アマゾンプライムでブニュエルの「忘れられた人々」を見た。メキシコ時代1950年製作の映画だ。貧困問題を正面から捉えた映画だが、不思議と、社会派監督が撮ったようなこれでもかこれでもかと悲惨な現実を見せられる後味の悪さはなかった。ちょっと幻想的なシーンも挿入されて、ブニュエルらしさを感じさせる映画となっている。但し内容は、貧困にあえぐ最下層の人々の話で(日本で言えば戦後の闇市が舞台のような)、学校に行ってない日本で言えば小学高学年から高校生くらいの不良グループが、日々金をくすんだりの悪さをして過ごす姿を追っていく。そこにグループのリーダー的少年が鑑別所から逃げてきたことによって話は一気に更に悪い方に加速していく。
兎に角このリーダー(エイドリアン.ブロディをイケメンにしたような)が悪い。更生しかけた少年が彼の所為で最悪の事態に引きずり込まれたり、基本全てが見てられないような方向に進む。他の登場人物も、隙あらば少女をものにしたい盲人だったり、息子をネグレクトする母親だったり、小児愛好者だったり、まともと思った一家も最後にとんでもないことするしで、まあまともなのは殆どいない。そんな数少ない正直な働き者の若者はリーダに撲殺されるしと悲惨な話しのオンパレードだ。普通だったらこんな内容だと途中で止めるのだが、最後まで見させる何かがあった。突き抜けたブニュエル映画の魅力とでも言おうか。見終わった後に、これは傑作ではないかとさえ思った。「昇天峠」と並び「忘れられた人々」は、ブニュエルのメキシコ時代の個人的代表映画となった。
新しくできたデリカテッセンに行ってみた。一応フレンチ総菜ということだが、メインはキッシュ中心で定番のテリーヌ類などはなくあまり種類は多くない。当地でフレンチ惣菜店はかなり難しいと思うが頑張ってほしい。でキッシュだが、冷めても美味しいという謳い文句にあることからも想像できるように、多分アパレイユ(卵液)に砂糖を入れている。やや甘くして口当たりを優しくしている。これも想像だが、この味付けの方が一般受けするのだと思う。個人的には、もっと本場仕様にしてほしいのだだが、それをやると店が存続できないという現実がある。
デリカテッセンで思い出したが、同タイトルの映画を撮った監督はそのごエイリアンも撮ってるはずだ。そこで確認してみると「アメリ」もそうだった。一番有名なのを忘れていた。名前は作家のジャン.ジュネと同じだったようなで覚えていたが、正確にはジャン=ピエール・ジュネだった。
一昨日から昨日にかけての雨は結構強く、そうなると心配になるのが去年散々悩まされた雨漏り。去年屋根の塗り替えの時に怪しいところを五六ケ所処置してもらったのだが、遂にその結果が判明することとなる。恐る恐る確認すると、雨漏りの痕跡はなかった。これで一安心、だったのだが、違うところが雨漏りではなく雨が大量に入り込んで水浸しのところがあった。トイレの前の廊下が水浸しだったのだ。そこには小窓がありいつも少し開けていてそこから入り込んだのだ。今まではどんな大雨でも、少しは風で入り込んでもこんなに水浸しになることは無かった。考えられるのは樋からあふれ出た水だ。そこで今朝脚立に上って確認すると、出口にしっかりと枯れ葉が詰まっていた。流れ切らない水が溜まっていて詰まりを押し込むとどどっと流れていった。これで大丈夫だ。それにしても家と言うのは次から次とトラブルが発生するものである。