夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

お気に入りの皿 南京赤絵 柳下漁人物文角皿 

2022-01-28 00:01:00 | 陶磁器
我が家では家事の役割がだいたい決まっています。掃除・片付けは小生。料理・洗濯は家内、戸締りは義母、そして息子は小生のワイシャツのボタン付け・・・。



本日紹介する作品は、今から350年くらい前の中国明時代末期から清王朝初期に掛けて景徳鎮の民窯で作られた南京赤絵と思われる作品です。当時の主要な輸出品で西欧諸国に売った作品は壷や花生けや蓋ものなど大作が多いとされますが、日本に輸出したものは茶道具、あるいは鉢や小皿中皿などの食器が多いとされます。



お気に入りの皿 南京赤絵 柳下漁人物文角皿 
誂箱
最大幅138*最大奥行137*高台約90角*高さ26

デザインも日本人好みの余白を十分とった絵画的な構成になってます。作品の縁は鉄釉いわゆる口紅というもので隈取してあり、これは古九谷と同じように胎土の質の悪さを隠すための南京赤絵の手法とされています。



寸法において1辺20センチで中皿程度からは数が少なく高価とされ、1辺12センチの本作品と同じようなサイズの皿だと廉価となるとされています。ただし、評価はあくまでも作品のサイズもさることながら、絵を主体とした出来が評価のポイントとなります。本作品は絵の出来が他の作例の比して抜群に良いものとなっています。



日本画でいうなら田能村竹田のような洒脱な絵となっています。



なんらかの日本からの見本の絵があって依頼されて作ったのかもしれません。たんに南京赤絵や天啓赤絵だから評価が高いという風潮が近年までありましたが、やはり絵の出来不出来できちんと評価すべきでしょう。南京赤絵や天啓赤絵の作品でも絵があまりにも稚拙な作品で評価を成さない作品が多々ありますね。そのためか近年では南京赤絵や天啓赤絵の作品は価格的にずいぶんと入手しやすい金額となっています。



このような評価のポイントを記した説明とともにこの作品は後世に遺していきます。

下記の写真は最近入手した南京赤絵の2作品です。



下記は南京赤絵と天啓赤絵の違いの比較です。



ともかく絵付けが愉しめる作品であることがこの時代の赤絵の真骨頂であり、市場に溢れているあまりにも下手な(下卑た)絵の作品(南京赤絵や天啓赤絵、古染付)はNGですね。




最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。