Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

咽喉許過ぎても

2005-02-23 | ワイン
レチーナを再び飲んだ。前回は夏にお土産として貰ったので、清涼感を楽しんだ。今回は冬なので開けるのを躊躇っていたのだが、ギリシャの山羊のチーズと野菜のグリルに合わせてみた。結果は、如何しても冷やした液体が少し食道から胃に沁みる。決して潰瘍ではないはずだが、酸味がない分冷たさを感じるのである。辛口リースリングのように酸が強いと、既に口元から緊張してしまって、胃に達するまでの全ての経路が何処彼処警報を鳴らしながら用心をする。

それに較べるとこのようなワインが口に入っても、要注意の情報は送られない。だから冷たい水を突然飲んだときのような痙攣状態を食道が起こす可能性がある。冷たい液体は、消化器の内壁を突然通り過ぎて行く。ドミノ状に鳥肌が立つように、食道から下へ下へと流れていく。


古代ギリシャの味付け
 2004 08/12 編集

ギリシャの白ワインレチーナは元々アテネ近郊の特産である。松脂を混ぜてあるので、味に独特なトーンが加わる。今回、お土産として現地より運ばれた栓付きのハーフリッター瓶は、このワインに対する評価を著しく変えさせてくれた。どちらかというと悪酔いをさせかねないこの特徴も、辛口にスッキリと調合されていると美味い。特にぐっと冷やして飲むと、ビターな味となって清涼感を盛り上げる。当地では、コーラや水で割るという。甘みなく仕上げられたこの飲料は、ビールよりも後味が良く、ラムやニンニクなどの味付けの強いギリシャ料理にも最高に調和する。

古代ギリシャ時代にワインの保存や輸送を考えて、色々と試みられたようだ。そこで壺のワインの上から脂油をたらし蓋をすると保存状態が良いことが分かった。酸化を防止するのだろう。こうして出来上がったワインは、ウゾに並ぶギリシャの伝統的な飲料となる。折から彼の地で開かれるオリンピックTV観戦をしながらひっかけると大変おつなものである。青い空の下で繰り広げられる肉体の祭典が眩しい。
コメント (2)
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