
名前は辺土名だが、場所は大宜味村にある。

辺土名高校から北に6キロほど行った国頭村にある辺土名商店街
昨日のバレーボール女子の試合はシビレた。
どっちが勝ってもおかしくない競った試合だった。
果敢に拾って攻めた日本選手の平均身長は176センチ。
バレーボール女子のオリンピック参加国の中では一番低いと言われている。
その言葉を聞いて、すぐに思い浮かんだのが辺土名高校のバスケット部の活躍である。
辺土名 ( へんとな ) 高校は、沖縄の北部 ( 山原・ヤンバル ) にある高校である。
その高校が、1978年山形インターハイで全国3位になり、一躍脚光を浴びたのである。
その快挙に、人はこれを 「 辺土名旋風 」 と呼んで称えた。
その活躍を当時の沖縄タイムスはこう書いてある。
見ている方も、プレーしている方も、どんなに痛快だったことだろう。
ビュンビュンとリズムよくコートを駆け巡り、パスを回し、
面白いようにボールをゴールに沈める。
スタメン5人中、3人が160センチ台、
一番高い選手も、相手チームの一番低い選手より3センチ小さい。
平均身長は参加チーム中、男女合わせて下から3番目程度という
「 小さな 」 辺土名高校男子バスケットボール部が、
山形県インターハイで全国3位となる快挙を遂げた。
小さくても勝てる。
スピードと抜群のシュート力で低身長をカバー、
高さに頼りがちなイメージを覆し、沖縄のバスケを鮮明に印象づけた。
文字通り “ 小兵 ” たちの大奮闘に、会場の山形県体育館は熱狂した。
テレビカメラがずらりとコートを取り囲み、
マスコミはドリブルの速さを 「 超音速 」 とまで表現。
大会本部は高校総体始まって以来という 「 敢闘賞 」 を与えたほどの衝撃だった。
当時のことを新聞がこのように伝えている。
いかに衝撃的だったか、身長の高いのが絶対有利のバスケットで、
彼らは旋風を起こし、さらに、その後のバスケット界を大きな影響を与えた。
昨日、小兵ながら銅メダルを掴み取った日本バレーボール女子の戦い方は、
辺土名高校のバスケットと同じように、
今後のバレーボールの戦い方を変えるだろう。
身長では負けていても
彼らや彼女らには負ないものがある。
それは
小さな者特有の素早い動きに加え
毛利元就の
三本の矢の如く
結束した力を発揮する
連携というチーム力である。