夜噺骨董談義

収集品、自分で作ったもの、見せていただいた品々などを題材に感想談など

虫の音 伊東深水筆 その6

2020-10-27 00:00:00 | 掛け軸
先週末はちょっとお出かけ・・。



さて伊東深水は美人画家として著名ですが、花鳥画にも優れた画家でもあったようです。深水は美人画家の枠から脱皮すべく種々の葛藤から優れた作品を遺しており、そのひとつに花鳥画が挙げられますが、美人画の背景によく花草の絵が描かかれるなど、脇役的な画として伊東深水の植物を描いた作品は、それほど評価は高くなく市場では評価されているようです。



ただ花草を描いた作品の品格の高さは他の画家と一線を画すものですね。



虫の音 伊東深水筆 その5
絹本着色絹装軸 軸先象牙 太巻共箱二重箱
全体サイズ:横630*縦1350 画サイズ:横470*縦440



草花を描いた作品は、お値段が手頃ということもあり、美人画よりも花を描いた作品のほうが当方では美人画よりも作品数が多くなっています。



独特の筆致で描かれています。



伊東深水は草花を描いた作品には賛や句を添えることが多いようです。



いい作品を飾ると他の作品はどうでもよくなるとい怖さが蒐集にはありますね。



そういう作品は表具もそれなりの作品が多いようです。



「虫乃音を □□て嬉しき 庭づたい」という俳句の添えられた伊東深水の佳作だと思います。

 

共箱付であり、落款から晩年の作か?

 

当方には伊東深水の花を描いた作品は他に下記の作品があります。

今朝の晴れ 伊東深水筆
絹本着色絹装軸 軸先象牙 太巻共箱二重箱
画サイズ:横557*縦410



太巻で保存されている作品です。



花 伊東深水筆
紙本淡彩額装 270*400

本作品は画帖から外した作品とのこと。落款から同じ画帖から外したと思わ、昭和14年(1939年)4月9日京都大球院にて42歳のときに描かれたものと思われるが詳細は不明です。



清元小唄と花 伊東深水筆
紙本淡彩額装 タトウ 
画サイズ:縦270*横400

「花」と同時に入手した作品です。

賛にある「清元」とは清元節のことで、浄瑠璃節の一派。延寿太夫を祖とし、文化(1804年~1818年)頃に始まる。曲節は大衆的です。

賛は「清元小唄 桟橋や船は屋根ぶね 佃節 是非に御見とかいた文 まだ後舟の日和下駄 うれしい首尾の仲町で 一声聞いたき時鳥(きつつき)」とあります。

*佃節とは下座音楽の1つで、隅田川や深川付近の場面に、歌とともに船のさわぎに用いられました。



菖蒲図(カレンダー原画) 伊東深水筆 
紙本水墨軸装 伊藤竹香堂京表具 軸先象牙 合箱二重箱
全体サイズ:横393*縦1200. 画サイズ:横236*縦262



陶磁器への絵付けでは下記の作品を所蔵しています。

秋花絵付湯呑 伊東深水筆
共箱
口径96*胴径*高台径57*高さ119



下記の作品は資金調達のために売却処分した作品です。

素描花 伊東深水筆
紙本淡彩 額装 濱田台児シール 
全体サイズ:縦*横 画サイズ:300*290



多方面からのいろんな作品から情報を仕入れていますが、まだまだ・・・ 

今まで基本的に日曜日を除く毎日作品を投稿してきましたが、来週からは不定期の「心の赴くまま」の投稿とさせていただきます。そろそろ投稿する作品の数が少なくなってきたことと原稿作成のための時間が思うようにとれなくなったことに起因します。読まれている方には申し訳ありませんが、不定期ながら時間の許す限りでご付き合いください。


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