Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

新年の門付け

2005-01-06 | 
一月六日は御公現の祭日またはエピファニーとして、バーデン・ヴュルテンベルク、バイエルン、ザクセンアンハルトでは休日である。このキリスト生誕から12日目に当たるこの祭日は、四世紀まで12月25日のクリスマスと分かれていなかったらしい。元々多神教的な祭日で、時間と永遠の神アオンスの生誕もしくはディオニソスが水をワインに変えた日といわれる。それがキリスト教化してキリストの洗礼とカナの奇跡の日となった。ヨハネスによる福音2.1の「カナでの婚礼」でワインが空になったので水瓶のいっぱいの水をワインに変えた奇跡が記されており、それを味見をした責任者は「だれでも初めに良いぶどう酒を出し、酔いがまわったころに劣ったものを出すものだが、.....」と語る。

マタイオスによる福音2.のヘロデウス王の下に現れた東方からの「三人の占星術の学者」の話を「三人の王の祝日」と云うようになった。この遺骨は、1164年にミラノからケルンへと移されて巡礼の対象となった。この特別な星の下に生まれた男の子を探し当てる三人の天体観測と行動を、現在も行われているダライラマ探しに重ね合わせる向きもあるようだ。この三人はカスパー、メルヒオール、バルターザーと名づけられて、其々の世界の地域担当が定められた。各々アフリカ、欧州、アジア地域となる。

この祭日に向けて、子供たちが王になり大きな星を持って家々を訪ね歩き歌って門付けをする。これが何とも可愛らしいので毎年楽しみにしているのだが、昨日数年ぶりに都合がついた。新年の祝福を受ける。比較的簡素で凝らない衣装が形式に拘らない門付けで良かった。子供たちの少し緊張した余所行きの表情と垣間見せる無邪気な表情の落差に、大人は大きな満足感と幸福感を感じるのである。この活動をシュテルンジンガーと呼ぶが、今年は津波被災地への献金も聞いている。門つけの印に玄関や門にC+M+Bと年号を書いていってくれる。これは<Christus mensionem benedicat>と読み「キリストがこの家を祝福する」という意味だ。しかし普通は上の三人の王の頭文字をこれに当てる。残念ながら白墨で白い石のアーチには書けなかったので、門塀に新しく書かれた。生憎小額紙幣がなかったので少し大きなのが出て行ってしまって懐が痛かった。子供たちへの感謝の気持ちを込めて、外食一食ぐらいは我慢しよう。
コメント (12)
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