
懸案の池のクリーナーの掃除をする。
ついこの間までの春の陽気は跡形も無く、すっかり本
来の冬に戻り0度の中の作業となった。
もう少し春でほしかった。
四日ばかりモーターを停止しただけなのだが、フィル
ターにたっぷりたまった泥は、酸欠状態になり硫化水
素系の臭いを発していた。
色も、普段はこげ茶色なのだが黒に近い。
酸欠状態なので予想はしたが、「トビケラ」は全て死
亡していた。
たった数日ポンプが回ってないだけでこんな状態にな
るのか、と自然のメカニズムの不思議に触れた思いで
ある。
汚れがひどいので何度も何度も濯ぎ、たっぷりの水を
持ち上げては捨ての作業は、結構な肉体労働となった
が、今のところ腰には来ていない(こういうのは、何
日かした頃来るので油断は出来ない)。
その後、久ぶりにレンタルビデオ屋に行く。
天気も良いので歩いていくことにした。
店までの距離は、2,5キロほど。
完全防備で歩き出す。
こんな中歩いている人間は少ない。
見かけるのは人間ではなく、カルガモの方が圧倒的に
多い。
店までの道は、はっきり言って面白い道ではない。
どこにもありそうな、田圃と新しい住宅の田舎の郊外の
ありふれた風景である。
店に着いて物色。
「トウキョウソナタ」でもあれば借りようと思ったが見
つからない。
結局、北野武の「監督ばんざい」、ウェス.アンダーソン
の「ダージリン急行」、ジュリアン.シュナーベルの
「潜水服は蝶の夢を見る」の三本を借りる。
さて、どこかで一休みしたい。
通りにある店は、これも典型的な郊外にある店ばかりで、
あるのはファミリーレストランにファストフードの類。
別に何か特別なものという気分ではないので、本日は
そういう店で充分だ。
ということで、すかいらーく系のピザを中心としたフ
ァミリーレストランに行く(名前は忘れた)。
ファミリーレストランも相当久しぶりである。
ここで、「プレーンピザ」と「フィッシュアンドチッ
プス」、そして「生ビール」を頼む。
時間はまだ午前中だが、「生ビール」を飲みたかった
のだ。
浅草の裏通りでもないから、この時間にビールなど飲
んでる人間はまずいないだろう。
非常に背徳的な気分であるが、それが結構快感でもあ
る。
周りは、おばさん中心の九割方女性客。
どう考えても浮いた存在だ。
しかし、「プレーンピザ」も「フィッシュアンドチッ
プス」もビールには良くあった。
居酒屋感覚で使えば、こういう店も使える。
しかも、その気になれば午前中から。
何だか、ちょっとした白昼夢のような出来事であった。