ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

荒川修作 デニス・ホッパー

2010年05月31日 | 芸術


「荒川修作」が亡くなったと思ったら今度は「デニス・ホッパー」が。直接は関係ない二人であるが、共に現役であり、かたや現代美術家かたや映画俳優として活躍していた。しかし、同じ年代で、しかもデニス・ホッパーは現代美術コレクターでもあったから、ひょっとした何らかのつながりがあったかも知れない。

荒川修作の「養老天命反転地」はなかなか面白く、あの空間ならではの奇妙な感覚を味わえる貴重な施設というか作品である。他の作品でも感じたが、作品の中に溶け込むという経験は他では味わえない彼独自の世界だ。近くにあったら何度でも通うだろう。村上隆なんかと比べると遥かに「芸術家」だと思うが。

一方デニス・ホッパー。監督作品の「イージーライダー」は、当時より今見た方がその面白さが実感出来る。当時は話題先行で、反逆のムードだけで見てたような気がする。そして監督二作目の「ラストムービー」がこれまた問題作というか、全編ドラッグでやられたような映像が延々と続く一般の言うところの訳の分からない映画だ。改めて傑作かと訊かれると、そうとは答えられないが、変な魅力のある映画であるとは思う(一応、ビデオで所持している)。もう少し監督としての評価は与えてもいいとは思うが、どうもちょっと異常な役をやる性格俳優という印象ばかりが強い。実際確認してみると、とにかくその出演映画の多さにびっくりする。しかも、映画を選ばない。B級どころかC級映画にも端からという印象だ。そんなB級の中では「アメリカンウェイ」と「スペーストラッカー」は好きである。他人に勧められるような良い映画ではないが。
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携帯 オプション解約

2010年05月30日 | Weblog


携帯のオプション解約の手続きが、やっと完了した。それにしても、解約一つするのに、敵はいくつものハードルを用意していやがる。電話嫌いにとっては、こんなことでも結構な障害なのである。まず相手に直接繋がらない音声オペレーターに拠る案内。次に、それに沿って続けると、肝心の解約に関する手続きはどこを押せばいいのかはっきり分からないようにしている説明。しかも最後に暗証番号までを押させる。この番号、始めに教えてもらってなくて、たまたま向こうからかかってきた時教えてもらったものだ。だから、一瞬何番だったか思い出せなかった。そしてさらに、これは完全に敵のハッタリだと思うが、ただ今大変混み合ってますのでおかけ直しくださいの案内。ここで諦めさそうとしているのだろう、しかし今回は固い決意であった、そのまま待とうと待っていると、直ぐに本丸のオペレーターにつながった。やはり仕掛けであったかと確信した。ここからはやっと人間相手で、後はスムーズに進んだ。全く、面倒くさい仕掛けを用意してくれたものである。最後に何かご意見は?と聞かれたので、最初の時点でオプションは要らないと言ったのにも関わらず付いてしまっていることに関して異議を唱えておいた。手続きをしなくてはと思って三ヶ月、遅攻もいいところであった。
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レンタルDVD

2010年05月29日 | 映画


この前借りたレンタルDVDの内訳は、サム・ライミの「スペル」、韓国映画の「チェイサー」、フランソワ.オゾンの「8人の女たち」、ゴダールの「アワーミュージック」、そしてもう一本は、と今思い出そうとしたら何と思い出せないではないか。まあ、思い出せないくらいの印象の薄い映画だったのだろうと言うことで、この四本について。

一番つまらなかったのは「チェイサー」。実際にあった猟奇事件を元にしたものということだが、それで思いつくのはポン.ジュノの「殺人の追憶」。主人公の破天荒な性格(この映画では元刑事)とか、不気味な犯人を追うストーリー展開とその重苦しい雰囲気とか、かなり似ている(主人公の顔も似ている)。しかし、この映画、あまりに警察が馬鹿すぎたり、展開に無理があったりでかなり杜撰。それとスプラッター映画的表現に頼りすぎ。「殺人の追憶」を100とするならば50がせいぜい。

サム・ライミの「スペル」。これも思ったよりは面白くなかった。個人的なサム・ライミのベストは「キャプテンスーパーマーケット」。

フランソワ・オゾンの「8人の女たち」。この監督は特別好きでも無いが、どの映画もそれなりに出来ていると思う。今回はある館が舞台。殆ど舞台の芝居のような作りで、実際館の敷地外の場面は無く、そこで起こる殺人事件を中心に(実際は違うが)、その真相を究明していくという話を中心に、8人の女たちが繰り広げる人間模様を描くという内容だが、突然ミュージカルになったり、如何にも舞台上の芝居といった嘘っぽい作りを敢えて挿入している。この殺人事件を中心に館内で繰り広げられる人間模様という内容、何かに似ていると思ったらアルトマンの「ゴスフォード.パーク」だった。あっちは8人どころではなく何十人という人間が出てきて、その人間関係を把握することだけでも大変だったが(しかし面白かった)、今回は8人。その点では難しさもなく、それぞれに秘密を抱え徐々にそれが明らかになっていくというストーリー展開が有り、館内という設定に変化は無いがそれなりに面白く見られた(予想通りの展開だったが)。「ゴスフォードパーク」を100とすると75くらいか。

ゴダールの「アワーミュージック」。バルカンを舞台とした民族問題を扱った映画だ。三つの章に分かれたご存知ゴダール形式の映画で、第一章は、殆ど「ゴダールの映画史」のような、映画、哲学、詩、思想の引用のみの断片の集合体で、いつものように物語とは無縁の章となっている。兎に角その引用が多すぎて、一つ一つに引っかかると全く映画に入っていけないのも毎度のことである。ここはその断片の洪水に身をまかせるのが正しい姿であろう。ひとつだけ「キッスで殺せ」の最後の場面が出てきたのだけははっきり分かった。あとの二章三章は、一応普通の映画の体裁を整えているが、これも緩やかな断片の集合体のようなもので、論理的に筋書きを追うという普通の映画の見方をする限り、全く面白くないというか訳が分からない。が、それこそがゴダールの魅力なので、その緩やかな断片の流れに身をまかせるのが楽しむ方法でもある。それにしても「Sans espoir de retour」が「ストリート オブ ノーリターン」か。なかなか意味深である。
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ほうれん草のカレー

2010年05月28日 | 食べ物


「ウスバサイシン」の帰り、蓼科湖畔にさしかかると、期間限定で営業する自然派インドカレーの店「ナタラジ」が営業していた。それで久しぶりに寄ることにした。ここは荻窪や銀座にある店の蓼科店。始めの頃は通年営業だったのが、シーズン以外は全く人のこない蓼科の状況に合わせ、4月から11月位の営業になり、それが5月の連休から9月くらいになり、とうとう連休と、7、8月くらいの営業となった経緯がある。何故、そんなに詳しいかというと、蓼科に来た時寄るには調度いい店で(他にはあまり寄りたい店がない)、寄ろうと思ったら営業してなかった、なんてことが何度もあったのだ。

てことは、今年は連休から夏まで営業する気か、なんてことを思いながら店内に入る。しかしいつものことであるが、この季節の蓼科は連休以外ものすごく静かである。注文したのは「パラク パニール」、ほうれん草とインド風チーズ(パニール)のカレーだ。自然派を売りにしているカレー屋なので肉類は(魚介も)一切ない。最近は、ほうれん草のカレーや豆のカレーと、好きなカレーはすっかりヴェジタリアン系なのでこの店もお気に入りで、中でもこの組み合わせは好きなのだ。

しかし、これは本場系の特徴とも言えるものだが、作り手が変わると味が微妙に変わるのだ。好みのスパイスの使い方が、どうも人それぞれで、しかも、その人間が頻繁に変わるのである。今回も、当然違う人間であった。それで気付いた点は、スパイスの使い方ではなく、まずパニールの状態。いやにチーズの熟成した匂いがするのである。「コンテ」だったら何の問題もないが、パニールの場合熟成させるチーズではなく、基本的に臭いはしない。要するにちょっと鮮度がおちているのだ。いうなれば牛乳が臭うのと同じ現象。暇な時期はこういうことが起こりうる。ほうれん草に関しても、当然冷凍したものだと思うが、全体に香りが乏しい(元々ほうれん草の味はスパイスに消されるのだが)。良い時を100点とするならば、70点くらいの出来か。あと、いやにしょっぱいというのもあった。とまあ、今回はこんな状況であった。
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ウスバサイシン

2010年05月27日 | 生き物 自然


「ウスバサイシン」というのは、薄暗い湿ったような環境に生える野草で、よほど注意しないと発見できない普通にどこにでもありそうな植物である。というのも、自分自身「ウスバサイシン」を確認したのは今回が初めてだったから。このところ毎週のように蓼科に行ったのは、その「ウスバサイシン」のみを食草とする「ヒメギフチョウ」を撮るのが目的だったのだが、一体どこにその繁殖するための「ウスバサイシン」が生えてるのかずっと疑問であったのだ。そしてとうとうその在処の情報がもたらされ確認しに行ってきたのである。植物系には弱いので(なかなか名前を覚えられない)、詳しい人の情報が頼りなのだ。

教えられたところに行くと、確かに「ウスバサイシン」は生えていた。目の当たりにすると、こんな薄暗い所に生えるのかと改めて思う。そして卵は産みつけてられないかと、何枚かの葉の裏を観察するが、その限りでは残念ながら卵は発見できなかった。まあ、これで繁殖場所は確認出来たからよしである。そしてその帰り道、注意して道端を見ながらいつもの散歩道を歩いていると、あるではないか「ウスバサイシン」が。そこは一番頻繁に通る道端である。灯台もと暗しとは、正にこのための言葉である。試しに葉っぱの裏を見てみると、何と卵まで産み付けられていた(写真)。他にも一枚。先程あれほど数があるところで発見できなかった卵は、こんなポツンポツンと生えてるようなところで二箇所、世の中こんなものである、ってか?
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ウロコ壁

2010年05月25日 | トマソン


最近の家は、新建材、所謂ボードを張る家ばかりで面白みに欠けるが、昔はモルタルが殆どなので、経年に拠る変化が期待できる。数十年もたつと思わぬものが出現するから面白い。今回の壁は「ウロコ壁」(或いはハチノス壁)。「なまこ壁」だったら伝統的日本の壁であるが、これはウロコ。しかも一つ一つのウロコがでかい。全体であれば相当巨大な魚であろう(アマゾンの巨大魚も真っ青)。しかしここまではっきり凹凸があると、塗った時点で、「何年か経つと面白い模様が浮き立ちますぜ、旦那」なんて左官職人が施主に言ってる姿が想像できる、か?
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YのDVD

2010年05月24日 | 映画


ゲロゲロ少年Yが、またまた新しいDVDを持ってやって来た。今回も二枚。一つはジャッ.クロジェの「アデュー.フィリピーヌ」、もうひとつはフィリップ.ガルレの「恋人たちの失われた革命」。留まることをしらない購買意欲である。しかも今回もまた渋いところ。レンタルでサム・ライミの「スペル」を見てる場合ではない(評判の割には今ひとつ)、この前借りたストローブ=ユイレもまだ「ルーブル美術館訪問」を見てないし、さっさとこなさないと溜まる一方だ。まあレンタルと違って期限がないからいいのだが、そのレンタルで纏めて借りたなかに(スペルもその一本)、ゴダールの「アワーミュージック」がある。一度見たものだがもう一回と思って借りたのだが、まずはそちら優先だ。暇つぶしに、と軽い気持ちで見られないのが辛いところだ。
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WC チャンピオンズリーグ

2010年05月23日 | サッカー


BSでWC特集をやっていた。今回も、一番くだらないと思う質問をやはり発していた。「日本は勝てますか?」。どんな試合であろうが、100%勝てないというのはまず無いことは分かり切っている。にも関わらず、未だにこういう質問を臆面も無く発するテレビなどのマスコミ、どうしてもその後進性を感じてしまう。それを聞くなら確率で聞け。

個人的な予想は、前回のジーコの時が敗退の確率80%位だったが、今回は95%、こんなところである。つまり、同じ相手と20回やれば一回くらいは勝ち抜けられるだろう、というのが今の実力であると思う。気になるのは、指揮官(監督)である岡ちゃんの最近の態度。ベストフォーを目指すという方針を言い続けるのは、指導者としてブレないという意味では正しい事ではあると思うが、言うことが、太平洋戦争下の日本軍司令官のような大和魂で向かえば敵なしのように聞こえ、しかもその時の状況に諸々が似てるような気がするのだ。明らかに武器が不足していて(今回の場合はフィジカル含めた技術)、戦術も玉砕のみ(今回は接近、展開...)の日本軍の姿が今の代表に重なる。それにしても、世間は盛り上がっているのだろうか。

欧州チャンピオンズリーグの方は、インテルが2-0でバイエルンを破り優勝。うつらうつらしながら一部見ていたが、インテルのディフェンスの強固さばかりが目立つ試合だった。見てて面白いという試合ではなかった。だから多分、モウリーニョのやり方に対して勝っても面白くない試合なんて意味があるのか、などという的はずれな批判がまた起こることが予想される。優勝が目標なのだから、モウリーニョのやり方が正しい。これがホントの戦術家である。ロマン主義の方が見る方としては楽しめるが、それはまた別問題である。
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直木

2010年05月22日 | トマソン


過去の画像をチェックしてたら、面白いものを発見した。既に一回使ったものだが、その時は屋根を突き破った木がちょっといけてるかとな思った。しかしこれ は、多分、この建物を作るときに(ほったて小屋のようなチープなものなので)木を切るよりは残して作った方がコストがかからない、という損得勘定の末の結 果だと推測される。元々あった木が屋根を突き抜けたのなら愛でる対象にもなるだろうが、これでは駄目だ(純度が足らない)、という物件であったのだが、着 目すべきはそこではなかった事に今回気づいたのだ。それは突き抜けた木ではなく、その横の木であった。よく見ると、完全に直角に曲がってるではないか。自然の山中で、風雪に耐えこうなるのは別に珍しいことではないが、街中にここまで直角なのはそう無いのではないか。よって、直木と名付けることにした。直木三十五ではなく「ちょくぼく」と読む。
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幻のレンタル店

2010年05月21日 | 映画


いつも利用しているレンタルビデオ屋(今はDVD屋)の、監督別コーナーの貧弱振りは昨日書いたとおりだが、この状況は致し方ないものであるとも思っている。利用する人間がいるとは思えないDVDを揃えるのは、経済原理に適っている筈無いのだから。これは、本屋の品揃えでも言えることである。基本は経済である。しかし、たまにその原則を無視したような異端的店が出現することがある(本当はそういう店を常に望んでいるのだが)。そこにあるのは、店のオーナーの酔狂、思い入れ、意地である(前提にセンス有りき)。しかし残念なことに、意地だけでは維持できないのが現実。殆どは消滅していく運命にあるのだ。ところで、何ゆえレンタル屋でそんなことを思ったかというと、実は当地にも、嘗てそんな奇跡的な店が存在していたことがあったからだ。

その店の品揃えは、ちょっとすごかった。多分、東京でもこんな店は無いのでは、と思われるようなものだった。基本的には全てが監督別で整理されている。例えばフランス映画であるなら、ゴダール、トリュフォー、ロメール辺りだったらどこでもやりそう(当地のツタヤはロメールコーナーはない)。更に進んでブレッソン、リヴェット、この辺まで来ると、ちょっといってると言えるかも知れない。その幻のような店は、更に更に進んで、ガルレ、ロブ=グリエのコーナーまで用意していた。それも、発売されている殆の品を揃えて。ブニュエルも「黄金時代」から始まってメキシコ時代の殆んど、その後は全て揃えていた。ドイツであれば、ヴェンダースは言わずもがなだが、「さすらい」とか「都会のアリス」が普通にあるのはなかなかのものではないだろうか。ファスヴィンダー、ヘルツォークは勿論。そう言えばシュヴァンクマイエルとクエイ兄弟のコーナーもあったぞ。日本映画ではちゃんと森一生と加藤泰のコーナーはあったし、今思うと、何だか夢のようなレンタル屋ではないか。

当然のこと、客は少なかった。私の知ってる範囲では、常連はゲロゲロ少年Yだけであった。これじゃあやってける訳ない。店長とも顔見知りになるのはいいが、終いには仕入れのリクエストまでしていた私も私だ。今から考えると消滅のお手伝いをしたようなものである。結果、三年ほどの命であった。しつこいようだが、今となっては幻のような存在である。
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成瀬ワールド

2010年05月20日 | 映画

レンタル、五本まとめて1000円期間ということで、例によって長時間選定作業に入る。本当、最近は、見たいものは一通り見てしまっているので選ぶのに苦労する。何でも端から見るなどという気力は、もうとうに無い。

日本映画では「のんちゃんのり弁」を見ようかと思ったが(消去法で)、生憎レンタル中。旧作で何か無いかと探すと、以前は監督別に整理されてなかった棚が監督別にすっきり整理されていた。しかし、間違っても「加藤泰」「森一生」などのコーナーはない。せいぜい「増村保造」までだ。当然「小津安二郎」のコーナーはあるが、その品揃えはあまりに貧弱。笑ったのは「鈴木清順」のコーナー。あるのはいいが、そこにあったのが「殺しの烙印」だけ。これはある意味凄いが、単なる偶然、出会い頭の衝突と理解した方がいいだろう。がそんなイマイチな監督コーナーで、何故か「成瀬巳喜男」が充実していた。旧作と言っても、ここまで旧作になるかの世界だが。

成瀬作品は一通りは見ているはずだが、何か見落としたのが無いかとチェックすると「稲妻」という作品があった。同じようなタイトルが多いので、見たのか見てないのかはっきりしない。解説を見るとどうも記憶にない。結局これを借りることにした。

「稲妻」、高峰秀子主演の昭和二十年代の東京を舞台にした、父親がそれぞれ違う四人姉妹(兄弟)の物語だ。貧すれば貪する人間の姿が、あざとさのない演出で描かれている。そんな中で自立していく主人公の高峰秀子は実に魅力的だ。そのしっとりとした世界はまさに成瀬ワールド。対局にあるのが橋田ドラマといったところではないだろうか。それにしても思うのは、日本のテレビドラマのレベルの低さである。
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食べ物ブロガ...

2010年05月18日 | 食べ物


「キッシュ」つながりで、とうとう本丸の店に行くことになった。スノッブなM氏がお土産で買ってきてくれたあの店だ。以前にも書いたが、そこは本来はイタリアンである。なのだが、何故かお持ち帰り用のお惣菜コーナーにはキッシュが置いてあるのだ。別にイタリアンにキッシュが置いてあっても何の問題もないのだが、個人的には、イタリアンを標榜するならもっとイタリアっぽいものを置いて欲しいというのがあるのだ。往々にして、そういうのはどっちつかずの個性のない店であったりするから。

店の名前は「クチーナにし村」、松本に去年出来た店だ。シンプルな内装の店内は、カウンターが中心で入りやすい。初々しい感じのマダムは見ようによっては女子大生。間違っても緊張させるような雰囲気にはならない。この点でも入りやすい店ではないだろうか。しかし、そんな初々しい雰囲気とはうって変わって料理は洗練されていた。アンティパスティに「子羊の燻製のサラダ」、パスタに「鱸のスパゲティ」メインの代わりに同じくパスタの「筍とグリーンアスパラのリゾット」と食べたが、子羊は燻煙具合もよくしっとりとして美味しく、パルミジャーノとよく合っていた。鱸はまあそこそこ、特筆すべきはリゾット。塩味は薄いのだが、筍の香りとアスパラの香りが凝縮されており、勿論おじやもどきでもなくかなり洗練された一品であった。キッシュはどうもねと思っていたが、イタリアンに関しては松本では一番洗練されているのではないか(他の店を全て知ってるわけではないので個人的な直感によるもの)と思った。

そこでキッシュを基準に考えてみた。つまり、キッシュのようなお惣菜的食べ物は、洗練という方向はむしろ美味さをそぐのではないかと。アルザスならアルザスの普通のお惣菜屋で売られてているような、郷土色濃いものが本来の味であるように思うのだ。格好つけない実質的に美味いものという位置づけで良いのではないだろうか。だから、ことキッシュに関してなら松本にはもっと適した本格派のお惣菜屋がある。「デリカテッセン マルク」だ。フレンチのお惣菜だったら「デリカテッセン マルク」、洗練されたイタリアンを食べるなら「クチーナにし村」、これで良いのではないか。松本もレベルが高くなってきたわい(羨ましい)。
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キッシュロレーヌ

2010年05月17日 | 食べ物


しつこくキッシュの話。
一番一般的なのは「キッシュロレーヌ」。フランスのロレーヌ地方のキッシュだ。土地柄(ドイツに近い)豚の加工品(ハムベーコンなど)が豊富なので、それらを使った郷土料理的なキッシュなのだが、日本の場合、キッシュとだけ表記したものは、大体がこのベーコンを使ったロレーヌタイプのキッシュだと思う。謂わばキッシュの基本形。

で、ここのところのいろんなキッシュを食べてきて、そう言えば基本形のキッシュロレーヌは食べてないことに気付いた。そこで、改めてキッシュロレーヌを作ってみようかということになったのだ。ネット上にはいくつもレシピは載っている。簡単な材料で簡単にできて、しかし見かけはちょっと本格的となかなか虚仮威しにも最適と感じるが、そのレシピがどうも本場のもとは違うのではないかという疑問が生じた。本場のものを食べたことはないが、長年の勘でそう感じたのだ。

日本の、例えばクックバッドなどにあるものは全く参考にならない。家庭のお惣菜的味付けは、基本的に方向が違うのだ。そこで個人のブログにあるものを色々あたる。材料はほぼ一緒。ベーコンに玉ねぎにチーズだ。ベーコンの下拵えに関してはまちまち。ここで再び、本場では本当にこうなのか、と疑念が。

となればフランス国内のレシピをということになる。そしてフランスの料理サイトで検索してみる。フランス版クックバッドのようなサイトが有るのだ。で見てみると、材料に関して日本とは大きな違いがあることが判明した。何と、玉ねぎとチーズは使っていないのだ。その代わり、ベーコンと共にハムを少々使っている。ベーコンは炒めて脂を拭き取って使うとあり、この部分は図らずも自分が実践してたのと同じで、フムフムとほくそ笑んだが、ここで新たな疑問が。これが本当にロレーヌスタイルなのだろうかと。

想像するに、ベーコンとハムが本物であればこれで充分美味いのであると思う。しかし日本ではなかなかそういうものは難しい。そこで玉ねぎチーズを使い、どちらかというと玉ねぎのキッシュという形になったのではないか。味もやさしくなるし。と想像を巡らしたが、実際のところがどうなのかは分からない。どっちにしろ美味けりゃ良いかという話ではあるのだが。
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菊芋のキッシュ対ブロッコリーのキッシュ

2010年05月16日 | 食べ物


いやあしかし、まさかこんな田舎のスーパーに生のホワイトアスパラが売ってるとは、一瞬ヨーロッパのマルシェか、と思った、ということはないが、それにしてもそういう時代なのね今や。早速一束購入し、茹でてオリーブオイルをかけて食した。ちょっと細くて繊維も多く、香りも乏しく(タイ産)正直そんなに美味くはなかったが、ここは買えることだけでも良しとせねば、しかも安いし。

スノッブなM氏が、前回不評だった「かぼちゃのキッシュ」のリベンジでも無いだろうが、同じ店の今度は「菊芋のキッシュ」を持ってきてくれた。かぼちゃといい菊芋といい、いろんな食材でキッシュを意欲的に作ってる姿勢は評価すべきだろうが、果たしてその「菊芋のキッシュ」の味は...。

今度のものも豚肉を使ってあり、これは好みもあると思うがあまり合うとは思えない(キッシュの中身として)。ベーコンの方が絶対いいと思うが、どうもこの店(イタリアン)のシェフは豚に特別な思い入れがあるようだ。それ以前に、わざわざ菊芋を使う理由も無いような気がする。野菜であれば、もう少し個性のある、例えばブロッコリーなどがいいと思う。しかも豚抜きで。

というわけで、もう自分で作ろうと思いその「ブロッコリーのキッシュ」を作ってみた。肉抜きでもいいかと思ったが、ベーコンが少しあったのでそれを細く切りカリカリにして、滲みでた脂はキッチンペーパーで拭き、固く茹でたブロッコリーの下にチーズと共に敷き(チーズはグリュエールがなくて普通のシュレッドチーズだが)、後はアパレイユを流し込み焼いた。そして食べてみた感想は、こっちの方が美味い、であった。こういうのを自画自賛という。
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バレーボール

2010年05月15日 | Weblog


十八年振りにバレーボールなんぞをやったら、筋肉痛はしょうがないにしても、腰が痛いのが想定外だった。たかだか町内会の大会の練習でこんなことになるか普通、と思うが実際その内容が普通ではなかったのだ。高校バレー経験者が、鬼の大松(知ってる人も少ないだろうが)ばりに鍛える結構ハードな練習をするのだ。いきなり、スパイクのレシーブまでやらされるんだから。そのハードさは、例えばテニスで言えば、逆サイドに走らされて返した球がドロップショット、それを何とか拾ったら今度はロビング、全力で追いついて返したらスマッシュで決められた、位のものだった。要するに、部活的な内容なのである。経験者でもない者が、本番までに後四回こんなことをしないとならない、たまりませんな。

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