このところ、今冬で最も多く雪が降っている。温度が高いので、今更根雪とはならないが積もる。明日までにまた新雪を得たなら「近くの山での初スキー」を試してみるのも好いかもしれない。昨晩は、フランクフルトのアルテオパーで例会があったので午後六時前に車を出した。雪が石畳に数センチ乗っているだけなので、地面に定着していない。車庫から頭を出してブレーキを踏むとその雪の層毎滑った。緩くブレーキを踏んだためかABSは効かなかった。もう少し噴かしていたら前の車に突っ込んでいた。出だしから怖い思いをすると、どうしても慎重になる。
出来るだけ雪の開いている経路を辿って、やっとパリからニュルンベルクへと抜ける幹線アウトバーンへと出た。そこは大抵、除雪も早めに行われており、走行量と速度から比較的路面の温度が高い。外気温、零下2度ぐらいならば凍結は殆んどない。しかし相変わらずの雪模様なので視界が悪く、速度150KMぐらいで巡航した。速度を抑えると、ついつい他の事をしたくなるのが常で、ハンドフリーで電話を掛けた。ドイツの交通法規では、携帯電話は車のエンジンがかかっている限り駐車中でも御法度である。だから車内で電話を使う場合は、ハンドフリー装備が必要条件となる。暫くすると、ブルーの点滅灯が左前方に動いているのが見えた。ゆっくりとした左カーブになっていたのだろう、反対車線にあるようにも見えた。そのまま会話を続けていた。ところが実はそれが追い越し車線上に停止しており、目前へと迫ってきた。反射的に、減速しながら本線へと方向指示と同時に車線変更した。大型トラックの鼻先へと辛うじて出たようであった。二台の乗用車の事故を横目に、二台の救急車両を無事に遣り過した。会話は相変わらず続けていたが、流石に中断した。
ラジオを触って痛い目にあったことはあったが、電話に気にとられててというのは想像すらしていなかった。10年近く反則点数が付くようなこともなく、慎重に運転している。昨晩も、雪や凍結による路面状況に必要以上に気を囚われていた。だからその拘束から開放された時に気の緩みがあった。事故は、決して注意していれば起きないものではない。
同様な例を挙げよう。日本に滞在して、そこの左側通行を経験した駐在経験者の話である。彼は、その滞在期間中、右側通行から左側通行への転向に留意していた。そこで間違いを犯すことは一度も無かった。そして数年の駐在を無事終えて帰国した。日本でもそうであった様にそして嘗てそうであった様に、奥さんを隣に乗せて、勝手知ったる界隈で車を走らせた。左折してアウトバーンに入ろうとした時だ、奥さんは叫んだ。「逆走!」。アウトバーンの出入り口では、こうして死亡正面衝突事故がしばしば起きている。
フランクフルトへと更に車を走らせると、片側四車線の大幹線道路となる。対向車線でも雪のため事故が発生して救急車両がブルーの灯を点滅させている。上の事故現場でもそうだが、カーブした下り坂から直線道路または二車線道路からまたは四車線道路への道路条件の好転と、川沿いや風向きなどの部分的な悪条件が交差する地点で事故は起きているようだ。
出来るだけ雪の開いている経路を辿って、やっとパリからニュルンベルクへと抜ける幹線アウトバーンへと出た。そこは大抵、除雪も早めに行われており、走行量と速度から比較的路面の温度が高い。外気温、零下2度ぐらいならば凍結は殆んどない。しかし相変わらずの雪模様なので視界が悪く、速度150KMぐらいで巡航した。速度を抑えると、ついつい他の事をしたくなるのが常で、ハンドフリーで電話を掛けた。ドイツの交通法規では、携帯電話は車のエンジンがかかっている限り駐車中でも御法度である。だから車内で電話を使う場合は、ハンドフリー装備が必要条件となる。暫くすると、ブルーの点滅灯が左前方に動いているのが見えた。ゆっくりとした左カーブになっていたのだろう、反対車線にあるようにも見えた。そのまま会話を続けていた。ところが実はそれが追い越し車線上に停止しており、目前へと迫ってきた。反射的に、減速しながら本線へと方向指示と同時に車線変更した。大型トラックの鼻先へと辛うじて出たようであった。二台の乗用車の事故を横目に、二台の救急車両を無事に遣り過した。会話は相変わらず続けていたが、流石に中断した。
ラジオを触って痛い目にあったことはあったが、電話に気にとられててというのは想像すらしていなかった。10年近く反則点数が付くようなこともなく、慎重に運転している。昨晩も、雪や凍結による路面状況に必要以上に気を囚われていた。だからその拘束から開放された時に気の緩みがあった。事故は、決して注意していれば起きないものではない。
同様な例を挙げよう。日本に滞在して、そこの左側通行を経験した駐在経験者の話である。彼は、その滞在期間中、右側通行から左側通行への転向に留意していた。そこで間違いを犯すことは一度も無かった。そして数年の駐在を無事終えて帰国した。日本でもそうであった様にそして嘗てそうであった様に、奥さんを隣に乗せて、勝手知ったる界隈で車を走らせた。左折してアウトバーンに入ろうとした時だ、奥さんは叫んだ。「逆走!」。アウトバーンの出入り口では、こうして死亡正面衝突事故がしばしば起きている。
フランクフルトへと更に車を走らせると、片側四車線の大幹線道路となる。対向車線でも雪のため事故が発生して救急車両がブルーの灯を点滅させている。上の事故現場でもそうだが、カーブした下り坂から直線道路または二車線道路からまたは四車線道路への道路条件の好転と、川沿いや風向きなどの部分的な悪条件が交差する地点で事故は起きているようだ。