紅露の写真日誌…北の大地・夢空間

小樽・札幌の風景、イベントが中心

クロス現像とは?

2009-03-25 00:05:00 | フィルム
今回はクロス現像について取り上げてみましょう。初めて耳にされる方もおられるかもしれませんね。
通常、ネガフィルムは、C-41という方法で、そしてポジフィルムはE-6という方法で現像処理されます。ネガの場合には補色で反転した画像が現れ、ポジの場合は、スライド用の画像が現れます。

これを敢えて、ネガフイルムをE-6で、ポジフィルムをC-41で現像することを、クロス現像と呼んでいます。そうすると、ネガフィルムで撮った画像はスライド(ポジ)になり、ポジフィルムで撮った画像は、ネガになって現れます。
少しややこしくなりましたが、現像方式が、違っても(クロスしても)画像が現れるということです。

通常は、ポジフィルムを、ネガ現像することが多いようです。極めてコントラストの強い画像になります。
標題の画像は、美瑛のマイルドセブンの丘をポジフィルムで撮影し、ネガ現像(クロス現像)して、CDに取り込んだものなのです。(EOS7+TAMRON20~200XR+コダックダイナハイカラーEBX)

上記の画像を、通常撮影した下の画像と比較してみてください。色調に偏りがでて、コントラストが著しく高いことが分かります。(FUJI Fine Pix F11 1/240 F3.2 WBオート ISO100)



なぜクロス現像をするかというと、コントラストの強い、予想もつかないような画像が得られるからです。同じポジフィルムで撮影しても、その時によって色調などに違いがでてきます。また、ポジフィルの種類によっても微妙に違いがでてきます。そこに面白さがでてきます。

最近は、若い人を中心に、ロモやホルガで撮影したトイカメラ風写真が流行っておりますが、クロス現像も、一種のトイカメラ風といえるかもしれません。

いくつか撮影事例を挙げておきます。下左は、小樽運河を撮ったものです。寒い日で運河に蓮氷が見えます。青がきつく出ています。(オリンパスOM-4+ズイコー35~70mm+コダックエリートクローム100・EB-3)
右下は、アグファのフィルムで撮影しました。(オリンパス35RC+AGFAプリシーザ100)人物が黒潰れしてしまいました。




更に下の一枚は、小樽運河に近い、ガラス工芸品の多く立ち並ぶ堺町通りにあるコロッケ屋さん(金賞コロッケの幟が目印)です。標題で取り上げたマイルドセブンの丘と同じフィルムを使いました。ただし、こちらのフィルムは、Kodak Elite Crome Extra Color(EBX)といって、旧Dyna High Colorのバージョンアップ版です。



ハイカラーもエクストラカラーも、同じ発色をします。黄色とグリーンかぶりが大きな特徴です。
なお、クロス現像は、デジタル撮影でも可能なんです。Photoshopの「イメージ」から「色調補正」を選び、更に、「トーンカーブ」を開きます。そこでプリセットの中の「クロス現像」をクリックすれば一発でOKです。最後の画像が、そうして出来上がったものなんです。画像は前回取り上げた、「鶏の卵」、いえ「タンポポの綿毛に付いた水滴」なのです。

 

最後になりましたが、クロス現像は一般のDPE店では取り扱っておりません。東京の堀内カラーとか、厚木市の厚木カラー現像所などで取り扱っております。安いところでは、現像のみ一本(36枚撮り)600円(郵送料別)くらいです。

運河近くの「金賞コロッケ」は、壁紙.COM 写真部仲間のCムツミさんお勧めのお店です。

 
コメント (10)
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