ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

かぼちゃサンど

2010年04月30日 | 食べ物


朝から快晴、でも風が冷たい。この前の「かぼちゃのキッシュ」
は、結局T君にお裾分けしたのだが、やはりT君もあまりお気
に召さなかったようだ。そこでかぼちゃの話となり、単独でなら
いいが、何かと合わせるとあの甘味が邪魔だというところで意
見は一致した。最悪だったのはかぼちゃのサンドイッチというの
も図らずも一致した。どういうのかというと、あるパン屋で出して
いた(そこのバゲットはこの辺では唯一のお気に入りだった、過
去形なのは既にないから)、普通の食パンにかぼちゃのペース
トがはさんであるだけのもの。しかし、そのかぼちゃのペーストが
相当不味く、あまりの不味さに店主に言ったくらいにひどいもの
と思われた。何がいけないかと言うと、マヨネーズを混ぜ込んで
あること。それによって、変な生臭味のようなものが出て、かぼ
ちゃの味など殆どしなかった。しかも不自然な甘み。多分業務
用のかぼちゃのペーストを使ってるからだと思うが、二度と食い
たくはないと思ったことは事実である。

が、世の中嗜好はまちまちである。そんな最悪な個人的な評価
とは関係なく、「この味が好きな人がいるんです」と店の主人。う
ーんどういう味覚なんだと言いたかったが、それを出している張本
人の主人もひどいとは思っていないわけだから、矛先はこの主人
の味覚に向けるべきだったのだ、今思えば。バゲットとかクロワッ
サンは良いのに。ひょっとして、レシピ通りに作ったから良かった
だけか。カスクルートを出すのは良いが、全てマヨネーズ味という
のもちょっとねとは思っていたが、これに関しては、田舎ではマヨ
ネーズ以外の味は全く受けないと言う事情があるのでやむを得な
い。唯、ニソワーズなどというものを出すのは良いが、マーガリン
を使うのと、アンチョビが少ないとかジャガイモがないとかいろい
ろ不満はあった。これも店主に言ったが(嫌な客だがよく知ってい
る店主だったので、それに本人はこだわってるようなことを言って
いたのだ)、本人は変える気はなかった。と、全ては過去の今更
の話であった。
コメント (2)

アンチョビペースト

2010年04月29日 | 食べ物

カフェのT君が「貰い物ですがアンチョビペーストいりますか?」
と言うので「喜んでと」と貰う。そろそろ買おうかと思っていたと
ころなので調度良かった。それにしても何故アンチョビペースト
をT君はお土産で貰ったのか、そこが疑問である。しかも一箱
である(一ダース入りか)。聞くと、フランス在住の人のお土産
で、しかも予めリクエストしたらしい、この時点ではT君は本人
とは面識がないにも関わらず。何だか不思議な話だが、そうい
うことであるらしいのだ。まあ、こちらはおこぼれに与かっただけ
なのでその辺の事情はどうでもいい。

見ると、フランス土産だがアンチョビペーストはイタリア製。殆ど
イタリア製なのでこれは当たり前。いずれにしろわざわざ買って
きたわけだ。見ず知らずの人に(この時点では)よくである。こち
らはおこぼれに与るだけだから、ああ前に言ったか。成分を見る
と、アンチョビとオイルのみ。この辺はちゃんと押さえているようだ。
流石在住。時たま、余計な香料なりそれ以外のものが入ったも
のがあるのでそこは要注意なのだ。これで、心置きなくアンチョビ
ペーストが使えるぞ(と言うほどのものでもなかったか)。
コメント

不貞の女

2010年04月27日 | 映画

ゲロゲロ少年Yから借りた二本のDVDのうちの一つ、クロード・シャブ
ロルの「不貞の女」を見る。元々この監督の映画、特別良いと思った
のはないのだが、何故かYが持ってきたので(その理由を聞くのを忘
れた)じゃあ見るか、ということになったのだ。

内容はタイトルで想像出来るように、不倫の話。簡単に言えば、三角
関係のもつれから起こる殺人事件。何だかテレビの二時間サスペン
スのような内容である。実際、美しい妻の浮気を知ったブルジョアの旦
那が思わず相手を殺し、証拠隠滅のために死体を沼に埋め、それを
知らない妻は浮気が発覚するのを恐れ、捜査する刑事に嘘をつかざ
るえないという如何にもな内容である。画質がこれまた悪く、くすんだ
ような色で昔のメロドラマでも見ているような気分になり、見てる間じゅ
う一体どこが良いんだろうと考え続けていた。クローズアップを多用す
るところも好きではないし、しかし、適度な省略は悪くないしと、中途半
端な気持ちで見続けて、最後の場面。多分、この場面を撮るためだけ
に監督はこの映画を撮ったのではないか、と思えるようなもの。劇的と
かそういうものではないが(ある意味劇的か)、犯人である父親を遠く
から見つめる息子と母親、植え込みを挟んで父親と交わす視線、カメ
ラはゆっくりそれをとらえていく、そして何の説明もなく唐突に終る、こ
の一連のショットは充分に魅力的であった。

結論から言うと、それなりに良い映画かとは思った。が、やはり好きに
なる程のものではなかったというのが正直なところ。同じヌーベルヴァ
ーグでも、好きな監督もいればいろいろである。一体何が違うのか。
コメント

純粋裏口

2010年04月26日 | トマソン


昨日の「無用庇」と同じ壁に存在したのが、 今日の「純粋門」、いや門と言うよりは玄関、 いや位置的には裏口、ということは「純粋裏 口」か。これも「無用庇」の仲間に入れても 良いのだが、この場合、裏口としての存在感 が強いのでそちら側に光をあて「純粋裏口」 とすることにした。生成過程は「無用庇」と 全く同じ。何かの理由で使わなくなって、入 り口としての機能を奪うべく潰してしまった。 結果、遺跡のような構造物として残った。全 てに共通するのは、それらの構造物は最早何 の役にも立たないということである。しかし、 こんなところでちょっと注目される。少なく とも存在を認めた人間が一人はいたのである。 「純粋裏口」という名前まで貰って。それにし ても、サラ金の看板は一体誰が見るというの だろう。湿ったような狭い路地で、人はまず 通らない。
コメント

無用庇

2010年04月25日 | トマソン


「無用庇」或いは「純粋庇」、トマソンの代 表的なタイプだが、これも以前に比べると大分 少なくなってきた。その以前というのは、20 年ほど前の話で、その頃は謂わばトマソン一 次ブームで(尤も一次以降はあまり聞かない が)、それに乗じてこちらもいろいろ探索し たのだった。当時は街中にも結構存在してい てそれほど珍しくなかったが、今はもうそれ らの親となる建物そのものが消えてしまって いるので当然のこと「無用庇」も無くなって いる。隔世の感である。今また同じようなこ とをやって喜んでいる自分も、進歩がないと 言えば進歩がないのだが。 改めて「無用庇」の定義だが、本来庇という のは窓の雨除である。つまり窓があって初め て庇の機能を発揮するのだが、その窓が無く なると庇の構造物のみが取り残される。庇で あって庇でない状態となる。この状態が即ち、 無用、或いは純粋という言葉で修飾される物 の状態となるのだ。それを「無用庇」「純粋 庇」と呼ぶ。で、今回久しぶりにそれを発見 したのだ。しかも中途半端な形の。半分庇、 半分無用という珍しい形のものだ(写真)。 あった場所がこれまた殆ど人が通りそうにな い狭い路地。大体この手の物は、人目に触れ ないところにひっそりと存在しているのであ る。
コメント

Yの映画

2010年04月24日 | 映画


ゲロゲロ少年Yが、ドライヤーの「ゲアトルー
ズ」を回収に来た。どうでした?と聞くので
もちろん良かったと答える。そして、こんな
作品を撮ってたなんて凄い、これだけは間違
いないね、と二人で納得する。

そのYの手には、新たな二枚のDVDが。一つは
ストローブ=ユイレの「セザンヌ」。すかさ
ずYは「いやあセザンヌは凄い」と一言。どう
やらこの映画を見て、セザンヌは凄いと深く刻
みこまれたようだ。それで、セザンヌが凄いの
か、それともそれを撮ったストローブ=ユイレ
が凄いのかと聞くと、どっちも凄いということで
あった。完全に憑依してしまったようだ。まあ
これもいつものことだと軽く受け流す。こちら
としては楽しみな映画がまた一つ来たわけだ。
因みに、もう一枚はクロード・シャブロルの「不
貞の女」という作品。これに関しては、あまり
期待はしていない。

突然「ドラクロア」も凄いですよ、とY。セザンヌは
ドラクロアを尊敬してたらしいことをこの映画で
知っての一言であった。ドラクロアねえ、「何と
かの自由の女神」ぐらいしかしらないし、と言う
と、えっそれ何ですか?とY。あの有名な、ジャ
ンヌ・ダルクみたいなやつだよ、と言うと、あれ
は「ラ・マルセイエーズ」って言うんじゃないで
すか、ととぼけたこと言う。どうもドラクロアも
よく分かってないYであった。
コメント

越冬キベリタテハ

2010年04月23日 | 生き物 自然


ひょっとして「ヒメギフチョウ」が発生したか、
と思い今年初めての蓼科。ここ最近ではちょっ
と暖かめと思いきや、蓼科はまだまだ寒かった。
たんぽぽも蕾にもなっていない。やはり例年よ
りも遅れているようだ。ということは、咲いて
いる花がなければ蝶の発生も遅れる。結果、ヒ
メギフチョウのヒの字もなかった。

取り敢えずいつものコースを歩く。他の春の蝶、
どこにでもいる「ミヤマセセリ」「コツバメ」
の姿すら全く見かけない。いるのは「キタテハ」
「ジャノメチョウ」そして「キベリタテハ」の越冬
組だけであった。これらの蝶が、陽だまりでお互
いの占有権を主張しながら日向ぼっこをしてい
た。この三種では「キベリタテハ」が高原な
らではの蝶で、わりに人に敏感でなかなか普段
は近づけないのだが、今回は嫌に人懐っこく向
こうからやって来た。始めはまとわりつくよう
に飛んでいたが、終いには手に止まって口吻
(ぜんまい状の口)を伸ばし栄養補給とあいなっ
た。元々人間の汗は好きで、種類によっては(ジャ
ノメチョウ科は特に)よく来るが、キベリタテハ
では初めての経験だ。ナトリウムなどのミネラル
分がいいのだろう。しかも今回は、直前に車の
中で食べたモスバーガーのとびっきりハンバー
グ(とびっきりというほど美味くはないが)の
ソースが付いた手だったので、尚更だったので
はないか。更に、そのハンバーグのソースが、
いつもとは明らかに違うほど塩が効いていたの
で、キベリタテハにとっては思わぬプレゼント
となった。越冬ご苦労様というかんじで暫く栄
養補給に協力した。そして右手一つでバッグか
らカメラを出して撮ったのが本日の写真。食事
に夢中で本人は完全に無防備、この状態で20
分以上は経過。新鮮なものはかなり綺麗だが、
流石に一冬越すと褪せてくる。が、この個体は
結構状態は良い方だと思う。
コメント

コラージュ4

2010年04月22日 | 芸術


T君が、店に飾る小さめのコラージュがほしい
と言ってきた。店内の絵やらポスター写真は、
いろいろ試した結果(いろんな知り合いが飾っ
て欲しい故持ってくるがそこはそれ、ちょっ
とねいうのが多い)一通り決まってきたのだ
が(T君のセンスでだが、勿論私の磁場も影響
している)、一角にちょっと空いたためた壁
ができたのでそこに置きたいと言うことであっ
た。

早速、合いそうな過去の作品を探す。パソコン
で作った写真などを元にしたもので良いような
ので、数は一杯ある(ブログ用に一日一作品な
どとやっていたことがあったので)。が、改めて
作品としてとなると、数の割には今でも良いと
思うのは多くない。いくつか候補を引っ張り出
して検証。作った当時はまあまあかなと思った
ようなものでも時間が経ってみると、どこか足
りないという感じを受ける。二枚ほしいという
ので候補も二つ。一つはそのままでもいけそう
だ。もうひとつの方は要加筆であった。結果完
成したのがこれ(写真)。主に昔のイラスト(無
料素材)を切り貼りしたものだが、何だかぎっし
り人が詰まったコラージュとなった。パソコン
ならではのものだが、まあ面白いのではないか
と思っている。
コメント

群雄割拠

2010年04月20日 | Weblog


それにしても次から次と政党ができる。これ
から群雄割拠の時代を迎えるのだろうか。全
ては民主党が思ったより駄目なせい、と言っ
ても良いのだろうが、反面教師としての自民
党がいるにも関わらず、これだけ見放される
のを彼らは予想していたのだろうか。思った
以上に官僚機構は強固だった、利益誘導に引
きずられ、結局バラマキ政策しかできない、
はたまた、マスコミが喧伝している以外の見
えないところでは着実に改革は進んでいる、と
いろんな見方はできるが、一本基本線があり、
その基本に沿って政策を決めていってるよう
には見えないところが自民党と同じでは、と
感じてる人が多いのは容易に想像ができる。
正直、もうちょっと出来るかとは思ったのだ
が。ところで、普天間を硫黄島にというのは
駄目なのか?

それにしても東国原知事であるが、たぶん多く
の人は彼には何も期待していないのではない
か。というより、本性がばれて見限られている
と思うのだが、本人はまだまだ意欲はあるよ
うだ。本腰を入れて宮崎限定でやるのが本人
のためには一番いい。橋下府知事に擦り寄っ
たりいろいろ画策しているようだが、もう過
去の人であることを自覚するべきだし、個人
的にも彼の顔はテレビで見たくないのだ。
コメント

ユニクロ商法

2010年04月19日 | Weblog


着るものなんて何でもいい、というわけでは
ないが、積極的に何かが欲しいなどと思うこ
ともない。結果、ユニクロ辺りので十分とい
う事になり、たまに購入するというのがここ
最近の着るもの状況だ。しかもその頻度は年
々少なくなる一方。下手に行くと、つい余計
なものを買ってしまうので、なるべく行かな
いようにしているのもあるが、基本的に着る
服は限られるので、常に在庫を抱えてる状況
だ。要するに、いらないものが多いのだ。鳥
が、巣に何でもいろんなものを持ち込むのと
同じような習性が、人間にもあるのではない
かと思うことがある。

で、そのユニクロだが、前にセールで買って
おいたパンツが丈詰めをしてなかったので、
改めて持ち込んだ。セールで買ったものなの
で当然費用はかかると思い聞くと、無料だと
言う。ジーパン屋だと買った時でも普通に取
られたと思ったが。こんなサービス良いんだ、
と思わず感心して、他のものもついでに買っ
てしまった。これがユニクロ商法か。丁寧な
対応とサービス、徹底すれば客は嬉しくない
ことはない。成長するわけだ、と術中に嵌っ
た人間は納得してしまった。でも、当分もう
来ないぞと固く決意した。サービスが良くて
も、やはりいらないものはいらないのだ。

コメント

忘れられた人々

2010年04月18日 | Weblog


「オッペンハイマー」、さっきこの名前が出
てこなくてイライラしてしまった。何の脈絡
もなく「マンハッタン計画」の中心人物は誰
だったかと考えだして、さてということになっ
たのだ。こんなことはしょっちゅうで、今回
は無事に思い出すことができて良かったが、
多くは思い出せずそのまま気持ち悪い状態を
維持、あまりに気持ち悪いと、ネットで探り
出して解決する。しかし、決まって、何でこ
んなのが思い出せなかったのかという、軽い
自己嫌悪が生じる。

以前にも書いたことだが、忘れないために関
連付けて覚えるという方法はとっている。オッ
ペンハイマーに関しては今のところないが
(オッパイハンマーとでもすれば良いかも知
れない)、他の人物に関しては同じ名前の有
名人と結びつけるという方法を取ったりする。
頻繁に忘れる人物の名前にはこの方法を使う
のだが、これには一つ欠点がある。その思い
出すための有名人も忘れてしまうという危険
性があるのだ。そのいい例が「グレン・グー
ルド」。難しい名前でもなく覚えやすいと思
われるが、何故かよく忘れる。そこでグール
ドつながりで「エリオット.グールド」を持っ
てくることにした。今は殆ど聞かないが、ア
ルトマンの「マッシュ」や「ロング・グッド
バイ」の主演男優だ。顔もぱっと思いつく。
しかし問題はグレン・グールドとエリオット.
グールドが結びついていないことだ。グレン・
グールドの顔で思い出すのは、何故か「ダー
ク.ボガード」。イメージできっちり結びつけ
られればかなり強固な記憶となるはずが、こ
れが全く関係ない人と結びついてしまってい
るのだ。

まあ、例え思い出せないと言っても、大した
問題ではないのだが、こんなことでも日々の
不快要素ではあるので。
コメント

たぶんイブ.クラインか

2010年04月17日 | トマソン


この時期に雪か、こういうのもなごり雪にな るんだろうか、と春があまりに遠い日々だが、 何だか精神的にも鬱屈しそうな呪われた天気 である、とそこまで大袈裟ななものでもない が、これがアイスランドであれば、噴火を目 の当たりにして、大地の怒りによって噴出し た煙に覆われた憂鬱な世界、という表現もしっ くりくるかも知れない。 そんなどうにもスッキリしない世界に、一服 の清涼剤ともなるような一品を。この前の傑 作(パッチワークのような原爆タイプ)の向 かい側にあった同じような原爆タイプ。修正 を施してないので、むしろこれが純正の原爆 タイプと言えるのであるが、謎の図形の範 疇にも片足が入っているのが何とも魅力的。 形からすれば、明らかに家の形なのだが、問 題はその大きさなのだ。あまりに低い。一階 部分に二階まで収まったようなコンパクトさ のなのだ。そこが謎の図形たる所以なのだが、 よく見るとわざわざ描いたようにも見える。 そうなると立派な作品となってしまう。差し 詰めイブ.クラインといったところか。
コメント

レンタル映画二本

2010年04月16日 | 映画


この前、「レンタル五本まとめて千円」をま
だやっていたので借りたが、何を見たのかす
でに思い出せなくなってしまっている。それ
だけ印象に残っていないということなのだが、
それにしても一週間も経っていないのに。ま
あ、普段だったらまず借りることもないもの
を借りるという理由があるから、やむを得無
い部分はある。それでも、その中の二本は何
とか思い出した。ラッセル・クロウが出てい
る西部劇。「三時十分.決断の時」とコーエン
兄弟の「バーンアフターリーディング」だ。

「三時十分.決断の時」は、もう一人のクリス
チャン・ベールと二人が主人公と言える、触
れ込みだと最後の西部劇とか何とかだったよ
うな気がする。一応最後まで見られたので、
詰まらないというものではなかった。しかし、
特別面白いというほどのものでもなかった。
この題材だったら、イーストウッドが撮れば
傑作になったかも知れないとは思った。内容
は、クリスチャン・ベール演じる貧乏開拓者
の親とその親を軽蔑する子の再生、そしてお
金のために護送することになった大悪党ラッ
セル・クロウとの、ハイジャック犯と乗客の
奇妙な一体感を「ストックホルム症候群」と
言ったと思うが、それと似たような奇妙な関
係が、大きな二つの軸として描かれている。
物語としては、それなりによく出来ていると
は思う。しかし、全体の印象が薄かったのは
ショットに魅力がないせいだろう。

そしてコーエン兄弟の「バーン.アフター.リー
ディング」、話題作「ノーカントリー」の次
の作品ということになる。元々映画作りは上
手い監督だが、「バートンフィンク」の頃の
方が良かったのは何故か。たぶん最近は、そ
の名人芸的見せ方が鼻に付きだしたのだろう。
ブラッド・ピットが「イングロリアス.バスターズ」
と同じよな馬鹿キャラクターで出ているが、
同じように名人芸的域に達していると思われ
るタランティーノの映画の方が面白いのは、
監督のエモーションの違いであろうか。
コメント

傑作との邂逅

2010年04月15日 | トマソン


全く、暖かくならないにもほどがある。極端 に一日だけ暖かくなるより、程々の安定がほ しいと切に思う。そういう点では、すでに超 保守主義者である。何故そうなったかという と、身体の適応能力が衰えてしまったから。 風が寒いと自転車にも乗る気が起こらない。 そんな中、近場をちょっと歩いた。もうあま り発見もない街場なのだが(この時期だと本 来は自然観察)、何度も歩いたところでも、 方向を変えると新たな発見があったりする。 そのパターンであるが、今回それが傑作との 邂逅をもたらした。そこは何度も通過してい たところだが、今まで全く気付かなかった。 これも原爆タイプなのではあるが、その補修 の仕方が半端ではない。一枚で済むところを この大きさの波板しかなかったのだろうか、 何枚も何枚も重ねて張り付けた。結果パッチ ワークのようになった。見ようによっては菅 木志雄が作った作品のようにも見える。こ れは傑作だろう。実際これを発見したときは、 胸が踊った。
コメント

キッシュ

2010年04月13日 | 食べ物


最近、キッシュを見る機会が以前より増えて
いるような気がする。つまり、それだけキッ
シュを出す店が多くなっているということな
のと思う。そう言えば、お気に入りのパン屋
にも何種類かのキッシュ(サーモンやほうれ
ん草など)が置いてあった。レトロタイプの
バゲットを買いに行く店だが、他のものは基
本的には買わないが、見かけにつられて買っ
たことがある。外見上は美味そうだった(大
体キッシュはどこでもそうだが)。しかし、
味の方はむしろ不味い寄りのものだった。何
がいけないかと言うと、「アパレイユ」とい
う固めるための卵やら生クリームを入れた液
体の味付けが駄目だったのだ。あろうことか
そこのは、砂糖などいれ甘みを付けてあった
のだ。如何にもコンビニ世代が好みそうな味
であるが、キッシュが甘いのは根本的に駄目
だろう。こういうのを食べると、一体本物っ
て価値があるのだろうか、とつい疑問に思っ
てしまう。平気で食べられる層が確実に存在
しているという事実は、今にはじまったこと
ではないので別に驚くことでもないのかも知
れないが、目の当たりにするといつもそう感
じてしまう。

とそんな時、スノッブなM氏がある店のキッシュ
を買ってきてくれた。イタリアンの店だがキッ
シュも売りにしているらしい。つまり、その
くらい今では普通に売られている、のか?でそ
のキッシュだが、「豚肉とかぼちゃのキッシュ」
というちょっと珍しいもの。具に豚肉が入って
いて、かぼちゃは切ったものを、上に綺麗によ
くある洋梨のタルトのように並べている。見か
けは確かにいいが、残念ながら、豚肉とかぼちゃ
の組み合わせが個人的には全く好きではないの
で今ひとつ食指が動かない。かぼちゃはただ煮
ただけ焼いただけが良い。それと、豚肉はベー
コンだったら良いのだが、昔から普通の豚肉は
好きではないのだ。単なる好き嫌いなのだが、
拠って、このキッシュが美味いのか美味くない
のかは判定不能であった。それではあんまりな
ので写真だけは撮っておいた。
コメント