昼間をスーパーでほぼ一日を過ごす通称ペンギンオジサン(体型がペンギンでいつもクロックスタイプのサンダルを履いているので)の動向はM氏が注視してるが、そのM氏、もう一人のちょっとおかしい絶叫オジサンに絡まれた。ペンギンオジサンは無害だが、この絶叫オジサンの方は、自転車を漕いでる時いきなり絶叫するので、その場に居合わせた人間は自分が怒鳴られてるのかとかなり驚く。その点でちょっと問題なのだ。
そんな絶叫オジサンが銀行の通帳を落としたらしく、何故か歩いていたM氏に知らないかとしつこく絡んできたらしい。M氏はその絶叫オジサンと勿論話したことはなく、当然普段は関わらないようにしている。多分絶叫オジサンの方はM氏を認識していて、あろうことか疑いを持って話しかけてきたようだ(この場合聞き込みだ)。はっきり否定して別れたその後、運が悪いことにまた出会いそこでもう一度しつこく聞かれたらしい。M氏もどんだおじさんに気に入られたものだ。
近所にガレットとクレープの店ができるらしい。中古をリノベーションした建物にいくつかの店が入るというのは最近田舎でよく見るスタイルで、ガレット屋も新たにリノベーションするところに入るということらしい。大体始めるのは移住組で、田舎からするとちょっとお洒落な施設という位置づけで流行るところは流行る。行政主導のところはまず駄目だが、民間の場合、独自のネットワークを持ってたりするので行政主導よりは成功の確率は高い。食べ物屋も、大したレベルではないと思うような店がこれらの施設が好きな若者連中には受けたりする。変に本格派、或いは本場志向にしない方が良いというのは見てて思うことだ。例外はコーヒー屋。何故かこだわりが多いほど受けたりする。
昨日食べた近所のビストロのレバーの燻製仕立ては、身がねっとりしていて美味かった。それは良いのだが、一緒に行った近所のC君の話が長くてちょっと往生した。今本人が関わっている地区の役についての問題点などを熱く語るのは良いとして、制度そのものがおかしいから始まってあまりに広範囲にに何とかしようとしすぎ、結果その障害の多さに疲弊している様子。ちょっと入れ込み過ぎで力を抜けばいいと思うが、どうも性格的に几帳面で真面目なので適当にということが駄目なようだ。当然周りに対する落胆も大きい。そろそろお開きで良いころ合いに酔いが回って同じ話をまたぶり返し、結局4時間余りいた。興奮して話してるのでカウンターの向こうのシェフも大分うるさかったのではないか。その辺り後で確認しなければ。飲むとこういう傾向になるのは十分わかったので、これからは要注意だ。
住んでる家の近所の人は、殆どが農業を営んでいて、父親の代までそれが続いていたという家が多い。次の代になると圧倒的にサラリーマンが多くなる。暮らしぶりは大体地味なのだが実態はかなり違う。
農業をやっていたので広大な土地を持っている。以前は田んぼで使うしかなかったが、今はその周辺が宅地化し大型商業施設もでき土地の価格も爆上がり。特に大通りに面したところの土地は凄い価値。知ってる所でもそれぞれ大型商業施設に貸していて、一人は月の貸し賃が200万、もう一人は50万と他人からすると羨ましい限り。何もしなくてこれだけの収入があるのだ。しかし高級外車を乗り回すでもなく、海外旅行に頻繁に行くわけでもなく身なりも極めて普通、外見ではそんな資産家とは到底思えない。田舎ゆえの周りの目が気になるというのもあるだろうが、農業で身に付いた質素な生活はなかなか変えられないというのもありそうだ。そんな資産家がごろごろいるのが家の近所である。
兵庫県の知事選は再び斎藤知事の誕生という結果で終わった。それにしても思うのは、最初の頃の知事失脚一色のマスコミ報道。こちらも当初は何て鉄面皮な人間だと思っていた。テレビのインタビューでの顔色一つ変えないあの感情のない表情、とんでもないやつだと思った。ところが、失脚キャンペーンのような報道が続いて決定的なパワハラの証拠(音声データ)が出るのも時間の問題だ、と思っていてもなかなか出てこず何かおかしいと感じ始めた。そしておねだり疑惑。これはどう見ても普通に冗談的に言ってることで強要してるものではないだろう、と報道だけでも感じ、いよいよ一連の報道に疑問を感じ始めた。そしてこの結果だ。
パワハラにしろおねだりにしろマスコミがちゃんと取材していればある程度のことは分かったはずだ。ところがトンデモ知事という文脈でワイドショー的な扱いしかしなかった。これだけでマスコミ特にテレビは二流であることを証明してしまった。想像するに今はちゃんとした取材をできる人間がいないのではないか。芸能スポーツで浮かれているだけでそういう人間を養成してこなかったのだろう。
レストランを三時くらいに出て、湘南モノレールの江の島駅まで送ってもらう。その前に江の島に車で侵入してすぐさまUターン。江の島そのものに入るのは生まれて初めてかも知れない。そして湘南モノレール。一度乗ってみたいと思っていたが、この機会を逃すともうないと思ったのだ。
噂では聞いていたが、揺れに切れがある。そして住宅地を抜けていくので車窓の風景も独特である。終点は大船。ここでJRの大船駅の方に移動。
大船駅には来たことがあるが大船観音は見たことがなかった。ホームで頭だけポコッと出ていて始めは何かと思ったが、そうか大船観音かと思い出した。ここからは湘南新宿ラインで新宿まで。これが出来て鎌倉方面は随分近くなった。それにしても今回の鉄道の乗り換え、自分の中では記録だと思う。
平塚駅で友人と合流し彼の車で昼飯を食べるため湘南海岸に向かう。こちらのリクエストは海の見えるレストラン。観光客がいかにも言いそうな言葉だが、こちらも観光客みたいなものだし、そもそも江の島周辺に来ること自体無いし、普段は湖と山しか見てないしで100パーセント観光客気分だ。
海岸線は平日にもかかわらず車が多い。最近は湘南鎌倉はいつでも観光客であふれている、と平塚在住の人間は言った。途中江ノ電ではよくニュースで見る光景が。湘南高校前駅周辺のアジア系観光客だ。そんな混雑を在住外国人が笑っているの図。
レストランもどこも混んでいて最初に行った七里ヶ浜の店は十何人も待ち客がいてパス。平日の一時半過ぎでこんな状態だ。そこで再び江の島方面に戻り古くからある珊瑚礁という店に行く。ここも待ち客がいたがこれ以上やると昼飯難民になる恐れがあるのでここで待つことにした。我々は五組めくらいだった。結局十五分ほど待ち入店。丁度テラス席で江の島はほぼ正面。目的は達成だ。カレーが有名らしくビールとシーフードカレーを頼む。味は極めて平凡だったが「海を見ながら湘南でカレーとビール」という観光客にとっては魅惑的なフレーズを実践に移した。
香川駅で降りて霊園に向かう。植生が地元とは違い湘南を感じちょっとした旅気分を味わう。実際小旅行みたいなものだ。そして霊園で今年亡くなった従弟のお参りをして同じ道を帰ってくる。駅に着くと次の電車まで十数分あるので(本数が少ない)駅周辺を散策。店などはあまりないが駅前に一軒の昔ながらの肉屋があった。地元に根付いた店の風格。見ると揚げ物中心の総菜を売っていて誘われるようにいくつか購入。所謂普通の揚げ物なのだが、翌日食べてみるとスーパーのものとはえらい違った。翌日でも十分美味く、素材選びの真っ当さを感じた。袋も良い感じだしこの「宮代商店」知られざる名店ではないか。一期一会の出会い。
その後電車に乗り茅ケ崎(終点で二つ目)を目指すが当初の予定とは大きく変わって、結局平塚まで行くこととなった。
茅ケ崎に行く用がありあずさに乗って八王子を目指す。行程は八王子で横浜線に乗り橋本で相模線に乗り換え香川という駅まで行くというもの。相模線なんて勿論乗ったことないし、名前すら聞いたことがあるようなないようなという程度。今回は二回乗り換え、の筈だった。ところが順調に走っていたあずさが相模湖で急遽停車となった。中野の人身事故で中央線全線が運航停止となってしまったのだ。復旧には40分ほどとアナウンス。高尾まで行く方はここで降りて、次の普通電車に乗り換えてくださいと更にアナウンス。普通電車は高尾まで行くようだ。用を済ませた後に友人と茅ケ崎で待ち合わせしているのでこちらも一寸急ぎたい。そこで急遽ここで降り次の高尾まで行って京王線に乗り換え京王八王子まで行くことにする。ここで新宿に早くいきたいという乗客がいたので、京王を使った方が良いですよとアドバイス(高尾から直行便がある)。結局三四十人くらい降りたろうか。乗車券はそのまま使えるという京王とJRの連携があるようで無駄にすることはなかった。
そして京王に乗り直行は無いので一回乗り換え京王八王子に行く。そして京王八王子ではいったん外に出てJR八王子まで歩く。結局八王子で横浜線に乗ったのは相模湖で降りた一時間後くらいだった。あのままあずさに乗ってるより明らかに早かった、と思う。長距離電車に乗って人身事故の影響を受けるのは今回が初めてだった。そこからは予定通り橋本で乗り換え香川に行く。相模線は田舎の路線と同じで駅が多く遅い。途中原当麻という駅で車内アナウンスでいきなりハラタイラとありえっ!となったが正解はハラタイマであった。当麻というのは奈良にある当麻寺(當麻寺)を知ってると読めるが、結構難読ではないか。
近所に行列のできる店が出現した。五年前くらいに改装して小綺麗になり、ちょくちょくローカルテレビで紹介されるようになり、この時点ではあまり変化はなかったが、全国版に取り上げられたころから結構並ぶようになった。それがニ三年前。そしてまた取りあげられた。今回の番組はゴールデン。この影響力は凄い。世の中話題性だけで食いつく人間は多い。一回行けば目的達成なので基本的にリピートはないが、全国版だと一周するまでが長い。一体いつまで続くのだろうか。
基本的に影響は一過性なのだが、何度も取りあげられてく内に行列が常態化する店も出てくる。こういう店はリピーターが増えて、丁度基礎票が増えて安泰と同じような状態になる。そういうリピーターは最初に飛びつく人間ではなく、騒ぎが収まった頃に来て気に入ったという人間だろう。そんな基礎票が徐々に増え、話題性もネットで地味にじわじわ続くと本当の行列のできる店ということになるのだろう。近所のパン屋もちょっとその気配がある。