カフェのT君に借りたCD、ロバート.ワイアットの「The
end of an ear」というのを聴いている。
1970年製作の古いアルバムなのだが、当時の音楽
状況、つまり充実したロック環境もあり、なかなか聴
き応えのある、今聴いても充分新鮮で刺激的なアルバ
ムとなっている(前衛ジャズ的、現代音楽的な要素が
詰まった)。
流石プログレッシブ野郎のT君である。
こちらの知らないアルバムをいろいろ提供してくれる。
ロバート.ワイアットは「ソフトマシーン」の一員だっ
たということらしいが、これまでは名前は知っているが、
という程度の認識だったが、これで完全に認識された。
何故か、ジョン.ウェットンと混同していたが、これ
からは大丈夫であろう。
兎に角最近は、特に人の名前に関して、流入より流出
の方が勝っているので、定着させるのに一苦労だ。
それでT君は「カフェ コクトー」という、個人的に
も、前々からその名前に惹かれ、ちょっと関心のあっ
たカフェでランチを食べてきたと言う。
内容を聞くと、「所謂カフェ飯ですよ」と言った。
名前にコクトーなんてつけるからには、当然ジャン.コ
クトーに何らかの関心があるのだろうが、その辺のこ
とを聞くのを忘れてしまった。
ランチの内容しか聞いてなかった。
付け合せに、インゲンと茸があったが、それって「クリ
ヨー.ド.ヴァン」の定番じゃないかとこちらが言うと、
でも、「クリヨー.ド.ヴァン」の付け合せのほうが美味
しいですよ、とT君が答える、そんな会話しかしなかっ
た。
いずれにしろT君としては「クリヨー.ド.ヴァン」の
方がお気に入りのようである。
そして再び話題は音楽に戻った。
「このロバート.ワイアットのアルバムにマイルスとそっ
くりな部分があるんだよ」(私)
「そうなんですか」(T君)
「それでどっちが先かと思って調べたら、ロバート.ワ
イアットの方が二年早かった」(私)
「何ですかそのアルバムは?」(T君)
「オン.ザ.コーナーっていうアルバムなんだけど」(私)
「なんだか凄いメンバーが参加してる頃の?」(T君)
「そうそう、チックコリアとかハービーハンコックと
かジョンマクラフリンとかね」(私)
「ジャズとロックが接近してきて強力な磁場が発生し
た時代ですね」(T君)
「上手いこと言うね、座布団一枚、尤も似ていると言っ
てもほんの一部で、多分偶然の産物だと思うよ、何と
言っても同じ磁力を受けていたわけだからそういうこ
ともありうる、ということじゃないの」(私)
「でも、僕はマイルスは聴いてないですからね」(T君)
「ビッチェズ.ブリューもまだだっけ?」(私)
「ええ、まだ聴いてないです、買おうと思った時二枚
組みで3500円だかしてやめたんです」(T君)
「ビッチェズ.ブリューはロバート.ワイアットより
は前だと思うし、マイルスのフュージョンの真髄も分
かるし必聴だね」(私)
ということで「ビッチェズ.ブリュー」をT君に貸し
た。
ついでにスノッブなM氏からもらった「UA」と「菊池
...」の競演アルバムも。
T君は「UA」のコンサートに行く予定があるのだ。