夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

江戸期古三田青磁 花鳥陽刻文四方高台鉢

2012-02-07 06:06:15 | 陶磁器
本日の作品は借家のマンションの玄関にハンコ入れとして使っています。

青磁としては実に不完全な作品です。しかしながら堂々とした存在感はどこから来るのでしょうか?



江戸期古三田青磁 花鳥陽刻文四方高台鉢
縦153*横153*高さ90*底径105



四隅に変化を持たせ四方形に模った、木瓜形の切窓を配した高台の品格ある器形、器側面に花や鳥の姿、唐草の陽刻文様を施し、沈んだ落着きある釉調の青磁釉をたっぷりと施釉・焼成した時代感・趣きたっぷりの一品です。



まだ30代の頃、仕事で出張の折、時間外に余裕があると骨董店を事前に探しておいて見て歩いたものです。小遣い程度で買える作品で良さそうなものを見つけては購入し、ドキドキしながら帰りの飛行機や電車の中で包みを開けてみたものです。

今もその興奮に変わりはありません。よい作品を見つけた時にはドキドキします。違うのはきっと審美眼が、少しずつですしょうが高いレベルになりつつあるということであろうかと思います。ただし当然ながら、資金が追いつかないことが多いので、本作品のような手ごろな値段でいいものはないかと探しています。

資金力がなくて入手できなった作品は未だに鮮明に覚えています。横山大観、上村松園、高村光雲、片岡球子、加藤唐九朗、棟方志功・・、恐れ多い大家たち、好きでもない人に嫁いでいってしまったようなそんな複雑な心境です。いまでも資金があればと思っています。

そのような作品と出会えるのは、相続の時などが多いのですが、その渦中の作品はたまったものではありません。その間、かなりの長い間手入れはされず、過大評価、過小評価?されて全くのちんぷんかんぷんの人の手の中に納まります。どうなる事やら。

金銭的な価値でしか評価しない人は所蔵する資格はないのです。日本人はもっと、日本の文化の価値を勉強する必要があると思います。美術館の浮世絵など外国人より理解が足りず、ちんぷんかんぷんな説明をデートしている相手の彼女にしているバカな男のなんと浅はかなことか




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