信州は、一応蕎麦の本場と言うことになっている。
実際蕎麦屋の数も多いし、幹線沿いに軒を並べてると
ころもあり、ちょっとした蕎麦街道となっているとこ
ろもある。
くる人も、気分はすでに蕎麦モードになっているので、
これが本場の味か、と満足する。
中には、期待はずれと感じる人もいるだろうが、概ね
納得する(のかな?)。
しかし、それらの蕎麦屋が、実際県内産の蕎麦粉を使
ってるかとなると、かなりの確立で怪しい。
県内産の総量と、全体で使ってる総量は大きく違う。
この辺は、イベリコ豚の生産量と使用量の違い、と同
じ事情かもしれない。
まあ、県内産、国内産を謳ってなければ問題ないので、
後は食べる方が勝手にそう思ってるだけ、ということ
になる。
それで結果的に満足しているのなら、それはそれで問
題なしだ。
しかし、実際のところ、味的にはどうなのか。
一般的に、見た目が本場感を醸し出しているというこ
とはある。
つまり、色。
見るからに黒いと、「ああ蕎麦だ」と感じやすい。
しかし、これは単に外皮が多いか少ないかの違いで、
蕎麦粉の割合が多いと言うことではない。
結構、これだけで騙されてるかというか、暗示にかか
ってる人は多いのではないだろうか。
郷土料理としての蕎麦は、元々は蕎麦掻だから、蕎麦
粉も挽きぐるみという黒い蕎麦粉。
つまり、これが原型となり、基本的に田舎の蕎麦は黒
いということになった。
少なくとも、原型は蕎麦粉100パーセントで、蕎麦
の香りが強く、素朴な味のものだ。
これが、そば切りに発展していくのだが、ここに問題
がある。
果たして、蕎麦の本場とは?という。
つづく。