このところ、熟睡できたと思う日が殆どない。
全くないと言ったほうが良いかもしれない。
必然的に、夜中に目が覚めることが多くなる。
と、どうするか。
取り敢えずテレビを付ける。
BSでヨーロッパ辺りの風景を流してれば、ちょうど環
境ビデオ代わりになって見るには良い。
それがないと、映画だ。
殆どしょぼい映画だが、こちらも期待値は高くないの
で質は全く問わない。
その他だと、シリーズ物の「24」とか「プリズンブレ
イク」なんかだとこういう条件の時にはぴったりだ。
まあ、それなりに良く出来ているから。
では、何故条件付なのか。
それは、真剣に見ると、うんざりする可能性があるから
だ。
どちらも、ストーリー展開は上手い。
思わせぶりな人物、次から次と押し寄せる危機、そこ
に挿入される取ってつけたような個人の苦悩(全くい
らないと思うが)、そして一回ごとのその思わせぶり
な終わり方。
次を見たくなるような作りになっているのだ。
しかし反面これは、「あざとい作り」とも言える。
「プリズンブレイク」などかつての「逃亡者」と殆ど同
じだし、基本をしっかり押さえているが、どうも弄ばれ
る視聴者という言葉が浮かんでしまう。
作り手側の意図が見え見えなのだ。
「24」などは、シリーズをシーズンと言い換え、差
別化を図っている、ひょっとしたらこれは、見るほう
に特権的な意識を持たせる効果があるのかもしれない。
いずれにしろ、調子に乗って作り続けている。
確かに、1は、そのアイデアの面白さで(24時間の
出来事を一時間毎リアルタイムで描くという)面白く
見られる。
シナリオライターの勝利である。
評判となれば当然2を作る。
今度はお金をかけられるので、スケールが大きくなる。
その分面白さは増す。
そしてまたまた好評を博す。
当然次は3だ。
この辺りになると、また同じつくりか、と飽きはじめ
る。
或いは、そもそも24時間でこれだけのことが起こる
はずもない、とその前提そのものに疑問を感じ始める。
しかし、世の中には飽きない人間も多い。
次はなんだ、と期待を抱き続ける。
4、5とシリーズは続く。
受け取る側の態度によって、楽しめるか楽しめないか
決まるのだが、これらのシリーズ物は、やりすぎると
うんざりするものなのだ。
基本的には、新聞や雑誌の連載小説みたいなもので、
見始めると次が気になる。
その気になる部分を濃縮強調するわけだが、そこには
程度というものがある。
だから、話は最初に戻るが、真剣に見ると馬鹿馬鹿し
くなる可能性があるので、深夜の朦朧とした状態で見
るのがちょうどということになるのだ。