「荒川修作」が亡くなったと思ったら今度は「デニス・ホッパー」が。直接は関係ない二人であるが、共に現役であり、かたや現代美術家かたや映画俳優として活躍していた。しかし、同じ年代で、しかもデニス・ホッパーは現代美術コレクターでもあったから、ひょっとした何らかのつながりがあったかも知れない。
荒川修作の「養老天命反転地」はなかなか面白く、あの空間ならではの奇妙な感覚を味わえる貴重な施設というか作品である。他の作品でも感じたが、作品の中に溶け込むという経験は他では味わえない彼独自の世界だ。近くにあったら何度でも通うだろう。村上隆なんかと比べると遥かに「芸術家」だと思うが。
一方デニス・ホッパー。監督作品の「イージーライダー」は、当時より今見た方がその面白さが実感出来る。当時は話題先行で、反逆のムードだけで見てたような気がする。そして監督二作目の「ラストムービー」がこれまた問題作というか、全編ドラッグでやられたような映像が延々と続く一般の言うところの訳の分からない映画だ。改めて傑作かと訊かれると、そうとは答えられないが、変な魅力のある映画であるとは思う(一応、ビデオで所持している)。もう少し監督としての評価は与えてもいいとは思うが、どうもちょっと異常な役をやる性格俳優という印象ばかりが強い。実際確認してみると、とにかくその出演映画の多さにびっくりする。しかも、映画を選ばない。B級どころかC級映画にも端からという印象だ。そんなB級の中では「アメリカンウェイ」と「スペーストラッカー」は好きである。他人に勧められるような良い映画ではないが。