Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

鋼の如く頑丈で、革よりも

2005-01-25 | 生活
強靭で、犬のように機敏に、と云うのがナチス・ドイツのエリート学校「ナポラ」の合言葉であった。現在上映中のナチ・コスチューム映画は、1933年のヒトラーの誕生日の祝いに設置されたこの幼年学校を描く。軍国少年育成機関の奔りであるようだ。

「このような男性の神話が現実において持ちこたえた事は未だ嘗てない」というのがここで既に紹介した地元男性専門医の主張である。男性の更年期は、女性に比較すると顕著でなくそれゆえに自信喪失や無気力感、将来悲観などを生み中高年の自殺の原因となっているという。男性の更年期は副腎機能ホルモンの関係に帰着するようである。

バルティモアの40年間に渡る長期エージング調査によると、男性の加齢は個人差が大きく従来のユニセックスな医療では対応出来ないと主張する。そもそも男性専門医として存在する分野は、前立腺、睾丸周辺の泌尿器科の担当となっている。それでは全く男性特有の「倦怠」、「無気力」、「関節筋肉痛」、「集中力低下」、「性欲低下」などの症状は、誰が対応するのかという質問をこの男性専門医は呈する。ここで「インデアンは嘘つかない。」ならず「インデアンは痛みを知らない。」という言葉が挙がる。これは、男性は幼少から痛みを堪えるように躾けられているという事を意味する。こうして、思春期から少女は常に婦人科のアドヴァイスを受けるのに比べ、少年から死に至るまでの配慮の欠如を平均寿命の相違に関連させる。そして男性は女性以上にストレスに曝されて、抵抗力もない。

医学部において現在は40以上の(臨床?)専門分野があり、50年前までは例えば外科において、緊急と一般外科の二つにしか分かれていなかったことを挙げる。故に今後男性専門医を名乗るには、内分泌、泌尿器、心理学を学び、更にスポーツ医学、栄養学、行動学の知識が無ければいけないだろうと提言する。医療保険についても、近々治療費にではなく予防医療費に支払われるようになると推測する。

最近は、災害に対しての保障や援助よりも被害の予防に対して予算が組まれる傾向がある。経済的効果は、同金額でも成功すれば十二分に回収出来る。こういう先行投資がポスト工業化時代の高齢化社会に向けての妙薬となるのだろうか。



参照:素裸が雄弁に語らないもの [ 文化一般 ] / 2005-04-21
コメント (2)
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