フィリップ.ガレルの「恋人たちの失われた革命」を観終わる。それにしても、3時間はやはり長かった。決して退屈でどうしようもない映画ではないが(そうであれば途中放棄)、物語としては(所謂ストーリー)退屈の典型であると思う。何かの目標に向かって頑張り成し遂げるわけでもなく、或いは大いなる挫折を迎えるわけでもなく、タイトルで示されるように、大義的目標である革命は失われるのである。つまり宙吊り状態に置かれる。形としては男女恋愛物語でもあるが、登場人物全てが宙吊り状態で、方向が定まらず彷徨い続ける。こんなものが延々と3時間続くのだ。しかも、説明調でなく。ベルトルッチの「ドリーマーズ」に似ていると前に書いたが、映画作りそのものでベルトルッチの協力を得たということが、おまけの監督インタビューに於いて述べられていた。ただ、よくぞこの時代に、こんな内容のこんな長い映画を作ったものである。その快挙というか暴挙には敬服するしかない。最後に、白黒画面の暗い映像はかなり魅力的であることも付け加えておかないといけない。
と、そんな時、久しぶりにamazonを覗いていたら、アルドリッチ(オルドリッチ)の「攻撃」というDVDがお安く出ていた。ガレルとは大分趣が違うが、「恋人たちの失われた革命」のあとに見るには良きバランスかと思い注文した。ドン.シーゲル、ロバート.アルドリッチ、それにサミュエル.フラーは見る機会があれば常に追いかけたい。