいえ飾って愉しめるくらいの作品を対象にしたいものです。

ただ古伊万里を蒐集する人はやたら飾る人が多く、よく閉口するものです。飾る価値のあるものと使う価値のあるものには一線を画しましょう。これは古伊万里に限ったことではないでしょうが、その一線は金銭的価値ではなくその人の感性の価値基準です。感性の良し悪しが飾る作品に表れてくるから怖い・・・・

例としていいかどうかはありますが、たとえば玄関には金額的には謙遜したものを選び、そして肝心なのはセンスの良いものを飾ることです。人の出入りの多い玄関に伊東深水だとかの大家の作品、古九谷などの毀れやすい貴重な作品を飾るのはその人の品性(いわゆる成金趣味)が疑われます。