
ゲロゲロYが新しいパン屋に行ったがほとんど物がなく買わずに帰ってきたと言った。分かってるのか分かってないのか分からないが、パン好きで昔からいろんなパン屋に行っているのは事実だ。天然酵母のハード系が好きだというのは分かってる。そこで去年オープンしたルヴァン系のパン屋を教えた。自然食志向の人たちには絶大の支持を受けているパン屋の系列ということになる。唯そこはめちゃくちゃ分かり難い所にある。ゲロゲロYはネットに無縁なので調べて行くという訳にもいかず、大体の場所を教えてその辺りで人に聞けということで落ち着いた。一回行ったことがあるが、かなり迷った。ちょうど店主がいたので思わず難易度が高いと言ってしまった。パンドカンパーニュを買ったが、典型的な天然酵母系のパンだった。元々そっち系のパンが好きということはないが、それよりは、その手のパンが大体どこも同じような味であることが気になる。つまりどこで食べてもあまり変わりないという印象なのだ。

BSでコウケンテツがフランスを食べ歩くというのをやっていたので見る。前半はパリで後半は地方。その後半を見たのだが、行ったのはオーヴェルニュとブルターニュ。しかし色々突っ込みどころの多いリポートだった。
まずはオーヴェルニュのサンネクテール。チーズで有名でそのチーズ屋さんにお邪魔して、サンネクテールの作り方などをリポートしてお昼に賄いのクロックムッシュを食べた。一緒に作っていたのだが(殆どお飾り)、その作り方というのが日本のカフェで出すようなちまちましたクロックムッシュではなく、ホワイトソースたっぷり、チーズ(サンネクテール)たっぷり、ハム(本物の腿)でかいと見るからに旨そうなものでこれだけで完結というクロックムッシュであった。突っ込みどころはホワイトソースを作ってるところでメモしていたところ。どう見ても基本的なホワイトソースの作り方でメモする必要ないだろうと思うものだった。本当に料理研究家か?その場でメモしなくても見てるだけで分かるだろう、まとめるなら宿でしろと思ってしまった。
次はナントでガレット。そこでガレット作りに挑戦したのだがこれがまた下手糞で、普通の素人と変わりなかった。本当に料理研究家か?
そしてブルターニュのシードル農家。家庭料理の鶏のローストを作ってる時、カルヴァドスでフランベしていたのだが、カルヴァドスの説明はなく後で本人がシードルでフランベが味のポイント、のようなことを言っていた。彼はそもそもフランス料理が得意ではないのか、そう思えば納得なのだがちょっと肩書が重かった。
最後はパリに戻りモンパルナスのカフェ ラロトンドでオニオングラタンスープ。ここのオニオングラタンスープ、見た目全然美味そうじゃなかったが本当に美味いのだろうか。これは素朴な疑問。

季節外れの大雪の中「ビストロバガブー」でランチ。大雪でしかも臨時営業なので流石に店も静か(利用する方としては良いのだが)。ランチメニューを見るとちょっと面白いのがあった。イワナのフィッシュアンドチップス。イギリスで唯一食べられるものと言われているフィッシュアンドチップスだ。それがビストロに。早速注文することにした。ワンプレートランチのメニューなので大皿に一盛で出てくる。たっぷり野菜にイワナとジャガイモのフリット、それにフロマージュドテットとフムスまで(これはオマケか)。見た目のインパクト大である。しっかりビストロ料理のヴィジュアルとなっている。ジャガイモのフリットもよくある冷凍の細切りフリットではなくちゃんと生のものをフライにしたもの。ソースに香草を利かせたタルタルが付いている。
でイワナのフリットだが、これが美味い。一塩ぐらいした身の味が濃いのだ。勿論生臭いということはない。本場のタラとかのフリットとは一線を画している(本場で食べたことはないが)。味のあるジャガイモのフリットと食べれば満足度も高い。そして食後にデザート。シェフの強引ともいえるお勧めのタルトオシトロン。レモンのタルトだ。これもフランスらしいメニューだ。シンプルなビジュアルも良いし、レモンがギュッと濃縮したような味は食後の締めとしては丁度良いものだった。が、余韻を楽しむ間はなく電車の時間が迫っていたのであたふたと店を後にした。
と言葉で言うよりは写真をという話だが、流行りのインスタ映え人種と違って食べ物屋で写真を撮ること自体どうも抵抗があり、しかも撮るつもりでいてもその場で面倒くさくなるのが常である。

レイトショーで「シェイプオブウォータ」を見る。アカデミー賞作品賞をとったにも関わらず入りは寂しい。シネコンの中のミニシアター規模の劇場で上映。まあ、普通の娯楽作品ともいえないのでこんなものなのか。映画の全体のトーンはデビッドリンチの「デューン」に似ている。半魚人(のような)が捕らわれてる部屋の装置などはかなり似ているのではないか。全体に暗めで水っぽい画面、この監督ギレルモデルトロのややグロでシュールなイメージは全体に行き渡っている。これが好き嫌いの分かれ目。しかし内容は純愛ファンタジーだ。あと役者で気になったのはサイコ気味な警備主任。マイケルシャノンという役者だが、どこかで見た記憶があるがそれがどこかなのかが分からない。