夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

獅子図 大橋翠石筆

2019-02-13 00:01:00 | 掛け軸
週末の三連休は天気も良くないし寒い日が二日あったので近場のプラネタリウムへ出かけました。



家内と息子は三回目で小生は初めてです。というかおそらくプラネタリウム自体が初めて・・・。



打ち上げ衛星が展示されていました。「のぞみ」に「はやぶさ」・・、まるで新幹線のような名前ですね。



「はやぶさ」はずいぶんと話題になりました。



息子は三階目ですので、これが「はやぶさ2」だよと説明してくれます。



三人で来たのがとても楽しそうです。



親子ともども星座のお勉強です。



さて本日の作品は本ブログでおなじみの大橋翆石の作品の紹介です。

大橋翠石の作品の良さは「虎」の作品ばかりではありません。関西の経済人は大橋翠石の「虎」の作品を所蔵していることがひとつのステイタスであったそうですが、それでは関東人は「獅子」の作品を所蔵しようではありませんか

おっとこちらの写真は動物の音楽隊・・。



獅子図 大橋翠石筆
紙本水墨淡彩軸装 軸先陶器 合箱 
全体サイズ:横560*縦1330 画サイズ:横425*縦370



この作品を観て即座に真作と判断できるのも経験からです。



大橋翠石の作品と言えば「虎」ですが、「獅子」の作品もひけをとるものではなく非常に評価の高い画題のひとつです。



描き方は「虎」の作品と共通しています。



最晩年の作ですね。



専門的には落款からは下記の制作時期と断定されます。

C.晩年期:1940年(昭和15年)-1945年(昭和20年)66歳~81歳

この時期の作品の特徴は下記のとおりです。このような制作時期や真贋のとらえ方は経験と知識によって生み出されます。

糸落款翠石: 翠石が細く書いてある。3期 1940年(昭和15年)-1945年(昭和20年)
画風   :地肌に赤、金で毛書きがされ、毛書きの量も控えめになる。背景は晩年期より簡素化し、構図も前を向く虎の顔や全身に比べて尾や後身が抑えて書いてある。

文献との比較は下記のとおりです。

  

残念ながら共箱ではなく、鑑定もありません。 

  

しばし展示室にて鑑賞・・・。



そういえば下記の作品の改装が出来上がりました。

親子虎図 大橋翠石筆 明治40年(1907年)
絹本水墨淡彩軸装 軸先木製 合箱 
全体サイズ:横*縦 画サイズ:横500*縦1300



左が改装前、右が改装後です。



専門的には「分類B.中間期:1910年(明治43年)~1922年(大正11年)46歳~58歳 第1期」に分類されます。

作風は「分類A.青年期から初期 :1910年(明治43年)夏まで」に近いですが、落款が「中間期:1910年(明治43年)~1922年(大正11年)46歳~58歳」の作品です。巻止には明治40年作と書かれています。明治43年まで「点翆石」という定説なのですが・・・・?? これは後学としましょう。



「贋作を真作とするのは他人への売買が関わらない限り「御愛嬌」、真作を贋作とするのは罪悪と心得よ。」という金言がありますから、真作の可能性のある作品は大切に遺しておきます。他のいくつかの贋作と明らかに判断できた作品は処分しました。

ともかく骨董の世界は宇宙のように広い・・。



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